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第六話 波音セイラの突撃

 配信準備をしてから5日後の配信二日前、学校から帰るとdiscordに1件の通知が来ていた。


由乃ゆのからか?」

 discordの画面には「波音なみねセイラ」という名前の人物から友達追加の通知が来ている。


波音なみね…セイラ?」

 全く知らない人だ

 とりあえず俺は友達に追加をする。すると、すぐにメッセージが送られてきた。


風見かざみパロ太さんですか?」


 風見パロ太?…ああ前、由乃に決められた俺のVTuber名だ。なぜこの人が知っているんだ?

 戸惑いながらも返信を返す


「はい、風見パロ太です」


「自己紹介させてもらうで、ウチはあなたと同じVA-PROの2期生、波音セイラやねん」


 2期生?VA-PROにそんなものがあったとは、それに2期生ってことは1期生もいるのか?


「今日は顔合わせっちゅうことでマネちゃんからdiscord聞いてきたねん」


 2期生は何人なんだ、俺と波音さん、あと由乃で3人、まだいるのか?


「2期生って事は他にもいるんですか?」


「あれ?マネちゃんから聞いてないん?私とあなたと、あと鈴咲由月すずさきゆづきちゃんって子の3人やで、あと、敬語使わんくてもええよ、たぶん歳近いやろうから」


「ありがとうございます、じゃなくてありがとう」


 そして疑問に思ったことが2つある。1つ目は、この人が言ってるマネちゃん?マネージャーの事か?聞いてないってそんな人、あとこの人もしかして


「あの失礼なこと聞くけどもしかしてエセ関西弁で喋ってる?」


「バレた?キャラ作ろうと思って思いついたのがこれなんやけど、バレちゃったか」


 キャラ作りってこういう事なのか…そう考えると俺の考えたボケツッコミって変じゃね!?


「じゃあ、私、あの口調は配信中だけにして、普通の会話の時は標準語で話す」


「分かった。それで波音さん――セイラさん、一応言っておくけど俺鈴咲由月と幼なじみなんだよね」


「えっ!そうなの?」


「だから今から3人で明後日の配信の打ち合わせとかしておかない?」


「いいな!由月ちゃんとも仲良くなっておきたいし」


「じゃあ由月も呼んで通話部屋作るぞ」


―――――――――――――――――――――


 数分後、由乃も通話部屋に入ってくる

「こんばんは!初めまして!鈴咲由月です!」


 由乃のやつ、結局前決めたおしとやかとか忘れてるじゃねぇか

「ほら!次はパロ太の番だよ!」

 由乃が俺を急かす


 それにパロ太と呼ばれるのは違和感しかない。

「えっと…風見パロ太です。よろしくお願いします」


「さっき敬語は無し言うたやんパロたん」


 やべ忘れてた、女子と話す時って敬語になるんだよ、実際性別関係なく敬語になるが、ってかパロたんって何!?


「次はウチやね、ウチは波音セイラ、好きなように呼んでな」


「じゃあ波ちゃんで」


「ほな、自己紹介も終わったんやから、明後日の配信予定についてきめるか」


 その後明後日の配信順番についてを決め、由月、俺、波音の順番になった。


「じゃあ一通り決めたから解散で」


―――――――――――――――――――――


「颯太ー!おはよー」

 学校へと向かっていると、後ろから由乃が元気よく迫ってくる


「いやーついに明日だね配信!」

「由乃はもう明日の準備はできてるのか?」

「もちろん!バッチグーってやつだよ!」

「由乃の大丈夫関連の事は信用ならないからな」

「今回はほんとだよ」

 この言葉に俺は何回騙されてきたか…

 そう話していると学校に着き、教室に入るが、

「「誰もいない!?」」


 そして黒板には「生徒朝会体育館集合」と書かれている。

「急げー!遅れちゃうよ颯太!」


 俺は全力で走っているのに由乃に追いつける様子はない。

 どこからその無尽蔵な体力は出てきているんだ、と思うが今はそんなことを考えている暇はない。


「ふぅ〜なんとか間に合った」


 俺らはギリギリ間に合い、俺が息を切らしている中、由乃は「まだまだ走れますよ」と言わんばかりな顔で友達と話していた。


 今日は新生徒会長のあいさつがあるんだっけ?


「生徒会長の言葉、葉山渚はやまなぎささんお願いします」


「はい。春ヶはるがおか高校5…」

 この声、聞き覚えがある気が…

「生徒会長になりました。波、じゃなくて葉山渚はやまなぎさです」


 波?この声に波って…まさかVA-PRO同期生の波音さん!?…いや、同じ学校に都合よくいるわけないか。


「これで話を終わります。」


 葉山さんが話を終え演壇を降りると、体育館は一瞬静寂に包まれた。

 新しい生徒会長だからだろうか


 教室に戻る途中に由乃が話しかけてる。

「新生徒会長なんか、波音さんに似てたよね!名前のとこで波って言ってたし」


「そうかもな。本人だったとしても隠してるんだろうから本人が触れるまで言わないようにしろよ」

「はーい」


 適当な返事に少々イラつくが、今はそんな事より大事なことがある。

 それは―――


「明日配信で由乃、お前はトップバッターだぞ?そんなこと言ってないでちゃんと練習しとけよ」

「それは本当に大丈夫だから!明日の配信、颯太も見てね!」


 由乃の配信が終わったら俺の番か…今から取り消しとかって出来ねぇのかよ!

 

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