3-5 絡まれた
俺たちが地上に戻ったとき、すっかり日は落ちていた。久し振りに本物の太陽を拝めると思ったのに。
帰還してきた者が出てくる水晶は、突入用の水晶と太さは大差ないが、高さは周りを囲む三階建てのダイバーズギルドと同じくらいだった。
ときおり水晶の一つの面が波打ち、ダイバーがヌルッと出てくるのはちょっと面白い。水晶を鉄板とかで覆ってみたくなる。
どうやら帰還ピークに当たってしまったらしく、ギルド内はダイバーでごった返している。
どこに並ぼうかウロウロしていたら、突然大きな声が上がった。
「げっ! 生きてた!」
何ごとかと思って見てみれば、ピンクの髪をした受付嬢がこちらを指差して騒いでいる。俺たちのことだろうか。
「あの子どこかで見たことあるような……」
「どこかもなにも、ここでマスターが泣かせた子ですよ」
そういえばそんなこともあったな。
「主殿の人嫌いの片鱗を見た気がするな。泣かせたときも、彼女に一片の価値も見出だしていないような、恐ろしく冷たい声色だったからな」
「マジか。全然意識してなかった」
いかんいかん。今は護衛ポジションにいるルチアは笑っているが、あんまり狭量な主では愛想をつかされてしまう。寛大な心を有していることを見せつけなければ。
そう考え、俺を抱っこしているニケに指示してピンク髪の列に並ぶことにした。
ようやく俺たちの順番になり、膨れっ面のピンク髪の前に立った。
「……なんで生きてんの」
ずいぶんなご挨拶である。
だが今の俺は仏なのだ。広い心をもってしてすべてを受け入れるのだ。
「潜層階層の確認をお願いしますね」
「やだ。他のとこ並べば」
…………真一はえらい子。我慢できる子。
「先日はお互い行き違いがあったようで不本意な結果に終わりましたが、ここは一つ水に流しませんか。大人らしく」
「はあ? ガキがなに言っちゃってヒイィッ!?」
仏の顔も三度まで。
俺は一瞬だけ、目を合わせれば呪われると近所で評判の〈第三の目〉を発動させた。
腰を抜かして後ろに倒れたピンク髪は棚にぶつかり、自分の頭に書類の雨を降らせた。
「どうされました?」
「めっ、目が、目が!」
震える指でピンク髪は俺を指し示す。漏らしてはいないようだ、残念。
それにしてもなんでこんなやつが受付嬢なんてやってんだ。ここはこの国でダイバーズギルドの顔とも言える場所だろうに。
「僕の目が利発そうな上に愛くるしいことについてですか?」
「ちっ違う! そうじゃなくて……」
「ピージさん、またあなたですの! いったい何度言えば……っ!?」
おお、この喋りは。
声のした方に顔を向けると、超早足でセレーラさんが向かってきていた。
俺たちの前でビタッと止まると、なびいていた縦ロールがみよんみよん揺れたあと定位置に収まる。
「皆様ご無事でしたのね!」
ピンク髪のことなどすっかり忘れた様子で、セレーラさんのきつめの顔が安堵で綻んだ。
「ご心配をおかけしたようで」
「心底心配しましたわ……誰に聞いても皆様が戻ったのを見ていないんですもの」
なんと。覚えていてくれただけでも嬉しいのに、これほど気にかけてくれていたとは。
セレーラさんは今度は心配顔で、身を乗り出して俺たちの体を見回している。
「すみませんでした。でもこのとおり怪我もなく戻ってきました」
「そのようですわね……本当によかったですわ。でもあまり無理をなさらないでくださいまし」
「あはは……前向きに善処させていただきます」
次は四十階層から一気に行くし一層一層にも時間がかかるだろうから、今回の比ではないほど長期間潜ることになるが。
俺の後ろ向きな返事を聞いて、ジト目になったセレーラさんもかわいいじゃないか。
「……では潜層階層を確認させていただきますわ」
セレーラさんの後ろで所在なさげに立っているピンク髪に見られないように、金属の板切れでできた魔道具を出した。
ニケもダンジョンから出るときに〈無限収納〉から取り出したから、ちゃんと記録されている。
それらを一目見て、セレーラさんは息を飲んだ。
「っ! ……少々お預かりしますわ」
さすが副ギルドマスター。すぐに持ち直し、平然とした態度で奥へと歩いていった。
「おい、そこのガキ!」
あんまり深く考えずにピンク髪のところに並んでしまったが、この女が見てたら大騒ぎしていただろう。セレーラさんが来てくれて助かった。
「聞こえねえのか、クソガキが!」
ん? なんか騒がしいな。
ダイバーたちはこっち見てるし。
「無視してんじゃねえぞ、このガッ、てめえなにしやがる!」
「主になにか用か」
あれ、ルチアの声。
どうやら俺が呼ばれていたようだ。新人の子供が絡まれるテンプレでもやってるのかと思ってた。ニケも無反応だったし。
