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5-35 閑話 男たちの悲哀 〜ああ、青春の淡き慕情よ〜 2




レベル −−

種族 錬成人 ELdest of Fauna

職業 魔導指揮者


MP 7820/7820


STR 4291

VIT 3922

INT 8358

MND 7474

AGI 4063

DEX 5619


《棒術3》《氷魔術6》《風魔術4》《土魔術1》《MP回復4》《魔導楽団》《源血の眼》《アップグレード》







 皆、一様に言葉を失った。


 異常だ。

 なにからなにまでもが。

 セレーラの前に生じた半透明の緑色の板が、本物のステータスを記述しているとは思えなかった。


「これは、なんの冗談だ」


 偽物ではないとわかっているが、信じられずについ板に手を伸ばす。だがやはり掴むことができずに空を切った。


「このステータス……気のせいではなかったんですね。姉さん、一体なにがあってこんな」


 クリーグとヴォードフが緊張感を漂わせていたのは、セレーラの力を感じていたからか。


「あの人の力ですわ」

「タチャーナ殿の?」

「ええ。さきほど言ったことは事実ですのよ。私はトゥバイによって、この下を切り落とされてしまいましたの」


 そう言って、セレーラは腹に手刀を当てた。


「その私を救うには、こうするしかなかったんですって。でもとんでもないですわよね、種族まで変えてしまうなんて」


 まだ断ち切られたというのを信じきることはできなかったが、このような異常な変化が起こっているのだ。なにがあってもおかしくないように思えてしまう。


 それから皆で幾つか気になる部分を尋ねた。

 それはこれが()かされているのではなく事実であることを、飲み込むためだったのかもしれない。


 まず魔導指揮者などという聞いたこともない職業は、スキルの《魔導楽団》から来ているのだろうとのことだ。

 しかし、肝心のそれは魔術関連の強力なスキルだと言うだけで、詳しく語らなかった。

 口をへの字に曲げていたところを見るに、力を隠すためというより、ただ好んでいないから説明しなかったように思う。


 《土魔術》は、水晶ダンジョンで手に入れたスクロールによって得たそうだ。

 ニケにこっそり渡されて使い、それを知ってイジケた狂子をあやすのが大変だったと言っていた。


 そして他には魔眼の《源血の眼》と、種族の特性として《アップグレード》というものが新たに備わった。まさかレベルのない種族とはな。

 ステータスも含め、あまりに急激な能力向上だ。


「体、問題ないか」

「はい。初めは戸惑いましたけれど、今はもうすっかり」


 無理をしている様子もないし、本当のことなのだろう。

 安堵するヴォードフとは、少し違うところにシグルは引っかかっていたようだ。疑問を呈した。


「セレーラ殿、これは本当にそうするしかなかったのですか。その、どういう能力でこうなったのかよくわからないのですが、自分たちに合わせるために、治療を名目にあいつが好き勝手したということは……」


 人を食ったようなところがある狂子を、生真面目なシグルは好んでいない。セレーラが惹かれていたのもわかっていたしな。

 そのシグルの疑念を、セレーラは軽く笑い飛ばした。


「ふふっ。本当だと思いますが、別に嘘でも構いませんわ」

「え……」

「だって足手まといなんてまっぴら御免ですもの。自分から言う手間が省けただけですわ……アレに関してはどうかと思いますけれど」


 最後は聞き取れなかったが……まったく、豪気な女だ。

 だがだからこそ、私の心は重く沈んでいった。


「足手まといか……あの者たちは、今のそなたと同等の力を持っているのだな? 狂子の力によって」

「ええ、私が彼女たちに届いているとは思いませんけれど」


 今は本当にそうなのかもしれない。

 しかし、負け続ける気はないと強い眼光が語っている。

 私としてはそれどころではないのだが。


 これが狂子たちがギルドに譲歩させてまで秘匿しようとしていたステータスなのだ。

 私は今まで、クリーグに狂子たちと敵対するなと何度も釘を刺されてきた。実際そうしてきたつもりだ。

 しかしそれでも、いざとなればどうにかなるとたかをくくっていた。

 だがこれでは!

 これではどうにもならぬではないか!


