補完 歪んだ愛(ガルシャ視点)
褒め称えられて、誰もが自分に注目していた。
顔の良さと地位故に令嬢も口説けばすぐに自分の物にできた。
これが欲しいといえば、誰もがそれを差し出し自分にこびへつらってきた。
それが当たり前だった。
「貴方は選ばれた人間なの。あんな人よりも貴方の方こそ王位に相応しいのよ」
母がよく言っていた言葉。
身分の低い貴族と前国王との子である父である国王よりも由緒正しき正当な王家の母の血を引く自分こそ王に相応しいのだと、毎日のように聞かされた。
現国王はガルシャが即位するまでのお飾りにすぎないと。
そう――自分は選ばれた人間で、誰よりも優れている。皆ひれ伏すのが当然なのだ。
それなのに――。
「ご一緒していただけますか?リシェル様?」
「はい。喜んで」
10歳の時。王宮で開催された舞踏会で、ひとめ惚れした美しい銀髪の少女はすでに思い人がいた。
その少女と青髪の身分の低い貴族が嬉しそうにホールでダンスを踊っている。
王宮の舞踏会で一番に声をかけて俺に惚れさせてやろうと、思っていたガルシャはただ彼女のために用意した花を握りつぶすしかできなかった。
他に男がいる女などに声をかけるなどガルシャのプライドが許さなかった。
惨めに仲睦まじく踊る二人を眺めながら。
せっかく俺が声をかけてやろうとしたのに。
俺の妃にしてやろうとしたのに、俺以外の男に微笑むなんて許してたまるか!!
ガルシャは理不尽な恨みを少女に抱くようになった。
それでもその後少女はすぐに青髪の青年と婚約してしまい、表舞台にでてくることはなくなってしまった。
公爵家の娘故、ガルシャとて手を出すことはできない。
だが、運命の神はガルシャを見捨てていなかった。
イフリート部隊による襲撃でラムディティア領が荒らされると、公爵家は資金繰りが厳しくなり、王家に莫大な借金を背負ってしまう。カティ商会の援助である程度持ち直したものの、それでもその時の借りは公爵家に重くのしかかった。
それゆえ、聖女の神託を受け、グエン不在の時に無理やり婚約者にした時も、公爵家は逆らえなかったのだ。
けれど婚約者としたあとも、少女は神殿と貴族たちにきっちりとガードされておりガルシャが嫌がらせをすることはできなかった。
そう――本当の聖女。マリアが現れるまでは。
マリアが聖女となり、口うるさかったもう一つの公爵、母の弟だった公爵クロム・フォル・ロティエンが死んだあとはガルシャを止める者はだれもいなくなった。
そう、あの女――リシェルを苦しめる事にだれも異議を唱えなくなったのだ。
ああ、あの女の泣く顔が見れる。
悲しそうにゆがむ顔が見れる。
悔しそうにうつむく顔が見れる。
自分の言葉。暴力ひとつであの女が自分の思うままに動くのだ。
やっと俺の物になった―――。
ガルシャは隣にマリアを連れながら、嬉しそうに笑みを浮かべるのだった。
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