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3.森の異変

「他の村でも魔物は増えてるの?」

「そうですね。あの森の周囲の村では目撃が増えてますね」

ランガスター家に20年以上仕える万能執事のジュードが答えた。

「討伐は行っているんですが、次々に現れるので、追いついていません」

エミリアはアメリが淹れてくれたお茶を飲んで考える。


ジルウルフが村にまで出て来ているだけでも異常なのに他の村でも魔物が目撃されてるなんて、おかしいわ。

今までは年に一回か二回の討伐で済んでいたはず。


元々魔物は瘴気の吹き溜まりのようなところから発生すると言われている。

その瘴気が濃いと次々と魔物が発生する。そして、強い魔物が出現しやすくなる。


「やっぱり、あの森の瘴気が濃くなってるとしか考えられないわね。調査すべきね」

「お嬢様、もしかして自分で行くつもりですか?」

アメリがジトッとした目で見つめてくるが、エミリアは涼しい顔をしている。

「もちろん。領民の安全を守るのは貴族の義務よ」

「お嬢様自ら行く必要はないと思いますよ」

「大丈夫よ。ちょっと様子を見に行くだけだから」

ウキウキを隠し切れていない困ったお嬢様にアメリとジュードはため息を吐いた。


「とりあえず、旦那様に連絡を入れます。大々的な討伐となれば、騎士団にお願いしないといけませんから」

「分かったわ。じゃあ、連絡しておいて」



森の中は鬱蒼としていて、いつもより暗く感じる。

エミリアとアメリとケインは翌日、森の中に入っていた。

「少し、空気が重たい気がする。やっぱり、瘴気が濃くなってるわね」

「お嬢様、あんまり奥までは入らないで下さいよ」

「そうね。これだけ禍々しいとどんな魔物が出るか分からないから、奥までは行かないわ」

この禍々しい空気を嫌がるので馬は森の入り口付近に繋いだ。

三人は辺りを警戒しながら歩くが、奇妙な程静かだ。


ガサッガサッ

突然、目の前にサンダーピッグが現れた。

電気を纏った猪のような魔物だ。

触れると感電してしまう。


10頭程の群れだ。

これはちょっと厄介ね。

炎の魔法なら一気に倒せるけど、森の中ではそんな訳にはいかない。

エミリアは自分達に結界を張りながら、植物の蔓を操りサンダーピッグの足を絡めとる。

動きの鈍くなったサンダーピッグをケインとアメリが斬り倒していく。

次々と現れるサンダーピッグを倒し切った時には結局、20頭程を斬り伏せていた。


「これ以上は危険だわ。戻りましょう」

エミリアはこの森の異常を感じとってケインとアメリを急かしながら、森を出た。






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