第17話:まだ終わらない
急にコメシスの体が発光し始めた。
「な、なんだ?」
あまりの眩しさに全員が目を閉じてしまった。
発光が納まり、全員が目を開ける。そこにはコメシスはおらず、小さいライスヒューマンが立っていた。ちょうど星野ぐらいの大きさだった。
「ハハハッ」
全員が笑い出した。
「いつもの星野じゃね~か」
尚人がそう言うと、さらに笑った。
「だけど目も口も無いぞ」
健斗の発言により全員の笑いが止まる。確かに普通のライスヒューマンとは違う。
「ヘボすぎてライスヒューマンにすらなれなかったんじゃねぇの?」
尚人がそう言うと再び笑い始めた。コメシスを倒した事に全員がうかれていた。
「ハッハッハッ」
それを見て笑っている男がいる。サングラスの男だ。急にみんなの笑いが止まる。男は呟いた。
「君達にはこの言葉を送ろう。油断大敵と」
この言葉は康太達には届かなかった。まるで星野がいないと思うくらい笑い続けていた。
「もうだめだ。笑い死ぬ」
康太はそのまま地面に仰向けに寝転んだ。
そしてその時を待っていたかのように星野が動き出した。
「うわっ、何しやがる」
星野は康太の両腕を掴み、押さえつけた。
「口もねぇのにそんなことしても無駄だぞ」
純がそう言った直後、場の空気が凍りついた。星野の頭が真っ二つに割れ始め、康太の顔に近づいた。
「やめろ!」
必死に抵抗するにも星野の力は強く、抜け出すことができない。
それを見ているこうちゃん達はあまりの驚きで動くことすらできない。サングラスの男もそれを見ていた。
「あ~あ、だから言ったのに」
そう言い、静かに笑い出した。康太と星野の顔の距離が十センチ程になる。
「俊弥、俺もそっちに行くよ。」
康太は死を覚悟した。今までの光景が頭に浮かぶ。もう少し長生きしたかったよ。