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平和を願いし者たちよ、この世界で闘う者たちよ!第三章  作者: 冠 三湯切
パート1、『この異世界より平和への旅路を行く』
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桜蘭 新たなる旅路は、新たな自分を探す旅

桜蘭編、彼の物語は前回に引き続き異世界を旅する冒険譚になります。ただケモノ要素が多い話になってきます。

 「俺たちはこれから新たな闘いに身を投じる!!敵は強大!生半可な覚悟じゃやられるッス!!みんな、生きてまた全員で会おうよ!!そしてみんなで心の底から笑いあおう!!」


 『全ては平和の為に!!!』


 俺はみんなと円陣を組んで走り出した。


 


 俺は坂神 レイノルド 桜蘭。三週間前突然この世界に飛ばされた男だ。

 

 俺はこの世界で戦いに身を投じ、勝利した。そして世界の全ての真実を知ってしまった。


 俺は今、この世界の真の支配者と戦うために旅立った。


 ・


 ・

 

 ・


 アダムス連合の何処か


 「桜蘭さーん、近くに川があったので水持ってきました」


 「あ、どもッス」


 俺に水を持ってきたこのおさげの髪で高そうなワンピースを着た少女は神和住 零羅。


 俺たちは今二人で旅をしている。俺の他の仲間たちはそれぞれの目的を持って別々の旅に出ていった。


 俺たちの旅の目的、それは仲間を集める事。仲間と言っても只の仲間じゃない。俺は前の戦いで動物たちと意思を通わせる事が可能になった。なんで出来るようになったかは俺でもよく分からないが、それでも俺は動物を支配することが出来る。


 俺はこの力を使いこの世界で眠っているとされる四精霊を探す旅に出た。





 「桜蘭さん?どうしました?」


 急に声をかけられて俺は顔を上げた。隣から零羅が俺の顔を覗き込んでいる。


 「いや、ワダツミが言ったように四精霊を探すのは良いんだけど、どこから探そうかって思って、今ここの周辺の動物に話を聞いても特にこれと言った情報は無いしさ」

 

 「うーん、そうなんですか・・・だったら図書館とかってここのあたりにないんですかね。ほら、エルメスさんが言ってたじゃないですか。四精霊は昔はこの世界で普通に生きてたって、もしかしたら何か記述があるかもしれません」


 だな、零羅の言葉が最もだ。だけど、


 「でも、この周辺に人が住んでる気配ないッスよ・・・」


 「・・・ですね」


 勢いよく飛び出したはいいけど、俺はここの世界の地図は持っていないし、あっても多分読めない。


 正直に言おう。俺たちは旅をしているというより、迷子ってる。


 「うーーーーーーん!!どうしたもんか!!とりあえずこっちに行けばいいって思ってたんだけどさぁ、世界広すぎんだろ!!もうちょい小さくていいじゃないッスか!!」


 俺は頭を抱えて叫んだ。


 「さ、桜蘭さん落ち着いて!!というかなんでこっちって思ったんですか?」


 零羅は俺をなだめた。


 「いやぁ、ランサーのいた村がこっちだと思ってたからさ。ランサーならもしかしたら何か知ってるのかもしれないって思ったんス・・・あそこ地味に図書館があったし」


 「あ、あの村を目指してたんですね。方向としてはこっちな気がしますけど、海岸道路から東に進んで辿りつきましたからね。でも車でもかなりあった気がしますよ。というか途中で砂漠抜けませんでした?」