ニケが振り向いてくれたので見てみると、ルチアがマッチョマンと対峙していた。ルチアが突き飛ばしたのか、マッチョはたたらを踏んでいる。
俺の筋肉を見ろ! って感じの、露出過多な服を着てる汗臭そうな男だ。その左右には取り巻きらしいヒョロヒョロの男が二人いた。
「げっ、狂犬ゴドーかよ」
「あのガキたち『リースの明け星』に目をつけられるとか、なにやったんだよ……」
周りのダイバーはかなり距離を開けて、ひそひそやっている。マッチョは結構有名なヤツのようだ。
しかし狂犬かあ。いついかなるときでも理性的な俺には縁遠い二つ名である。
「僕になにか?」
「気づくのがおせえんだよ、ガキが」
「はあ。で、僕になにか?」
「てめえピージを泣かせたらしいな」
「ピージというのはどなたでしょう」
「そこにいるだろうが!」
マッチョが指差す方向を見れば、いたのはなぜかニヤニヤしているピンク髪だった。
そういえばセレーラさんがそう呼んでた気がする。
「そうですね。先日行き違いがあったようで不本意な結果となりましたが、先ほど大人らしく水に流しました」
「はあ? アタシ許してないしー」
ちっ、喋んなアホ女が。さっきまでマナーモードでブルブル震えてたくせに。
「だそうだぜ。てめえこの落とし前どうつけてくれんだ、ああ?」
マッチョは指ポキ首ポキして凄んでいる。でも首ポキはあんまり健康によくないからやめた方がいいと思う。
「どうしてあなたが関わってくるのかわからないのですが、恋人さんかなにかですか?」
「恋人だあ? はっ、なにも知らねえみてえだな、ガキ。ピージは俺ら『リースの明け星』の専属受付嬢だ」
「ますますわからないのですが、専属受付嬢ってなんなのですか? そのことと僕が彼女を泣かせるとあなたのパーティー……『リースの明け星』ですか? そちらが出てくることと関係があるのですか?」
そう尋ねると、マッチョと取り巻き二人はでかい声を上げて笑い出した。あとピンク髪も。
「バカね、アンタ。『リースの明け星』は六十二階層までいってるリースのナンバーツークランよ。ゴドーくん、このガキやっちゃってよー」
笑い終えたピンクが自慢気に教えてくれた情報で理解した。
このアホ女は、そのクランに気に入られてるから受付嬢やめさせられてないんだな。で、このマッチョは難癖をつけてタカリにでも来たわけだね。
「任せとけや。つってもまあ俺も鬼じゃねえ。そうだな……」
ルチアとニケを見て舌舐めずりしたマッチョが、ルチアの胸に手を伸ばす。
いい音を立てて、思いっきりはたきのけられたけど。
「くっ、このアマぁ!」
自分でちょっかい出してきて防がれてキレるとか、ウザすぎるにもほどがある。
「六十二ですか! すごいんですねー。あなたはそんな深くまで潜っているんですかー」
頭は悪そうだけど能力は大したものだし、とりあえず称賛して気分よく帰ってもらおうと思ったのだが……マッチョはフリーズして顔をひきつらせた。なるほど。
「あっ、ごめんなさい。あなたが六十二まで行ったわけではないんですね。それをまるで自分の手柄のように大きな態度を取れるなんて、仲間の威を借るとても情けない方……あ、間違えました、とても仲間思いの方なんですね」
「てんんめえ!」
おお、青筋ビッキビキ。ヤンキー漫画でもこれほど見事な逸品は見たことがない。
「なにをなさっているんですの!」
マッチョを必死で取り巻きがなだめているのを見ていたら、セレーラさんの一喝が響いた。
「ゴドーさん、ギルド内で問題を起こすのは控えていただくよう言ったはずですわ」
「アンタは黙ってろ! ダイバー同士の揉め事に首を突っ込まないのが、ギルドの原則だろうが!」
マッチョが取り巻きに押さえられながら吠えてるのを聞いて思い出した。そういえばダイバーになるとき、セレーラさんがそんなこと言ってた。
あとはたしか……ギルド内で起きたことには、よほどでない限り街の衛兵などは手を出さない治外法権みたいなものだとかも言ってたな。
なんだ、それなら手っ取り早く済ませられるじゃないか。
「ルチアやれる?」
「問題ないが、いいのか?」
「うん、もうめんどくさい」
「了解した」
ルチアもうっとおしく思っていたんだろう。
背中越しにククッと小さな笑い声を俺に届かせた次の瞬間──拳をマッチョの横っ面にめり込ませていた。
打ち下ろしの右。
そんなに身長は高くないが、大きく体を使ったルチアのパンチでマッチョは床に叩きつけられ、バウンドして縦回転。
おまけで取り巻きも巻き込まれて転がった。
その光景に周囲の喧騒がウソみたいに消え去り、外を走る馬車の音にギルド内は支配された。
