第三十話 取り越し苦労?
近衛騎士隊との話し合いから5日が経過し近衛騎士として城に常駐する事になったのだが・・・
「なぁ・・・近衛騎士って一般的に言うと何をする隊なんだ?」
横に座っている身長150cmくらい子供みたいな容姿の同じ近衛隊に所属するアリィに聞いてみた
「何か失礼な事、考えなかった?
まぁいいけど・・・近衛騎士は城と陛下を守るのが仕事。 または騎士を纏めるのも仕事ね」
「外に出て魔物とかを討伐する任務とかは?」
「それは近衛を含めて騎士隊の仕事には当てはまらない・・・」
「そうなのか・・・」
「たまにだけど・・・陛下より隣国の様子とかを調べるために遠征する事もあるけど・・・」
「隣国というとガルドの町とか?」
「ガルドは隣国の端にある小さな町よ、城はガルドから6日ほど歩いた場所にあるクラクスという町にあるわ」
「クラクス? どんな国なんだ?」
「王様は穏便な方なんだけど、ご子息の第二皇子が一癖も二癖もある御人で・・・」
すると・・・その皇子が王位を継承するとこの町との戦争もあり得るということか・・・?
「なぁアリィ・・・もし、もしもだけど皇子が王様に成ってしまうと戦争が起こるなんて事は?」
「それは余程の事が無い限り大丈夫だと思うわ。 王様もまだまだお元気だし・・・」
取り越し苦労なら良いのだけれど・・・
「リュウキ? どうしたの難しい顔で・・・」
ここは一つ偵察でもしたいところだが・・・
「リュウキってば!!」
「ん・・・どうしたんだアリィ?」
「それは私の台詞よ。リュウキが難しい顔をして何か考えてる様子だったから」
「ああ・・・もしも皇子が王位継承した場合、戦争になることは無いのかと思って」
「それも大丈夫よ。第二皇子の上には第一皇子がいるし。
第一皇子は王様と同じ温和な性格だし第二皇子との仲も良いそうだから」
俺の考えすぎなら良いのだけれど・・・本当に取り越し苦労ならそれに越した事は無い・・・
「考えていてもしょうがないな・・・なぁ今ってやらなきゃいけない仕事ってあるか?」
「なにもないけど・・・どうしたの?」
「ちょっと訓練所に行って体動かしてくる」
「マロイズも居るはずだから、よろしく言っといて」
「りょーかい」
「でも・・・リュウキの相手が他の騎士に出来るのかしらね・・・」
近衛騎士隊の部屋を後にし訓練所へ向かうことにした
途中の通路でシュバイクに会ったが勉学が忙しいようで訓練に付き合えないとの事だった
「まぁ逆に来れたとしても訓練所が大騒ぎになって訓練どころじゃなくなるしな・・・」
姫様には悪いが、勉学を頑張ってもらう事にしよう。
「リュウキ~~助けて~~~~~~」
どうやら教育係であり宰相でもあるライナスに轢きづられているようだ
「シュバイク頑張れよ~~~骨は拾ってやるからな~~~~」
「リュウキのバカーーーーーーーーーーーーー!!」
30話更新できました
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