補完 貴方との未来(リシェル視点)
「ロゼルトは平和になったら何がしたいですか?」
過去に、一度だけ聞いた事があった。
リシェルが聞いた言葉。
その時ロゼルトは一瞬何か言いかけて、すぐに笑ってごまかした。
平和な世界にしてリシェルと暮らす事と話を逸らしたけれど、リシェルにはすぐその真意がわかった。
もしここでロゼルトが夢を語れば――ロゼルトが亡き後リシェルがその夢を継ごうとするだろう。
だからロゼルトは夢を語らなかった。リシェルの未来を縛り付けないために。
ロゼルトは夢を語る事すら許されない。
ガルシャとマリアのおかした罪のせいで彼一人魂を犠牲にしなければいけなくなった。
一人で世界を背負って懸命に戦って、なのに一人で魂の輪廻すら犠牲にしなければいけない彼に、リシェルが出来た事は気づかないふりをして笑ってあげる事だけだった。
だから―――。
この戦いが終わったら。
二人で夢を語り合おう。
待ち受ける不幸な未来など、全部塗り替えて、夢を二人で語れるその未来を諦めない。
目指した夢に向かっていける未来を勝ち取ろう。
これから魔族をもたぶらかし、ガルシャとロゼルトの魂を入れ替えて、ガルシャの魂を捧げ魔族の復活を防ぐ。
そのためにマリアとガルシャを誘導し、婚約破棄をさせる準備は整った。
ガルシャにリシェルを婚約破棄させその罪を理由に王位継承権をはく奪し、第二王子に王位を譲る。
そうすれば第二王子に王位が移り魔族は復活しようとするだろう。
リシェル達を手のひらで転がしたつもりが実は魔族が騙されているとも知らずに。
人々を犠牲にし自らだけの安全を願ったガルシャの汚れた魂では魔族は復活できない。逆に無理に復活しようとしたことでその力は以前より弱くなるだろう。
エルフの魔法で強制的に眠りにつかされてベッドで横わたっているロゼルトをリシェルは見つめる。
この人を救うためならば、私はどんな手段をも厭わない。
エルフや竜人達にたかが人間一人のためにそこまでの危険は冒せないと反対されても、封印が解けかけた状態の方が危ういとそれらしい理由を並べ立て、ハッタリと脅しで乗り切った。
見るだけでも辛いガルシャとマリアの元でも、貴方との未来のためなら我慢ができた。
大好きな貴方とともに笑って歩ける未来がもうすぐそこにある。
「待っていてくださいね。ロゼルト」
そう言って眠りについたままのロゼルトの額にキスを落す。
「そろそろお時間です」
気が付けば、いつの間にかドアの前に立っていたエクシスに言われてリシェルは頷いた。
もうすぐ、ガルシャがリシェルに婚約破棄を告げるだろう。
勝負はその時。人類の存亡も、大事な人を救えるかも決まる。
復活した魔族にガルシャの魂を捧げ、ロゼルトを救って見せる。
今度こそ、自分は何も諦めない。
全てを諦めてすべてを失った前世の自分に打ち勝つために。
大事な者を守るために。
私は何でもしてみせましょう。
これは過去にすべてを投げ出した自分自身への復讐でもあるのだから。
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これも応援してくださった皆々様のおかげです、本当にありがとうございます!!
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ステキ表紙がこちら!!
リシェルちゃんが超美人でロゼルトもすごくかっこいいです!!
幼児化リシェルちゃんも超かわいくて、大人組もとってもかっこよく描いていただいております!!まぶた単先生の描かれる偽聖女はプロ視点のステキ構成になっておりますので、漫画版は必見です!!何卒何卒よろしくお願いいたしますー!!
次の告知話は ロゼルト視点でいちゃいちゃ回となっております、よろしくお願いいたします!
この二人は平和になったら常にイチャイチャしてると思う(´・ω・`)
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