 そういえばそうだったっけ、ついこの間の事なのに随分と昔に感じるな。


 「って、懐かしんでる場合じゃないッス。あーーーーーーーーー!!どーーーーしよーーーーーーー!!」


 適当に叫んでみた。


 奇跡が起きた。


 『なぁに叫んでんだ?砂漠で幻覚見てたわけじゃねぇだ ろ』


 突然、頭に語り掛けてくるような声が俺に聞こえた。そして後ろから頭を小突かれた。


 衝撃で顔面から地面にめり込んだ。


 「いててててって、んあ?今のって」


 俺は振り返るとそこには黒く艶やかなたてがみで、毛並みはしっとりとしている。そして素晴らしい足の筋肉、こいつは


 「ランサー!?」


 俺が前の旅で出会った暴れ馬、ランサー デッドホーク号がいた。


 『なに鳩が豆鉄砲を食った顔してんだ?』


 『ランサー、どうやってここに来たんだ?』


 俺は力を使ってランサーに話しかけた。


 『なに、競走馬のレースがここの近くであるから補欠として駆り出されて来てたんだけどよ、そしたら空が突然光って、んでよ檻の鍵とか全部開いちまってて、そんで暇だからウロウロしてたらお前の声が聞こえた気がしてなんやらホイとか思って来てみたら、ここでお前が叫んでたんだよ』


 また逃げてたのかよ、ほんと自由な馬だな。


 『とりあえずサンキューな』


 俺はたてがみを撫でた。


 『へっ、褒めてもなんもやんねーよ。にしても前に比べてまた強くなったか?情けなさは相変わらずだが、目つきが変わってんぜ』


 『あの後も色々あったからね・・・そうだランサー、四精霊について何か知らないか?』


 俺が質問したらランサーは目を丸くして俺を見た。


 『四精霊か、懐かしい名前だなおい。昔はよく競争してたな。風のシルフとは特によ』


 「知ってんの!?」


 俺は普通に大声を出してしまった。


 「はい?」


 零羅もなんのこっちゃと俺を見た。


 「いや、ランサーが四精霊の事を知ってるって言うから」


 「あ、さっきから何をやってるのかと思っていたら、会話なされてたんですか」


 『最近は合わなくなっちまったな。けどちょっと前に会ったわ、けど最近は変な連中が現れて荒野すら監視されてろくに走れないって言ってたっけ』


 変な連中?彼らの事か。荒野すら監視しているのか・・・彼らはどこにでもいるか、三上がなんで電磁パルス攻撃を行ったかよくわかったよ。


 『それよりもだ、お前ら街探してたんだろ?さっき聞こえてたぜ。乗りな、連れてってやる』


 「あ、どもッス」


 俺は手綱を手に取り、颯爽とランサーに飛び乗った。


 かと思ったら


 『いててててて!!!何すんだ!!そこ引っ張るとこじゃねぇ!!』


 見事に飛び越えて墜落し、その後ランサーに蹴飛ばされた。


 「んごぉっ!!」


 『普通に乗れ普通に!!』

 

 そして叱られた。


 「あの、わたくしも乗っていいのでしょうか」


 俺は最初に零羅を乗せることにした。零羅は軽やかに背中に乗った。


 『お、こいつ上手いな、どこかの誰かさんと違ってよ』


 すいやせんでした・・・


 ランサーがしゃがみ、零羅が俺を引き上げてくれてようやく乗れた。


 「桜蘭さん、大丈夫ですか?」


 零羅の俺を心配する声、大丈夫じゃないです。心に重傷を負いました。


 『全くよ、お前もうちょい特訓しといたほうがいいぜ。とりあえず行くぜ』


 「お願いッス!!」


 特訓か、動物と話せるのに乗れないなんて笑い話にもならないな。どっかで特訓しないと・・・


 それに特訓と言えば、戦闘はどうしたものか、俺には武器がない。だから零羅と一緒に旅をしているんだが。


 近接戦闘が出来りゃ、少しはまともに戦えるだろうか。


 「なぁ零羅、ちょっといいか?」


 「なんでしょう」


 「零羅のあの格闘ってさ、結局どうやってるんスか?あの軽く小突いただけで骨が粉砕する奴」


 俺は零羅の扱う特殊な格闘技について聞いてみた。あれが俺にも出来れば、大分戦力になるかも。


 「アレですか・・・わたくしにもよく分からないのです。体がなんとなくで動かしてるだけですので・・・もうちょっとあの技を磨くことが出来ればなにかアドバイスできるかもしれません」


