第6話:中国へ
「さっさと船を奪おうぜ」
和司がそう言うと一同は船を捜し始める。すぐに船は見つかった。パトロール船だ。さらに、北京へ行くまでの地図も搭載されていた。
日も暮れたころ、怪我がひどい健斗、こうちゃん、和磨と船酔いがひどい尚人と和司は寝ていた。この時船の操縦は亮太がしていた。康太と純は甲板に立っていた。
しばらくすると小型の船が近づいてきた。亮太は船を避けて進もうとすると、船はぶつかってきた。強い衝撃で船が激しく揺れる。
「な、何だ?」
純は揺れで尻餅をついた。すぐに純はぶつかってきた船の方を見た。ぶつかってきた船に乗っていたのは人間でなく、ライスヒューマンだった。なるほど、ぶつかってきた理由がわかった。
「死ネ」
純は船を飛び降り、ライスヒューマンが乗っている船に飛び乗った。襲い掛かってくるライスヒューマンの腹部を足払いで体勢を崩し、至近距離から銃弾を浴びせた。
「これで片付いたか」
一息ついたと思ったとき、船内からライスヒューマンが一体飛び出してきた。純はすぐにマシンガンでライスヒューマンの腹部を叩き付け甲板の隅に追いつめ、回し蹴りで海に落とした。ライスヒューマンをすべて片付けた純は船内を少し散策した。しかし、特に欲しいものは無かった。
「お~い純君」
自分達の船を見上げると康太が縄を降ろしていた。
「これに掴まって」
「ありがとう康太君」
純は軽く甲板を蹴って、縄をよじ登った。それを見た亮太は運転を再開させた。
夜になっていたため、康太と純は寝室へ戻った。
「ぐわっ」
激しい揺れでベッドから床に叩きつけられた康太は目をさました。もう朝か。外へ出て景色を見るとすでに中国の港に到着していた。
「やっと着いたか」
朝日を浴びながら軽く伸びをすると、寝ていたメンバーも次々と起き始めてきた。
「とりあえず船降りるか」
康太がそう言うと一同は中国大陸に足を踏み入れていった。しかし、中国全土はライスヒューマンによって支配されていたことは康太達は知る由も無かった。