第三十一話 抜刀術
次回から少し展開に変化があります
訓練所に行くと既に訓練をしていた騎士たちが手を止め敬礼をしてくる
「敬礼はいいから、気にしないで訓練を続けて」
そういうと再び騎士同士の乱取がはじまった
「おうリュウキ、お前も訓練しに来たのか?」
「ああマロイズか、少し身体を動かしにな・・・マロイズ相手をしてくれるか?」
「断る!!!」
「え!?なんで?」
「この前の決勝戦で手加減してあれだろ・・・相手にならないって」
そういえばそうだよな・・・あ、あれは・・・
「じゃあ・・・剣を使わずにアレで・・・木剣でどうだ?」
「木剣なら当たっても打ち身程度ですむな。よしやろう」
そばで訓練している騎士隊に危ないからと離れさせ、指揮を執っていた騎士に審判を任せ互いに木剣を装備して向かい合う
「リュウキ本気で行くぞ!」
「決勝戦のときもその言葉、言ってなかったか?」
「行くぞーーーー!!」
俺も剣を構え、マロイズの攻撃に備える
開始して直ぐに木剣同士での打ち合いが始まる・・・中段に構えマロイズの胴を狙いに行くが下段にて受け流され、マロイズの下段を足蹴にして木剣で胴を入れた
「やるな・・・リュウキ、さすがだぜ」
「それまで!!リュウキ殿の勝利です」
木剣離し周囲を見回すといつの間に集まってきたのか騎士達が練習を止め周りを囲っていた
「リュウキはやっぱり強いな・・・」
「マロイズもな・・・」
「これで決勝に引き続き2連敗か・・・」
「なぁマロイズ一つ技を教えてやろうか?」
「技?」
「俺が居たところでの技なんだが木剣でも威力は高いぞ」
「どうやるんだ?」
「まず・・・木剣だから鞘はないが剣のように腰に指す。ああ・・・マロイズ、自分の胴体を守るように木剣を立ててくれるか?」
「こうか?」
俺が言ったとおり木剣を両手で持ち防御の姿勢を取る
「マロイズ・・・動くなよ」
「まだ剣を抜いてないじゃないか」
「行くぞ!!」
俺は剣を抜く勢いでマロイズに切りかかった
俗に言う抜刀術という技だ・・・剣を抜きざまに生じる勢いで相手を切る
マロイズが持ち構えていた木剣が根元から砕けていた・・・俺のは無傷
「なんだ・・・今のは?」
「これが抜刀術だ、剣を鞘から抜く時に生じる勢いのまま相手に切りかかるというものだ。 相手からしてみれば自分は剣を鞘から抜いてもいないから油断しまくっている・・・そこにあの木剣を根元から圧し折るほどの剣戟を加えるわけだから相手にしてみればたまった物じゃない。」
「これを教えてくれるのか!?」
「教えるも何も・・・今言ったとおりにすれば使えるようになるから・・・練習次第だけどな」
「じゃ・・・早速・・・痛!!」
どうやら腰から引き抜く前に自分の腹を打ってしまったようだ
「大丈夫かマロイズ・・・」
「ああ・・・一応大丈夫だが、思っていたよりも難しそうだな」
「練習に練習を重ねてやっと出来る技だからな。 会得すればさっきの木剣でも相手を倒せるぞ」
そう言った直後、マロイズは案山子相手に打ち込み始めたようだ
ふと周りに目をやると、ついさっきまで訓練をしていた騎士まで抜刀術の練習をしている
「俺が騎士に与える影響は大きかったようだな・・・・・・」
余談ではあるが、その後訓練所に置いてあった数百本の木剣が無くなったとの事・・・
31話、完成しました
ここから登場人物の簡単な紹介をしていこうと思います
主人公・・・本名:海棠 龍輝
昼休みに友人からツッコミを受け車道まで飛ばされ車に轢かれてこの世を去る
死後の世界へ行こうとするも手違いで死んだため天国にも地獄にも居場所がない事を知る
死神に神様の下へと案内され神様に魔剣(聖剣)を渡され異世界へ送られる(突き飛ばされる)
異世界で最初に魔物に襲われるマリスを助け、その後傭兵となる
傭兵となり色々な冒険を経て闘技大会で優勝し異例の近衛騎士に昇格
各種精霊の依頼を成就し魔法を授かり魔力を増大させていく(現在は3属性の魔法を取得)
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