「……そなたら三人で、今のセレーラを止められるか」

「接近戦、なんとか」

「やはりそうか……」


 魔術師相手に、この三人が接近戦でようやく。


 そんな化け物が、四人。


「なぜだ、セレーラ……なぜ私にこのことを明かした。そなたは私に恨みでもあるのか?」


 人目をはばからず、叫びながら頭を掻きむしりたい。

 そんな私の思いを、シグルだけは理解していない。


「閣下、なにをおっしゃっているのですか?」


 シグルは信頼の証だとでも思っているのか。確かにその面はあるのだろう、ある意味では。


「シグル様……姉さんは、閣下に自分たちの盾になれと言っているのです。この国の者たちにちょっかいを出させるなと言っているのです」

「なっ……」


 もはやなにがあろうと狂子たちを敵に回すわけにはいかない。

 私自身は当然として、この国としてもだ。そんなことになれば、痛手を負うだけでは済まない。


 今まで多少なりとも、盾となるよう動いてきたつもりはある。

 しかしこの力を知ってしまえば、なにを差し置いても盾にならざるを得ない。私がそうなるのを見越して、ある意味信頼してステータスを開示したのだ。


 そしてそれは取りも直さず──


「命がけで孤児院を守れと……そういうことだな?」


 これから狂子たちがどう動くのかは知らないが、ただでさえ水晶ダンジョン攻略者として関心を集めている。

 もし狂子が他者を強化することができるなどと知られれば、更に接触しようとする者は増えるだろう。

 そして他の三人はいざ知らず、セレーラには孤児院という明確な弱点がある。人質にするためや、腹いせのために狙われることは大いに考えられるのだ。


 もしそんなことになれば、狂子たちはどうするのか……ああ、考えただけで臓腑に穴が開きそうだ。


「知らずにおれれば楽だったものを……」

「ふふ、最近もそんな言葉を聞きましたわ」

「くっ、笑いごとではない」


 苛立つ私などどこ吹く風で、セレーラは続けた。


「私はあの人と共に行くことを決めたとき、孤児院とは一切の関わりを断とうと思っていましたの。もう孤児院に顔も出さず、たとえなにがあろうとも、なにもすることはないと。あの人に迷惑はかけたくありませんし、その姿勢を示すことが孤児院の安全にも繋がると思いましたから」


 確かに利用価値がないとわかれば、孤児院に手を出す者もいなくなるだろうが……それはあまりに寂しい決断だ。


「そうあの人にも伝えましたわ。そうしたら……『自分たちは、なにかを捨てるために力を得たわけじゃない。なにか手を考えよう』と言ってくださって。折を見ては、この街に戻ってきてもくださるそうですわ」


 嬉しそうに、セレーラが蕩けた表情で体をくねらせる。

 ハァ……見たくなかったぞ、そのような姿。


「それならばと思い、彼に教えて差し上げましたの」


 一度素に戻ってから、セレーラが口角を上げる。

 どこからどう見てもわかる完璧な作り笑いに、凍りつくような悪寒が走る。


「……なにをだ?」

「この街にはお忍びで酒場に繰り出して、自分で考えた冒険者の二つ名をお仲間に広めさせる領主様がいらっしゃいますのよ、と」


 ……あー。


「そうしたら、ステータスを開示することを快く了承してくださいましたの。『狂子』のあの人は」


 …………まさか。


「閣下はさきほど、恨みでもあるのかとおっしゃいましたわね。『氷()』。そう言えばわかるのではないかしら」


 ………………終わった。


「い、いつから……いつからそれを」

「貴方のお父様が生きていらっしゃる頃からですわ」

「それほど昔から……」


 一般に広めたセレーラの二つ名である『氷姫』は、知る人ぞ知る真の二つ名『氷鬼』を偽装するためのものだ。知られれば殺されると考えたがゆえに。

 それがまさか二十年以上前から知っていたとは……。


 戦々恐々とする私を前に、セレーラは口もとを隠して笑った。


「もう、冗談ですから、侯爵ともあろう方がそんなに情けない顔をしないでくださいませ。彼はともかく私は恨んでいませんわ、それほど」


 それほどがどれほどなのか、聞くのはやめておこう。知らぬ方がいい。


「サバスティアーノ様、こちらを」


 セレーラは持ってきていた普通の袋から、マジックバッグを二つ取り出した。


「それは?」

「ドラゴンや高ランク魔物素材の詰め合わせですわ。孤児院を守るために役立てるようにとのことで」

「……随分と大仰な。くれると言うならもらっておくが」

「それと、『少なすぎるけれど私を連れて行くことへの、せめてものお詫び』だそうですわ、ふふっ」


 それならば、確かにまるで足りんな。そのようなことは口にせぬが。

 自分で言って恥ずかしそうに照れていたセレーラが、顔を引き締めた。


「これからが正念場。御身にかかる負担も大きいかと存じます。そのようなときに去る道を選ぶ私が言えた義理ではないと思います。ですがなにとぞあの子たちのことも、よろしくお願いいたします」


 美しく背を伸ばし、深々とセレーラは頭を下げる。

 そして顔を上げたセレーラに、私はことさら方眉を上げて鼻で笑う。


「ふん、私の民だぞ。言われずとも守るのは当然のことだ」


 これで良いのだろう?

 お前が育ててきた俺の、良き領主としての答えは、これが正解だろう?


