第四話 剣に宿りし者
ようやくガルドの町に辿り着いたが辺りはもう真っ暗闇だった
「登録は明日にしてきょうはもう宿屋に泊まりましょう」
「今、路銀が全く無いんだけど・・・」
「それぐらいなら私が出すわよ」
すると宿屋の従業員らしい方が出てきて
「すいません・・・今日はもう、満室なんですが。」
「じゃギルドの宿泊所が空いてるか見に行ってみよう」
そうして2人でギルドに行き、窓口にいる案内人に聞くと・・・
「あ、マリスさん。 こんな時間にどうしたんですか?」
「宿屋に泊まろうと思っていたんだけど・・・満室で泊まれなかったの。
それでギルドの宿泊所が空いてないかと思って・・・」
「残念ながら此方も満室なんですよ・・・
少し狭いですが従業員用の部屋でも良ければ、泊まれますが?」
「じゃあ、それでお願い」
案内してもらって部屋についた
「では、これが鍵です」
「ありがとう、おやすみ」
入ってみると1部屋にベッドが2つ
「ねぇマリス、男女が同じ部屋で寝るのはまずくない?」
「構わないわよ、リュウキを信じてるから。
それに町ではなく外で泊まる時はもっと狭いテントの中よ」
「・・・・・・・・・・・・」
「明日はギルドの窓口で登録するから・・・」
そう言ってマリスは寝てしまった。
じゃ俺も寝るか・・・
その夜、夢の中で・・・
(主・・・・・・・・・)
(主よ・・・まし・く・)
(主よ目を覚ましてくれ)
「ん・・・? だ、誰だ!!」
眼を開けると宿泊所ではなく白い世界だった
傍らに黒い服を着た少女が立っていた・・・
(童はこの剣に宿りし者)
「神様は呪いは解いてあると・・・」
(呪いではない!!)
「では君は何者だ?」
(童は数百年前、まだこの剣が聖剣と呼ばれていた時代に剣に宿りし存在)
「聖剣?」
(そうじゃ・・・この剣で魔を封じた事から魔剣と呼ばれるようになった)
「君の名は?」
(名はない・・・)
「君・・・じゃ呼びにくいな・・・君の事、セイって呼んでもいいかな?」
(セイ?)
「聖剣の聖の字からセイ・・・って少し安直だけどね」
(セイか・・・気に入った今日から童はセイじゃ!)
「よかった、よろしくセイ」
(よろしく主殿)
「俺の名はリュウキだ」
(では改めてよろしくじゃリュウキどの)
「呼び捨てでも良いんだけど・・・まぁいいか」
(リュウキ殿には魔力が無い為、まだ夢の中でしか会えぬが最初の魔法を習得し魔力が発生すれば童も現実世界に実体化することができる。暫くは夢の中からリュウキ殿の手助けをするとしよう・・・・・・リュウキ殿そろそろ夜が明けるぞ。)
そういって眼が覚めた
目を開けるとマリスが覗き込んでいた
「よく眠れたみたいだね。 おはようリュウキ」
「お、おはようマリス」
「じゃ顔洗ってきて。
身支度、整えたら昨日のギルドの窓口で登録を済ませるよ」
外を見ると今日も良い天気だ。
さて新しい異世界の朝の始まりだ・・・今日も頑張ろう。
第4話目です
ご意見・ご感想をお待ちしています