第八話 トラブルメーカーは俺ですか?1
「自由に響く月のスズ、VA-PRO2期生の鈴鳴由月と!」
「波に揺られてこんセイラ!波音セイラと、」
「こんにちはー風見パロ太です」
セイラと由乃のふたりはあいさつを考えているが、俺はまだXで集めた案にも目を通していなく普通の挨拶だ、なんとなくだが俺だけ浮いている気がする。
『おおーキター!』
『カワボふたりとイケボひとり』
『テンションの差が激しいw』
『パロ太は今日も声と名前が一致してないw』
コメントを見てみるが、やはり俺のテンションと名前はいじられていた。
「さっそくなんやが、今回は、マ○パをやっていくでー」
「一応ルールがわからない人に説明すると友情破壊ゲームです!!コインとスターを奪い合い、最後に残るのは深い溝だよ!」
「おい、あんま喧嘩売るな任○堂さんにしばかれるぞ」
俺は由乃のボケ?に思わずツッコミを入れてしまう。設定上そっちのほうがいいのだろう。通常運転だが、
『つっきーのボケにパロ太がツッコんでるw』
『名前的にパロ太のほうがボケそうなんだがなw』
『でもつっきーのボケも間違ってはない気が…』
コメント欄はこのボケツッコミで盛り上がっているから成功のようだ、てかつっきーって誰だ?由乃?
「ほなはじめていくでー」
「いやー懐かしいねちっちゃいころパロ太とよくやったよ」
『ちっちゃいころ…ちっちゃいころ⁉』
『てことはふたりって幼馴染とか?』
『やけにパロ太と息があってると思ったらそういうことか』
「うんパロ太とは幼なじみだよ」
由乃が勝手に幼馴染であることをさらしてしまったが大丈夫なのか?
「なんやそれーウチ、そんなん聞いてないで」
『新事実発覚、パロ太と由月幼馴染』
『いや同期生もしらんかったんか』
『幼馴染となるとこの二人のコンボにも納得』
「キャラ何にするー?」
「ウチはヨ○シーで」
「じゃあ私はル○ージ!」
「俺は定番のマ○オで」
「ヨ○シーとマ○オかー二人とも分かりやすいチョイスだね」
俺が選択を終えるとコメント欄は騒然としていた。
『つっきーは絶対ル○ージ選ぶと思った』
『パロ太がマ○オか案外普通だな』
『波ちゃんヨ○シー似合いすぎw』
「 よし!早速始めるでー」
「私がスター全部もらっていくからねー!」
「由月がそれ言うと、フラグにしか聞こえない」
『フラグ建築士1級のつっきー』
『そのスター終了前には全部なくなってる予感』
『ヨ○シーとマ○オにボコられるル○ージ、見たことあるぞw』
「まあ、やってみないとわかんないから!」
「ほな、サイコロ振ってスタートやでー!」
セイラの掛け声でゲームがスタートした。サイコロを振る順番が決まり、トップバッターは由乃だ
「いっくよー!」
由乃がそう意気込んでサイコロを回すと、
「……1…?」
出た目は最低値の1
『つっきーさん…やっぱフラグ建築士やww』
『wwwww』
『開始早々、最弱ムーブ決定ww』
「いや、これはね最初にわざと後ろに行くことで最後に逆転するって作戦だから」
「それ言って勝った人見たことないわー」
「大丈夫お前の仇は打つから」
『パロ太が優しい…けど煽りにしか聞こえんww』
『ル○ージに救いはあるのだろうか』
俺の番が回ってくる。俺は由乃の仇を討つべく、渾身のサイコロをお見舞いする
「「えっ!10!?」」
由乃とセイラが声を合わせて驚く
『まさかの豪運ww』
『これが幼馴染みの仇討ちw』
『豪運と不運の差がww』
そんなこんなでゲームは進行していき、由乃の散々なサイコロ運と、容赦ないアイテムでの攻撃にコメント欄は爆笑の嵐だった。
「ちょっとまて俺のスター奪った奴だれだ?」
「ウチやで!」
「由月も容赦なさすぎだろ」
「だってゲームだもん!」
『やはり例の友情破壊ゲームは伊達じゃないww』
『つっきーがスターゼロなの草生えるww』
『みんな仲良し』
そしてゲームも終盤。俺ら3人はほとんど互角の状態だ。
「最後は天空デスマッチ!1体1で戦って落とし合い、最後に残っていた方の勝ち!」
「まずはウチと由月やね」
「勝つぞ〜!」
「負けへんで〜!」
セイラと由乃が意気込みながら天空の舞台で対決を始める。コメント欄もその熱戦に盛り上がっていた。
『波ちゃんのガチ感w』
『つっきー、ここで勝たな友情破壊の被害者確定やぞw』
『ヨ○シーの動きが異常に機敏なんだが』
「うわっ、セイラ速い!なんでヨ○シーでそんな動けるの!?」
「ふふん、これが波のリズムやで!」
華麗なステップでセイラが由乃を追い詰め、あっという間に由乃が場外へ飛ばされる。
「ええー!?ちょっと待って、まだ心の準備が!」
「ウチに手加減はないで!」
『つっきー、またフラグ回収したw』
『波ちゃんの容赦ない一撃!』
『由月さん、これは完全にネタキャラ枠w』
「次、パロ太やで!ウチのヨ○シーが勝つからな!」
セイラがこちらを指差しながら挑発してくる。俺も負けじとコントローラーを握り直した。
「やらせねぇよ!ここで勝って、アイツの仇討ちだ!!」
「なんやそれ、急にカッコつけてきたな!」
『パロ太、イケボ炸裂!』
『なんか急に主人公感出してきたぞw』
『これは運命の最終決戦…!』
そして、俺とセイラの一騎打ちが始まった。天空のステージを駆け回りながら攻撃をかわし合い、ギリギリの攻防が続く。
「ちょっ、セイラ速い!でもこっちはアイテムがあるんだよ!」
俺が持っていた緑甲羅を投げると、セイラが見事にヒット。ヨ○シーが場外ギリギリまで追い詰められる。
「やばっ…これはやばい!」
「今だー!」
俺はセイラに突進し、最後の一撃を決めようとした――が、直前で避けられ、そのまま自分が場外へ。
「ええええっ!?なんで俺が落ちるんだよ!」
「勝ったー!!ウチの勝利や!」
『パロ太、最後の最後でやらかすw』
『波ちゃん、優勝おめでとう!』
『パロ太さん…そのフラグは回収しないでよかったのにw』
「あ!パロ太負けちゃった〜優勝は波ちゃんか〜」
「まだやで!まだ最下位を決める勝負が残っとるから、ここで負けたのが罰ゲームよ!」
「罰ゲームつっても何やるんだ?」
「ん〜じゃあ負けた方が次の配信ホラゲ配信とか!」
「え、ええ!波ちゃんがやらないからってそれは…」
「なんや由月怖いんか?」
「そ、そんな訳無いよ〜パロ太がダメかなって」
「俺は別にいいけど」
『つっきーホラゲ苦手説浮上』
『その説合ってたらかわいすぎww』
『それはかわいいww』
「じゃあ早速始めていくで!」
「くっ、絶対に負ける訳にはいかないよ!」