 返ってきたのは────満点の笑み。


 当然だ。長い付き合いなのだ、間違えることなどない……たとえお前がいなくなろうともな。







 しばらく話をして、セレーラは帰っていった。

 まだセレーラは仕事の引き継ぎもある。これが最後ということもなかろう。


「それにしても……鬱陶しい」


 うっ、うっ、と泣きながら、シグルが鼻をすすり続けている。


「もっ、申し訳、うぅっ」

「気持ちはわかるが、泣くならヴォードフのように静かに泣け」

「えっ?」


 ヴォードフは直立したまま、涙だけでなく鼻水まで滝のように垂らしている。天晴(あっぱれ)な男泣きだ。


「だ、団長が泣いている……」

「ずっと……憧れ……」

「そうだったのですか!?」

「まともに話しかけられもせんくせにな。そのせいで所帯を持つのが遅くなったのだ」


 結局ヴォードフは、私の妻の一人が無理矢理引き合わせた相手とくっついたのだ。今は仲睦まじくやっているのでなによりだが。


「シグルもさっさと相手を見つけてこい。もうじき二十四にもなるだろう」


 大体の平民ですら、もっと早く所帯を持っている。貴族であればなおさらだ。


「う…………その、まさかクリーグ殿もセレーラ殿を、などということはありませんよね」


 露骨な話題そらしに、クリーグは乗ってやるようだ。輝く白い歯を見せる。


「なにを言っているんですか、シグル殿」

「そ、そうですよね。さすがにそんなことは……」

「あの孤児院の少年が辿る道はみんな同じですよ。姉さんに憧れ、振り向かせようと外に出て躍起になり、子供扱いを脱せない現実を知って涙するまでがお決まりです」

「…………クリーグ殿も?」

「当然じゃないですか」


 結局クリーグも、私の妻のもう一人が以下略。


 二人も同類だったことに唖然としているシグルは、もう涙することも忘れたようだ。


「そなたも自分でみつけてこないなら、妻にくっつけさせるぞ。そなたのせいでゼキルが困っているのだからな。相手はいるのに、兄より先に迎え入れるのも気が引けると」

「うぐ…………あの、そういえば『氷鬼』というのは、一体なんなのでしょうか。セレーラ殿の二つ名は『氷姫』では?」


 まったく、こいつは自分が伯爵家の後継ぎだということがわかっているのか?

 ハァ……まあよい。


「『氷鬼』こそ私が考えた本来の二つ名だ」

「なぜそのような禍々しいものに。理知的な彼女には不似合いと思うのですが」


 シグルはここでのセレーラしかほとんど知らぬからな。ゼキルや狂子はまた違う形容を持っているだろうが。

 それに──


「──そなたは知らなかったか。こんな日だ、話してやってもよかろう。遠い昔の話だ」


 だがあの日の出来事は、目を閉じれば今でも鮮明に浮かぶ。




 それは私が王都の貴族学府を修了し、リースに戻ってしばらくのこと。

 初めて自らの手で野盗の命を奪い、自分が戦士になったのだと勘違いしていた頃の話だ。


 私は当時、夕暮れ前に騎士たちに混じって汗を流すのを日課としていた。

 その最中、冒険者が街中で派手に暴れているという報せが入る。

 その頃のリースは好き勝手にする冒険者などのせいで、今とは比べ物にならないほど治安が悪かった。父はなんとかしようとしていたが、冒険者の振る舞いはなかなか変わらなかった。

 その日の報せも、こともあろうに大通りで冒険者同士が戦闘をしているとのことだった。


 冒険者嫌いだった私はうんざりとしていたが、これも勉強だと当時の騎士団長に無理矢理連れていかれた。その一団の中に、見習いである従騎士のヴォードフがいたというのは、後に知ったことだ。


 駆けつけた現場で私を出迎えたのは、夏場にも関わらず一面に漂う冷気。

 まず目についた大通りの一角には、石畳から槍のように先の尖った氷が幾本も生えていた。そこには足を貫かれ倒れている冒険者が一人。

 その向こうに倒れている一人の周りには氷塊が散らばり、もう一人は肩に氷が刺さった状態で壁にもたれていた。


 その三人には見覚えがあった。

 素行が悪いことで有名な、A級ダイバーのパーティーだ。仲違いで二人抜け、その評判の悪さから補充人員も決まらず、なおさら荒れてよく問題を起こしている。

 つい先日もよそのパーティーメンバーをリンチして、冒険者としては再起不能に追いやっていた。

 それでも動かず、我らにも手出し無用と冒険者ギルドは言ってくるのだ。やはり父のやろうとしていることは正しい。冒険者や冒険者ギルドに、これ以上大きい顔をさせておくべきではない。


