第二十九話 リュウキの魔力
シナリオのタイトルを考えるのが難しくなってきた・・・
前回に引き続き、未だに4人の近衛騎士から尋問を受けている・・・
「リュウキ・・・まだ何か隠してることあるわよね?」
何のことだろうか?
「気づかないと思ってるの?私は魔術師だからリュウキの魔力の流れが眼に見えて分かるの」
まさか・・・剣と鎧の事だろうか・・・
「闘技大会での準決勝終了後にリュウキの魔力を測定した時、私の100倍近くの魔力を感じたんだけど・・・つい先日に帰還したときに測定したら魔力が以前より増加していたのは何故?」
「えっと・・・さっきの会話で精霊に会うというのが出てきたと思うんだけど、精霊に会って魔法を教えてもらう事により魔力が増大して行くんだ・・・」
こう言っておけば大丈夫だろう・・・やっと開放される・・・と思っていたのだが
「で、もう1つの疑惑」
まだあるのか・・・勘弁してくれよ
「闘技大会の予選から見ていたけど決勝でマロイズと勝負した時でも全く本気を出していなかったでしょ? どうして?」
「なんだと!? リュウキ!どういうことだ手を抜いていたのか!?」
マロイズが俺に襲い掛かろうとしているのを近衛騎士2人で押さえつけている・・・
「マロイズ・・・すまない。 しかし本気を出してしまうとマロイズは剣ごと頭から足元まで左右に両断してしまうぞ・・・」
「なに!?」
どうやら頭の中で想像してしまったらしく顔が青くなっていく
「俺の装備している剣なんだけど・・・剣に魔力を纏わせる事により威力を上げられるんだ。 以前、Bランクの魔物であるロックタイタンをこの剣で真っ二つにした事もある」
「ロックタイタンを剣で倒した!?」
「そんなバカな・・・ロックタイタンは名前どおり身体が岩みたいな奴で剣なんかで切りかかれば剣の方が砕けてしまうはず・・・」
「その頃はまだ剣に慣れなくて手加減できなかったんだ・・・」
ふと見ると副隊長のカインが何か思い出しているようだ
「そういえば・・・決勝戦の2日前だったか、リュウキが訓練と称して重騎士の鎧を着けた案山子を剣で真っ二つにして一時訓練所が大騒ぎになったのは・・・」
「その話なら俺も騎士の奴らから聞いた事があるが・・・それがリュウキの仕業だったと?」
「ちなみに・・・リュウキ、その時はどれくらいの力で切ったの?」
「約3割近くの力だったかな・・・」
「決勝でマロイズの鎧を砕いた時は?」
「2~3割弱だったと思う。 マロイズ強かったから・・・どれくらいの力で切りかかれば殺さないで済むか検討した結果、剣技じゃなく魔法で倒してしまおうと・・・」
「なるほどね・・・良かったじゃないマロイズ、死ななくて済んで」
「そうだな・・・要は俺の実力不足って事か・・・・・・」
「気を落とさないでくれよマロイズ・・・俺もこの剣を使わなかったら負けてたと思うし・・・」
「いや・・・勝負は勝負だ・・・リュウキ、悪かったな」
とりあえず、一件落着かな・・・
「リュウキ!その力、アテにしてるからね。 これからもよろしくね」
俺は手を4人に向けて振って笑顔で答える
「これからもよろしく」と
29話、完成しました
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