最終話 勇者
この話で完結となります
ここまで読んでくれて有難うございました
エルスムに帰還してから数日後、隣国に動きがあった
「報告します!斥候からの情報ではクラクスの騎士団が城を出発したそうです」
「その斥候がクラクスで騎士団を確認してからエルスムに辿り着くまで何日を要した?」
「馬にて帰還したため5日で帰還となりました」
「騎馬騎士なら約5日・・・騎士なら約10日とみるべきだな・・・
ルピカに伝令を飛ばしガルド側の扉を閉め守りを強化するように通達しろ!!」
「はっ!失礼します」
クラクスとの戦争がいよいよ始まるようだ・・・できれば人を殺めたくはないが・・・・・・
「騎士に出撃準備を!近衛騎士は町と城を守れ!!」
「リュウキ・・・まだ迷ってるの?」
「ああ・・・魔物なら良いのだが、人を切りつけるのは・・・・・・・・」
「だがリュウキ!!自分が見逃した騎士が大切な家族を奪う可能性もあるのだぞ」
「・・・・・・・・・マリス・・・ナル・・・」
「そうだ!その2人を守るため心を鬼にして戦えリュウキ!!」
「分かった!!」
大切なマリスのために家族であるナルのために敵の騎士を全力で排除する!!
「よしハリア隊長とマロイズは城の門の警備につけ
カイン副隊長は町の入口だ!リュウキ、アリィは前線で騎士とともに敵を迎え撃て!!」
この会話から5日後、あっけなく関所の町ルピカを突破されエルスムの目と鼻の先に騎士の軍勢が迫っていた
「もう後がない・・・か」
家族は当然として仲間や騎士達を傷つけたくない俺は前線の騎士を下がらせ軍勢に立ち向かった
「ファイアーストーム!!」
火属性魔法を詠唱後、炎の竜巻が発生し敵の軍勢を飲み込んでいく・・・
炎の竜巻をかろうじてかわした騎士を更に風魔法トルネードで吹き飛ばしていく
「これで攻めてきていたクラクスの騎士は全滅だ
家族を守るためとはいえ・・・沢山の人の命を奪ってしまった。次に死んだら地獄行きは確実だな・・・」
呆然となっている騎士に後始末を任せ陛下に報告に行く事にした
「リュウキ?何故此処に・・・町の門の守りはどうした!?」
町の中に入ると他の4人の近衛騎士から次々と声を掛けられた
「大丈夫だ!町に迫っていた軍勢は全て始末した・・・今は騎士たちに後始末をさせているところだ・・・」
「陛下への報告は俺が行く、リュウキは家族の下へ帰ってやれ!」
ハリア隊長に促されマリスやナルの待つ屋敷に帰ることにした
「ただいま・・・・・・」
「おかえり!元気ないわねどうしたの?」
町や家族を守るために多くの人を殺してしまった事を話すと・・・
「そんな事があったの・・・でも私はリュウキを責めるつもりは毛頭無いわ
城の皆や町の住人、私やナルを命がけで守ってくれた英雄に誰が文句を言える?」
「マリス・・・・ありがとう」
この日から10日後、別働隊としてクラクスに派遣されていた騎士団がレイアル国王を討ち取ったとの報告が入った。
これによりクラクス国家は事実上滅亡しガルドの町を含む大陸全土はエルスムの領土と化した
一方・・・国を護り更に多属性魔法を用いて敵騎士を討ち破ったリュウキは戦後、勇者として称えられ後世に至るまで称え続けられるのであった・・・・・・
クラクス元国王:マルクス=オーランド
第二皇子から差し出された飲物で毒殺される
クラクス第一皇子:ジェイク=オーランド
国王と同じく差し出された飲物を飲み倒れる
死にはしなかったが意識不明の植物人間として療養中
クラクス第二皇子:レイアル=オーランド
父親であるマルクスを毒殺
仲の良かった兄を毒殺しようとした野心家
闇の商人から毒薬を購入したあと商人を自殺に見せかけ殺害
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