表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

1introduction

ザクザクと音を鳴らしながら進む白銀の世界

頭の上には今にも零れ落ちそうな星の光を感じて


考えることは「死ぬほど寒い」ということだけ。


少し前を歩くあなたの背中をじっと見つめ、足だけをもくもくと動かしていた。


あの頃は

このままあなたの後を追っていけば大丈夫という

不確かな確信と安心がそこにはあったけれど


この背中が私ものではないのだと初めて知ったのは

「死ぬほど暑い」小学六年生の夏だった。


友達の真帆ちゃんと遊んだ帰り道

「あなた」こと、シンちゃんが

私の知らない女の人と歩いているのを見てしまった。


女の人はシンちゃんと同じ学校の制服を着ていて

長い髪をポニーテールにアップし

汗すら煌めく涼しい笑顔を見せていた。



「アコ!お帰り」

シンちゃんと目が合うと同時に声を掛けられ

咄嗟のことで声も出せずポカンとしている私に

「シン君って妹いたの?可愛いね-」

シンちゃんと並んでこちらに向かってくる綺麗な人


「妹じゃないよ近所の子」

近所の子…

シンちゃんの妹以下です発言に少し突き放され伏目がちになる。


さらに彼女のクリクリとしたまん丸な目がこちらに近づいて覗き込んできた

「私妹ほしかったんだ。名前アコちゃんて言うの?何年生?」

彼女とシンちゃんの純粋で嫌味ないその言葉が私を卑屈にする。





なんで私はまだ小学生なんだろう


こういう女性がシンちゃんの彼女になるんだよ、きっと。

可愛くって優しくって…



背負っていたランドセルがダサくて情けなくなった

くそ暑い日。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