 駄目か、そうだよな。零羅には零羅なりの戦い方があるんだし、俺がそれを真似ようとしても多分それでは強くはなれない。むしろ弱くなる。


 「うーーむ、武器の無いこの状況だから武器無しでも戦える術を身につけないと思ったんスよ」


 「確かにそうですね、わたくし自身もこのままではいけませんし・・・あ、そうです!!」


 零羅が何かに閃いたようだ。


 「桜蘭さん!付き合って下さい!!!」


 「はぁい!?おわわっわ!!!」


 突然とんでもない事を言われて俺はランサーから落ちそうななった。ランサーが何とか修正してくれた。


 『気ぃ付けやがれサクラ!!』


 ごめんなさい。でもさ、唐突にこんな事言われたらビックリするでしょ?


 「い、いきなり何を言い出すんスか!?」


 「へ?なにがでしょうか?それよりも一つ思いついたのです。わたくしは、この格闘を一つの流派にしようと思うのです。わたくしのこの特異な格闘術と、このガントレット型の武器 炎神を組み合わせた新しい流派です。それを完成させる為に桜蘭さんに修行を付き合ってもらいたいんです」


 付き合うってそう言う事ね・・・ビックリしたぁ。でも流派か、そうだ!!


 「俺も一ついいこと思いついたッス!!零羅の戦い方って見た目に反して破壊力抜群の荒々しい戦い方をするじゃないッスか」


 「た、確かに言えてますね・・・昔執事に世紀末覇者みたいだったとか言われてました」


 「へ、へぇ~。じゃなくて、つまりは俺はその逆を身に着けるんス。俺って他と違ってやたら視力がいいでしょ?つまり見切りの速度が尋常じゃないんス。三上に勝てたのもこれが大きな要因の一つッスから、んで、俺はその見切りを磨くんス。零羅の攻撃を受け流し、そこから急所を狙った攻撃に移すって言う感じッスね」

 

 俺にしてはいい考えじゃない?零羅と手合わせする事で俺自身も零羅も強く出来る。そして零羅とは別の戦い方を身に付ける事で零羅の弱点となる部分を補える。んでもって俺が武器無しでも戦える手段を身に付けれる!!一石三鳥ってやつだ!!


 「それはいい案ですね!!向こうに着いてからやってみましょう!!」


 『そいつは面白そうな話だなおい、俺が審判してやる。サクラ、お前の実力が何処まで行ってるのか見てみてぇしな』


 ランサーも話に参加してきた。


 「ところでさ零羅、流派って言うのなら流派の名前って決まってるんスか?」


 俺がなんとなくのノリで質問をしてしまった。


 「よくぞ聞いてくださいました。わたくしのこの格闘術、魔を纏い、全てを打ち破り闘い抜く剛の拳。名を『魔破闘剛拳流(まはとごうけんりゅう)』!!!」


 零羅は屈託のない笑顔で堂々と名乗った。


 「魔破闘・・・」


 『剛拳流・・・なぁサクラ、この嬢ちゃん少しヤバくないか?』


 『俺に言わないで、少年漫画の読み過ぎのせいだから。多分・・・ほら、零羅だってあんなに堂々と名乗ってるじゃないッスか。それにさ、よく聞くとかっこよく聞こえなくもないッスよ?』


 『あ、あぁうん。かっこいいねぇ・・・』


 俺とランサーはこっそりと話した。そういえば零羅って少年漫画好きだったな。ある意味麗沢と気が合いそうなのかも。


 俺はそんな事を思いながら空を眺めた。


 「だとしたら技名も考えなければいけませんね。何がいいでしょうか・・・ふふふ!」


 もう、お好きにどうぞ。


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