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2.身支度を済ませて、いざ大聖堂へ



ふふーん!

何故今日が晴れの日か、というとですね!

私の住む国「神星国(しんせいこく)アスティラン」の国教「輝神教きしんきょう」では王族、貴族、平民問わず15歳になると、輝神教の王都パラディにある大聖堂から手紙が届くの!中には日付と教皇様のサインが書いてあるんだけど、それをもらった子ども達は王都の中央区画で執り行われる洗礼の儀に参加できるってわけ!

その洗礼を受けると、自分だけの精霊(トワル)を女神ステラルから授かることができるのです!

精霊を授かるのは大人の証!なので今日その洗礼を受ける私ももうすぐ大人の仲間入りなの!


小さいから両親の精霊を眺めながら、育ってきたアスティランの子どもたちには憧れの行事。

15歳を迎えた日から今日まで本当にほんとーーーうに楽しみにしていたんだから!



「さ、大聖堂に行くのだから綺麗にしていかないといけないわ。さっさとお湯いただいてきてしまいなさい」


「は〜い!」



そうだった!晴れの日にこんな格好で行ったら女神様に失礼だもの。

私は浮き足立ちながら近所のお風呂屋さんへ向かった。



ドアを開けるとカランという木製のドアベルが店内に鳴る。店主のカーラおばちゃんは私が生まれた時からお世話になっている。気さくで陽気なとってもいい人だ。



「おばちゃんおはよう!今日は髪乾かし付きでお願い!」


「あらアルマ!今日は奮発するのねぇ!…そうか、今日はあんた洗礼の日だものね!大きくなったわねぇ〜!」


「んふふ〜!そうなの!私も漸く大人の仲間入りよ!」


「そうかいそうかい。じゃあおばちゃんからのお祝いに紅をさしてやろう。お風呂上がって髪を乾かしたらアタシんとこまでいらっしゃいな」


「うわぁ!おばちゃんいいのぉ!?私すっごく嬉しい!」



今までは母さんに「紅は大人になってから」と施してもらえなかったけど、今日から私も大人だし、おばちゃんのお祝いなんだから母さんもきっと許してくれるはず。


私は猛ダッシュでお風呂を済ませ、別料金がかかる髪乾かしをし(普段は高いから絶対にやらないんだけど、今日は自分のお小遣いを奮発しちゃった!)、早速おばちゃんの元は向かった。


「おばちゃん出たよー!」


「はいはい。さ、じゃあ顔を動かさないで、力を抜いて?そうそう……はいできた。あんたは綺麗な黒髪に金の瞳だから紅色がよく似合うわね!ほら、鏡を見てみな」


そう言って手渡された鏡を覗くと、普段より少し大人びた自分の顔が写る。

そんな自分を見て、自然とえへへーと笑みが溢れた。



「…そういう笑顔はまだまだ無邪気な子どもみたいだわね」


おっとっと、大人の女はこんな笑い方しないのだわ!おほほほほ


「おばちゃん、本当にありがとう!私今日の洗礼の儀は忘れられない思い出になるよ!」


「そうかい、そんなに喜んでもらえるなんてアタシも嬉しいよ。ほら、そろそろアンタんとこの母さん達も心配してるだろうから帰ってやんな!」


「うん!おばちゃんまたね!!」


ドアの前でおばちゃんに手を振り、店を後にした。



家に帰った私は母さんにお風呂屋で紅をさしてもらった経緯を話す。

母さんは眩しそうな顔をしながら「よかったねぇ。紅色、似合ってるよ」と褒めてくれた。

私は母さんのその表情と言葉がたまらなく嬉しくて、後ろからぎゅっと抱きつき、「ありがとう」と伝えた






その後、私は一張羅のワンピースに着替え、身支度を完璧に済ませ、父さんと母さんと一緒に大聖堂へと出発したーーーー





最後までお読みいただきありがとうございます!

次回もよろしくお願いいたします!

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