第二十一話 決勝戦の訓練
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決勝戦を翌々日に控え、訓練がてら魔物退治をしようとしたリュウキだったが・・・
「リュウキ殿、昨日も申し上げましたが・・・我ら騎士はリュウキ殿を護衛しています。
外出される場合は騎士が少なくとも4人は同行します」
「護衛なんて要らないんだけどな・・・」
「リュウキ殿が傭兵という事で襲撃される場合があります!!」
「襲撃されても返り討ちにしてやるよ」
「いえ・・・武道大会開催時、選手はいかなる場合でも一般人に傷を負わせた場合、出場停止処分となります」
「相手がたとえ暗殺者でもか!?」
「例外はありません」
「わかった・・・じゃ、せめて騎士の訓練所を一部、使わせてもらっても良いか?」
「城内ですが一応、護衛騎士が2人付きますがよろしいですか?」
「構わない・・・よろしく頼む」
「では、こちらへ・・・」
リュウキが護衛騎士とそんなやり取りをしている同時刻、玉座の間では相変わらずリュウキの処遇についての話し合いが行われていた
「ですから・・・・・・陛下、いきなり傭兵から近衛騎士というのは・・・」
「ならば宰相、リュウキ以外の人材を今の騎士から確保できると申すか!?」
「宰相殿、お言葉ですが未だ近衛兵は私を含め4人しかおりません。5人目としてリュウキ殿を近衛に迎える事が出来れば、かなりの戦力になります」
まだリュウキの意見すら聞いていないのに近衛騎士の入隊で揉めるとは・・・
一方、その頃のリュウキはというと・・・騎士に案内してもらった訓練場にて剣の訓練を始めていた
「周りで騎士が訓練しているが・・・この場所を使っても良いのか?」
「騎士達には邪魔をせぬよう言ってありますから存分にどうぞ」
「では・・・早速!」
そう言って剣を構え案山子に切りかかる
一応、案山子には重騎士の鎧兜が装着されているが関係なく剣の一振りで左右に案山子ごと両断された・・・
「3割弱の力でこの威力か・・・もう少し手加減しないと決勝戦で相手を殺してしまうな・・・」
独り言のように呟いたのだが周りの騎士達はありえないものを見て驚愕しているようだ
「あの鎧兜を真っ二つにするとは・・・!?」
「マロイズ様・・・・・・どうか、ご無事で・・・」
「あの傭兵は一体何者?」
本人に聞こえないように訓練の手を止め小声で話し出す騎士達・・・・・・
護衛として付いてきた2人の騎士も例外なく驚いている
「リュウキ殿を護衛するより暗殺者を護衛しなければならなくなりそうだ・・・」
「しかし・・・我らがリュウキ殿を止めれると?・・・いや敵うと思うか?」
「騎士4人がかりでも無理だろう・・・」
この会話の間にリュウキは2体目の案山子を切り刻んでいた
「2割でもこの威力か・・・」
『リュウキ殿、剣を使わずに山賊を討伐したみたいに水魔法で倒してはどうじゃ?』
『セイ・・・そうだな・・・そうしようか』
「すいません・・・考えたい事があるので部屋に戻ります」
「わかりました・・・お供します」
「あ、訓練場・・・散らかしてしまいましたが後片付けを・・・」
「構いません我等にお任せを・・・」
そう言ってリュウキが訓練所より退室した後、遠まわしに見ていた騎士が案山子の周りに集まってきた
「この鎧の切り口を見てみろ・・・力任せに切ってもこんな綺麗な断面にはならんぞ・・・」
「聞いた話では優勝時の特典で近衛騎士の地位を与えるとか・・・」
「それは本当の事なのか?」
「国王はリュウキ殿の実力を買っているようだ・・・」
「俺・・・あの人の部下になりたい・・・」
「俺もだ・・・」
「私も!!」
リュウキのいない所でどんどんと話が膨らんでいく・・・果たしてリュウキの運命やいかに!!
第21話が完成しました
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