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精霊に選ばれし勇者  作者: T_Y
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第三十三話 偵察任務

ふたたびエルスムの城にて

玉座の間にて陛下と近衛騎士達で会話をしていた時のこと


「申し上げます!!」


城の門を守っている騎士より伝令が来た


「なんだ騒々しい」

「隣国クラクスにおいてマルクス王が亡くなったとの事です!」

「マルクス王が!?な、何故じゃ?」

「伝令によりますとマルクス王は晩餐会の飲物にて毒殺されたとの事です」

「2人の皇子はどうだ!?」

「第一皇子ジェイク様は命を取り留めたものの意識はなく・・・第二皇子レイアル様は順調に回復しているとの事です」

「そうか・・・わかった。 下がってよいぞ・・・」

「はっ失礼します」

「マルクスが死に、ジェイクは意識不明・・・レイアルが王位を継ぐことになるか・・・」


陛下は何かを考えているのか、ブツブツ言いながら目を瞑っている


「なぁアリィ・・・第二皇子レイアルってこの前、話してた野心家の?」

「そうよ・・・・・・本当はこんな事考えてはいけない事なんだけど嫌な予感がするわ」

「クルクスの町は王様が亡くなった事により10日間ほど城門を閉め部外者の立ち入りを制限するしきたりになっているはずだ」

「カイン、詳しいな」

「ああ言ってなかったか?俺は元々クラクスの生まれなんだが家業でエルスムの町に着て近衛になったんだ」

「じゃあ猶予は10日か?」

「いや・・・そのあと王位継承の式典が10日間続くから合計20日間だな」


近衛騎士隊と話していると陛下が目を開けて話しだした


「マルクスが死んだ事も痛いが問題は野心家の第二皇子レイアルが王位に就くということだ・・・我の取り越し苦労であれば良いのだが、今より徹底的に町の守備を固め騎士の訓練を強化するものとする」

「はっ了解しました」

「そこで・・・リュウキ、アリィ!ガルドの町に行き情報を集めてきてくれ!!」

「「分かりました!直ぐに出発します」」


屋敷で待つアリィに任務のためガルドに行く事を伝え騎士のマントを外し、町の門にてアリィと待ち合わせをしていた


「リュウキ、お待たせ!!」

「アリィ準備はいいのか?行くぞ」


エルスムの町を出発して2日後、関所の町ルピカに辿り着いた


「リュウキ殿、アリィ殿お疲れ様です!!」


町に入った直後、関所の護衛に就いている騎士より挨拶された


「ご苦労様、何か変わった事はない?」

「特にはありませんが・・・一つだけ、いつもより出入りする業者が増えているような感じがします」

「どんな業者だ?」

「詳しくは分かりませんが荷車の車輪が地面に深くめり込んでいる事と荷車を引く馬が2頭居たことからかなり重いものを運んでいるように感じ取れました」

「アリィ・・・もしかして武器を仕入れているんじゃ・・・」

「まだ結論は出ていないけど戦争の準備として考えれる事だわ・・・」

「ご苦労だった引き続き監視を続けてくれ

そういえば・・・前の盗賊騒ぎはどうなったんだ?討伐されたのか?」

「リュウキ、何のはなし?」

「以前、傭兵だった頃に関所からエルスムの町まで盗賊が出没するとの話があったんだ」

「それでしたら既に傭兵が討伐したとの事です」

「そうか・・・」

「リュウキ殿、もうそろそろ門を閉める時間です。宿で休んでから出発してはどうですか?」

「そうだな・・・アリィ一休みしてからガルドに向かおう」

「そうね・・・そうするわ」


騎士隊の宿舎を借りて一休みしてからガルドに向かう事にした



33話、完成です


剣の精霊:セイ

リュウキの持つ魔剣に宿りし精霊セイ

剣の柄に手を触れることにより心の中で会話をすることができる(会話時は『』で表示)

リュウキの魔力を使い実体化できるが大きさは約20cmほど

魔力を探知する能力があり精霊の居場所が分かる



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