 そんなことを考えていると、路地から一人転がり出てきた。そしてそれを追ってもう一人。

 転がり出てきたエルフの女を見て、今回の顛末を悟った。

 それは快進撃を続け、噂になり始めた孤児院出身のC級パーティー……つまり、このA級パーティーによって一人再起不能にされたパーティーの一員だったからだ。

 敵討ち──そういうことだろう。


 それにしても戦闘の跡から考えても、どうやら彼女一人で仕掛けたようだが……とても信じられなかった。

 不意をついたのかもしれないが、A級四人にC級一人で挑むなどどうかしている。いくらエルフとはいえ、レベルの差は大きいはずだ。

 間違いなく並の神経ではない。


 しかし、それも限界のように見えた。

 肩で息をして立ち上がるその体には、幾つもの傷を負っている。

 もうMPもないのだろう。腰を落として杖を引いて構えている。

 対するA級冒険者はほとんど無傷だ。いたぶろうというつもりか、嘲るような笑みを浮かべて自分から動こうとはしない。ただ手にした剣をプラプラとさせている。


 止めるべきだと足を踏み出した私の肩を、騎士団長が掴んだ。

 見ていろ、と。そう言うのだ。

 私が反論する前に、状況が動く。

 女の方から突っ込んでいったのである。


 待ち受けていたのは、明々白々な結果。

 横薙ぎに振った杖は、男の剣で叩き切られた。

 これで万事休す──そう思った。

 だが女にとってそれは織り込み済みの、ただの予定にしかすぎなかった。

 彼女は体の勢いを止めず、剣を振り抜いた男に組みついたのだ。


 鮮血が石畳を汚す。

 悲鳴を上げたのは、虚をつかれ押し倒された男だ。

 男を離し、ふらつきながらも立ち上がった女は、首もとから血を吹き出してのたうち回る男を見下ろした。


 噛み千切った皮を吐き捨て、赤く染まるその顔に凄絶な笑みを湛えて。


 後にも先にも、あれほど何者かを畏怖したことはない。

 そして同時に私は、冒険者というものを識った。


 愚かで愛すべき、本物の冒険者を。


 その後、A級パーティーの者たちは街を出た。皆命は拾ったが、傷が深いこともあった。だがそれ以上に、C級一人にやられた笑い者となりながらもなお冒険者を続けることなどできなかったのだろう。


 そしてこの一件で更に名を上げた女──セレーラとそのパーティーだったが、残念なことにB級で壊滅してしまった。


「──私に言わせれば、あれはパーティーリーダーが悪いがな。メンバーが五人になり、しかもセレーラが種族的にレベルの停滞期に入りかけていたのに、周囲の期待に流されて先に進んでいってしまった。決して口にはしないが、セレーラも本当はわかっているだろう」


 はっきり言ってしまえば、あのリーダーは無駄に周りに気を使いすぎる八方美人な男だった。

 その点周囲のことなど気にも留めぬ狂子であれば、安心できる部分もある。それ以上に不安は大きいが。


「そんなことがあったのですか……それで『氷鬼』と」


 話を聞き終えたシグルの言葉の響きは、感嘆とも諦観とも取れた。


「わかっただろう。そもそもお前に(ぎょ)せるような女ではないのだ、あれは」


 それは誰に向けた言葉だったのか。


 ともかく再び泣き出したシグルを、ヴォードフとクリーグが連れて退出していった。涙を汗に変えるのだと言って。

 間違いなく臭くなるので、今日はもう全員部屋に来るなと言っておいた。


 部屋に私とサバスティアーノだけになり、気が抜けて長い長いため息が漏れた。

 ……私も今日は酒でも飲みながら軽く腹を満たして、さっさと寝てしまおう。


「かくて思い出の青き花は、余人に摘まれり……と」


 後にも先にも、あれほど何者かを畏怖したことはない。


 そして……あれほど何者かを美しく思ったことも。


 誰よりも泣きたいのはこの私だ。

 ……妻たちには決して言えぬが。


 椅子にもたれて天井を見上げる私の前に、サバスティアーノがゴトリとなにかを置いた。酒瓶とグラスだろう。


「さすが、気が利くな……ん? そなたも飲むのか?」


 見れば向かいに、もう一つグラスが置かれていた。


「ご相伴にあずかってもよろしいですかな」

「もちろん構わんが、珍しいな」


 普段私が誘っても、滅多に付き合わぬのに。

 ……いや、まさかな。


「セレーラ様と初めてお会いしたのは、一人目の妻に先立たれてしばらく経った頃にございましたので」

「んな…………そなたもか!? 全く気づかなかったぞ」


 底知れぬ爺はホホホと笑いながら、ソファーに座って酒を注いだ。

 そして持ち上げたグラスに、私も続いた。


「では、青春の終わりに」

「罪作りな女の門出に」


 ────乾杯。




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