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『桜舞う記憶、紡がれる恋』  作者: うさえり
第10章

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13/21

文化祭と体育祭

夏が過ぎ、高校生活の一大イベントである文化祭と体育祭が近づいてきた。


委員会活動やクラスの準備を通じて、自然と舞桜は拓斗と過ごす時間が増えていった。


文化祭の準備期間中、クラスの出し物で舞桜が困っていると、さりげなく助けてくれたのは拓斗だった。


彼の的確なアドバイスと、一緒に作業する時の真剣な眼差しに、舞桜は胸の高鳴りを覚えた。


二人で夜遅くまで準備に残り、他愛もない会話を交わす中で、舞桜は拓斗の意外な一面を知っていく。


彼の優しい声、困っている人を見過ごせない真面目さ、そして、ふとした瞬間に見せる少年のような笑顔。


それらを知るにつれて、舞桜の心は拓斗へと確実に傾いていった。


体育祭では、足の早い咲希と拓斗が学年対抗リレーの選抜選手としてグラウンドを駆け抜けた。

その姿に、舞桜は声が枯れるほど応援した。


そして、運動が苦手な舞桜もまた、クラス対抗リレーに出場することとなり、その練習の際に、運動が得意な拓斗から走り方を教えてもらう場面もあった。


拓斗の真剣な指導と、時折見せる優しい眼差しに、舞桜はますます惹かれていった。


(私、拓斗くんのことが……)


様々な行事や出来事を共に乗り越える中で、舞桜は拓斗が自分にとってなくてはならない存在になっていることに気づき始めていた。


幼い頃の初恋の記憶は大切だ。

けれど、今、目の前で、共に笑い、共に努力してくれる拓斗の存在は、その記憶を凌駕するほどの重みを持っていた。


それは、頭で考えてどうこうするものではなく、心が自然と求める、温かい感情だった。


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