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4.再会

馬を繋いでいた場所まで戻ると、ほっと息を吐いた。

「あれはまずいわね。次から次へと魔物が湧いて出てるみたい」

「やっぱり、騎士団の方でちゃんと調査してもらった方がいいですよ」

ケインが顔を顰めた。

「そうね。早くしないと村や街に被害が出そうね」

思っていた以上に深刻な事態にエミリアは少なからずショックを受けた。


領地で幼少期を過ごしたエミリアはこの森にもよく来ていたが、こんなにも禍々しい雰囲気だったのは初めてだ。

ランガスター家にも自前の騎士団はあるのだが、国のものに比べたら、規模も能力も劣る。

森全体がこの禍々しい空気に包まれているこの状態では自分たちだけでは対処できないだろう。


昨日、ジュードがお父様に連絡してくれたはずだ。

ここは王都から割と近くて馬車で2日、早馬なら半日くらいの場所だし、なるべく早く調査団を寄越してくれるといいんだけど…


被害が出ないことを祈りつつ鬱蒼とした森を眺めていると、馬が5頭こちらに向かって走って来た。

馬に乗っているのは黒い軍服を着た逞しそうな男たちだ。


なんでこんなところに軍人が…

エミリアが考えていると目の前でその一行が止まった。



颯爽と馬から降りたその人物を見て、エミリアは固まってしまった。

そこには黒の軍服に身を包んだレオンハルトが立っていたのだ。


「やっぱりエミリア嬢か」

レオンハルトはちょっと呆れたように言った。

「えっと…レオンハルト殿下はどうしてここに…」

「ランガスター公が領地からの連絡を受けた時、たまたま一緒にいたんだ。エミリア嬢が魔物討伐に嬉々として行ってるって頭を抱えていたぞ」

「嬉々としてってことはないですよ。行ったのは今日でまだ2回目だし」

それにしてもどうして殿下がと思うもののレオンハルトの責めるような視線にエミリアの声はどんどん小さくなる。


「それで、森の様子はどうなんだ」

すっかり小さくなっているエミリアを見てレオンハルトは話を変えた。

途端、エミリアの表情は引き締まり深刻なものとなった。

「森全体が禍々しい空気に包まれていて、次々に魔物が湧き出ているようです。少し入っただけでサンダーピッグが20頭程次々現れ、昨日は村にもジルウルフが3頭出てきました。他にもあちこちで目撃されているとのことです。早急に対処すべきかと思いますのでご協力願えればありがたいです」


「そうだな。今日はもうすぐ日が暮れる。一旦戻ろう」

「はい、今後はランガスターの屋敷を拠点にお使い下さい」


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