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5 花(きみ)のなまえ。

 きみのなまえ。


 わたしはいつわたしになったのだろう? 君に出会ったときだろうか? なら、君に出会う前、わたしはどこにいたんだろう? 世界のどこにもいなかったのだろうか?


 咲いている赤色の花がこの森にやってきたばかりの白い猫が、雨の日に川に流されたらしいとやってきた森のふくろうに聞いたのは、それから少しした日のことでした。

 きっとこの森の川が少しの雨でも、流れが激しくなることを知らなかったのだろう、と森のふくろうは言いました。

 赤色の花は白い猫のことが心配で心配で仕方ありませんでした。

 でも赤色の花は白い猫のことを待っていることしかできませんでした。

 なので、赤色の花は毎日、毎日、神さまに祈りました。

 白猫さんが無事でありますようにって。

 雨の日も。

 風の強い日も。

 それから数日後に、赤色の花の祈りが神さまに届いたのか、白い猫は赤色の花のところにやってきました。

 白い猫は、体中、傷だらけでした。(うしろの足を少し引きずっていました)

 白い猫は赤色の花を見て、にっこりと笑いました。

 でも赤色の花はとても怒っていたので、笑ったりはしませんでした。

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