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第8話:高級料亭の戦い

「おい康太君、これ見てよ」

純がそう言うと、康太はすぐ後ろを振り向いた。そこには回転テーブルの上で尚人が回っていた。

「なにやってんだよ」

多少呆れながら康太は奥の厨房を調べ始めた。すると、ゴソゴソと炊飯器の近くから物音が聞こえてきた。

「ねずみか」

康太は一発発砲すると、物音の正体がゆっくりと出てきた。

「やべぇ」

康太はすぐに逃げ出した。物音の正体、それはライスドッグだった。急いで厨房抜け出すが中央広間にもライスドッグが数匹睨んできた。くそ、やるしかないか。康太は立て掛けてあった日本刀を手にし、尚人と純はショットガンとマシンガンを構えた。外から聞こえてきた爆発音によって戦闘が開始された。

康太はテーブルクロスでライスドッグの視界を防いで刀を抜き出した。

「紫電一閃」

一瞬刀が光ったと思いきや、ライスドッグは真っ二つに切り裂かれた。模造品の刀じゃなかったのか。切れ味はいいな。

「悪いな。星野と闘うまでは負けるわけにはいかないんだ」

ライスドッグは残り二匹。直人と純は店の階段で立ち止まった。

「一旦ここで別れるぞ」

「分かった」

二人はここで別れ、尚人は二階、純は地下一階に降りていった。ライスドッグも二手に別れ、二人を追った。

「うわっ、寒っ」

地下一階に降りてきた純はあまりの寒さについ声が出てしまった。大きい肉の塊や魚がぶら下げてある。冷蔵庫か。奥に進んでいくと後ろの階段から物音が聞こえてきた。

「そろそろ殺るか」

物陰に隠れライスドッグが近づいてくるのを待つ。

「来た来た」

マシンガンを構え、狙いを定め引き金を引く。しかし、寒さによる腕の震えで僅かに狙いがずれ、ライスドッグの頭にかすっただけだった。すぐにライスドッグはこっちに向ってきた。やばい、今ので場所がばれた。

「くそっ」

また銃を構え、引き金をひくがカチカチと音がするだけで反応は無い。おい、嘘だろ、まさか弾・・・切れ・・・既にライスドッグはすぐ手前まで来ている。

「まじかよ」

純は近くにある中華鍋を放り投げ、横に飛んだ。ライスドッグはそのまま中華鍋に突っ込む。しかし、傷はついておらず、中華鍋が大きくへこんだだけだった。この冷凍おにぎりが。

純はすぐ起き上がり、走り出した。

「なんかねぇか」

ポケットに手を突っ込むと硬い感触が伝わった。

「まだこれがあったか」

純は和司からもらった銃弾をマシンガンに装填し、振り返り、マシンガンを構えた。

すぐにライスドッグは襲い掛かってきた。しかし、純は笑っていた。和司が書いてくれた説明書にはこう書いてあった。「おい純、核融合って知っているか。核同士の反応でできる熱はかなりの高熱になる。水爆にもそれが使われている。太陽もそうだ。重水素同士の反応は太陽の中心に近い温度になる。この銃弾はその太陽を一点に集中させたものだ」なるほどね。

「解凍してやるぜ」

純は強く引き金を引いた。

「ソーラーヒートショット」

純は反動により大きく後ろにのけぞった。反動が強すぎだ。マシンガンから放たれた銃弾は衝撃により、重水素同士の反応が始まり、凍っていたライスドッグを溶かし、梅干を貫いた。

「あ~あ、とっておきたかったんだけどな。和司に結果を報告しないと」

ぶら下がっていた肉の塊や魚はこんがり焼けていた。そして純は冷蔵庫を後にした。


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