第3話 福祉部
ドアを開け、中に入った。
部屋は8畳ほどの広さがあり、真ん中にはテーブルが置かれており、部屋の奥にはソファーが置かれていた。
「靴は脱いでくれる?」
近づいてきた風早先輩に言われ、ローファーを脱ぎ、靴箱に入れる。
床にはカーペットが敷かれていた。家みたいな空間だなと思った。
「ここに座って」
風早先輩に言われるがままに、クッションの上に座った。テーブルに向かい合うような形だ。
テーブルを囲むように風早先輩と他の3人の生徒が座っていた。
風早先輩が話しかけてくる。
「今日は来てくれてありがとう。ようこそ福祉部へ。私は高等部2年の福祉部部長、風早 紗菜。それじゃ、部員から順番に。優羽からお願い」
声をかけられたのはショートヘアの女の子。
少し仕方なさそうな顔をしながら、話始める。
「高等部1年、神津 優羽です。福祉部副部長でもあります。高等部1年だけど、中等部からの内部進学組です。次、如月さんお願い」
次に振られたのは、小柄な子。
顔立ちが中性的だが、制服を見る限り男の子のようだ。
「如月 奏斗です。中等部の2年です。よろしくお願いします。次、星乃さんお願い」
声をかけられたのは、小柄な女の子。
お人形のような印象を受ける子だった。
その子はホワイトボートを取り出すと、文字を書き始めた。
(私は星乃 愛莉、中等部2年生です。声が出せないので筆談での会話になりますが、気軽に話しかけてもらえると嬉しいです。よろしくお願いします。)
笑顔で見せてきたホワイトボードにはそんなことが書かれていた。
筆談の子なんて初めて見たな。
「高宮くん、自己紹介してもらってもいい?」
風早先輩に話を振られたので、答える。
4人に見られてると少し緊張するな。
「はい。俺は今日桜河原に入学した高等部1年の高宮 敦樹です。今日は風早先輩に福祉部の説明をしてもらえるということで来ました」
星乃さんがその言葉を聞いて、ホワイトボードを見せてきた。
(風早先輩とはどういう関係?)
見た目に似合わず、積極的な子だな。
「朝、道に迷ってるところを助けてもらったんだ。そこで福祉部に入っていると聞いたので、興味あったから来てみました」
さらに星乃さんは続けて俺だけに見えるように、ホワイトボードを見せてきた。笑顔で。
(興味があったのは福祉部じゃなくて、風早先輩でしょ!美人だもんね!)
まあ、それもあるけど。
というか、なにこの子。どう反応すればいいんだ。
「こらこら新入生をいじらないの」
反応に困っていると、風早先輩が間に入ってきて止めてくれた。
星乃さんはジェスチャーで平謝りしてきた。積極的すぎだよ、この子。
俺は風早先輩に質問することにした。
「福祉部って何をする部活なんですか?」
風早先輩はすぐに答えてくれた。
「福祉部は、生徒の悩み相談を受けたり、ボランティア活動を行ったりする部活です。表向きはね」
「表向きというと?」
それから、福祉部がどういった部活であるのかの説明が始まった。