表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

夕暮れの1人飲み

こんばんわ、飲酒大好きもはや中毒酒好です

この作品は半分創作半分実はを元に書きました。

この作品を見てお酒の良さを伝えれればいいかなと思います。

さて、もうそろそろ来る頃かな…

ふと心のどこか小さな隙間から合図がなる

午後5時過ぎ、仕事は終わり外に出ると涼しげな風

青色に広がる空にひかる差し色のオレンジ

気づけば人混みが増え始め車の行き交う交差点

その交差点の渡り始めた三つ目の白線でその合図は

心に、いや五臓六腑に響き渡った。

きたきたきた、手が震え始める、微小の油汗

どっとのしかかる倦怠感に海老のように腰が曲がり

始めそうになる。

しかしここで負けるわけにはいかない、私は前へと

歩みを進めなければ自分の心の要求を満たさなければ

その思いで重くなった石のような足を進める。

じんわりとぼやけ始める視界、汗がしたたる中

たどり着いたオアシス、居酒屋だ。

ゴールテープのような暖簾をくぐり一息

その騒がしい店内は祝福の歓声に聞こえてくる

店員の丁寧な接客に関心をしながら席へと案内され

ゆっくりと腰をかける。

その店員が去る前に無意識に一言

『すみません、瓶ビールと冷奴、あと今日の盛り合わせ一つずつお願いします』

店員の笑顔の対応、スタスタと厨房の方へと歩む

その後ろ姿を見届けたあと私はネクタイを緩めワイシャツの上二つのボタンを外す、これだけの人口密度

店は暑い、だが暑ければ暑いほどビールは美味い

サウナ後のオロポ、運動後のコーラ、汗をかくほどの

暑い中でのビール、これらは飲み物を10倍美味くする魔法、人類が共通で使える魔法なのだ。

『お待たせしました、瓶ビールと冷奴、今日の盛り合わせです』

待ってましたと言わんばかりに脳が過剰に反応する

結露している瓶ビールを握りコップに注ぐ

泡とビールは3:7が美味い?いや、知らない知らない

1秒でも早く喉に流し込みたいと言わんばかりに飲み込む、美味い、全身鳥肌が立つ、心臓の音が聞こえる

アルコールは大人の回復薬、いやハイポーションだな

どうやら状態異常にも効くようだ、手の震えが収まる

さて、冷奴もいただこう、醤油とねぎ、私はニンニクチューブ派だ、入れれば入れるほどうまさは倍増する臭いが気になる?そんなの日中の仕事でいいだけ汗をかいた、味が濃すぎる?汗で塩分が出ているんだ濃い方が体にいいに決まっている、その臭いと塩分の塊を口へと運ぶ、美味い、鼻を抜けるニンニク臭、醤油の濃い味付け、脇役だが助演男優賞受賞のねぎ

こんなにも味の暴力は普通の料理は許されない、しかし冷奴というフィールド上では唯一許される

美味い、ビールが進む、飲まなきゃいられない

これだけでも十分、しかしテーブルの奥にはダンジョンの最上階のボスのような存在感の盛り合わせ

今日は天ぷらか、そういわゆる『シェフの気まぐれ』

なのだ。海老、椎茸、大葉にささみか…

塩を片手にゆっくりと吟味を始めよう、まるで子供の頃連れて行ってもらった駄菓子屋でお菓子を選ぶかのごとく選び始めた、まさか酒場で童心が戻ってくるとは思わなかった。

椎茸だ!塩をふりかけ一口にかじりつく、これは肉か!と錯覚するほどのジューシーさにきのこの風味がガツンと脳に直接叩きにくる、大葉はサクサクと心地よい音を立てて青い香りを鼻に通しながら主張している、ささみはヘルシー食材と言われているくせにこの肉肉しさと黄金に光る肉汁、これは世紀の大誤審だ

お前がヘルシー食材なわけがない。

美味いもののラッシュに私のHPは残りわずかだ

まて、ラスボスを超える裏ボスの海老が残っているではないか、どこまでも私を追い込むようだな。

受けてたとう、大きく口を開きかぶりつく

サクサクの衣の中に海老自体の味と香りが脳みそを揺れ動かす、こんな暴力的な物があっていいのか

しかし負けるだけでは男としてのプライドが許さない

即座にビールを流し込み一瞬でリセット

危ない、酒場は戦場だ食うか食われるかの戦いだ

全てを食べ終わった私はこの戦争の勝者、気づけば心地のよい汗と安堵の心拍、上着を肩にかけ席を立つ

支払いを終わらせ店を出る、店員の感謝の言葉を背中に受け前へと進み始める。

明日の仕事も頑張ろう、そう誓える素晴らしい戦場だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