マッチョは起き上がってこないが、うめいてるからちゃんと生きてる。さっき接触して、ルチアは大体マッチョの強さがわかってたんだろうね。
初めからこうすればよかった。
静寂のギルドに、ニケの涼しげな声が響く。
「ルクレツィアも徐々に貴方に毒されてきましたね」
「毒されているなど失礼ではないか、ニケくん。俺はただ理性的かつ合理的に物事を進めているだけだ」
「なっなっ……なにをしてくれちゃってますのーーー!?」
すぐさまセレーラさんに、行きにも使った説教部屋に連行された。
おかしいな、ギルドは首を突っ込まないんじゃなかったの……。
「信じられませんわ……なにをしたかわかってますの」
連れ込まれた説教部屋。テーブルを挟んで向かい合って座るセレーラさんに、俺は心からの反省の弁を述べた。
「ムシャクシャしてやりました。今は反省しています」
「棒読みが過ぎませんかしら!? そう言って本当に反省している方を私は見たことがありませんし。というかそういうことでは……いえ、それもありますけれど、相手は『リースの明け星』ですのよ」
セレーラさんは眉間にシワを寄せ、こめかみを押さえた。
こんなにセレーラさんを悩ませるなんて、『リースの明け星』許すまじ。
「マスター、セレーラを悩ませているのはマスターです」
「ええっ!?」
「なにを驚いてますの……そしてなんで今度は笑ってますの」
だって俺を膝に乗っけてるルチアが、体のあちこち撫でてくるからこしょばゆくて。
「全然反省の色が見えませんわね……」
口もとをひくつかせるセレーラさんを見て、ルチアはハッとして俺から手を離した。
「すまない。触り心地がいいので、つい。だがいきなり女の胸を掴もうとしてくるような輩、成敗して当然だと思うが」
「うんうん。セクハラダメ、絶対」
なんでルチアちゃんはお尻をつねるんだろう。
「あの男、そんなことをしようとしてましたの。許せませんわね……って、ですからそうではなく相手が問題なのですわ」
「その『リースの明け星』というのはそれほど力があるんですか?」
「ありますわね。到達階層はこの街で二番手となってはいますけれど、クラン人数は断トツで多いですわ。ですから戦力はもちろんのこと──」
「街にも顔が利くというわけですね。それじゃあいろいろ妨害とかされるかもしれないですねえ」
ハァ、めんどくさ。
ため息をつく俺を、セレーラさんが目を見開いて見ていた。
「なんでしょう」
「いえ、ごめんなさいませ。見た目通りの年齢ではないのでしたわね」
「こう見えて夜もすごいんですよ!」と言ってやりたい。
「こう見えてマスターは夜も凄いのですよ」
ニケが言ってくれた。
「すっ、すごいんですの!? ……ちっ、違いますわ! そんなこと興味ありませんわ!」
なんだなんだ顔赤くしちゃって、セレーラさんもショタボディに興味津々じゃないか。
試しに前屈みになって、ダボダボお手製Vネックから、薄いショタ胸を見せつけてみる。
おお、チラチラ見ている。ふふふ、よーく見てごらん。もしかしたら初々しい色をした突起も見えるかもしれないぞ。
ゴクリとセレーラさんの喉がなったのを機に、俺は体を起こす。生殺しにして悶々とさせてやるのだ。
「それでセレーラさん」
「あっ、はい。なんですの……」
「『リースの明け星』の拠点はどこなのでしょう。クランハウスとかあるのですか?」
セレーラさんの表情が、残念そうな顔から一気に眉を寄せた怪訝なものに変わった。
「……聞いてどうするんですの」
「やられる前にやろうかと思いまして」
セレーラさんは頭を抱えてしまった。
ここまでセレーラさんを悩ませるとは……『リースの明け星』まじ許さんどー。
「マスター」
「まさかまた俺が悩ませているの? ある意味悩殺してはいたけど」
「いえ、そうではなく。さすがに正面から相対するのはまだ危険では」
「ふむう、確かに六十二まで潜ってるパーティーもいるしなあ」
「やるのであれば闇討ちの方がいいと私も思う」
「ルチアもたくましくなってきたな」
「主が主だからな。私だってあなたのやり方に合わせていくさ」
「うむうむ、苦しゅうないぞ」
あはははは。
「お願いしますわ、お願いしますから大人しくしていてくださいませ」
朗らかに笑う俺たちと対照的に、セレーラさんは泣きそうな顔をしていた。
しかし、そう言われてもなあ。
「無理です。僕は好きに生きていくと決めているので」
聖国を出るときにそう決めたのだ。
「そうですね。私はそのための剣ですから」
右に座るニケが、俺と手を絡め合わせて微笑む。
左手を包んで熱を与えてくれるのはルチアだ。
「なら私は盾というわけだな」
頼りにしてるよ、二人とも。
セレーラさんは眩しいものを見るような、でもどこか寂しげに遠くを見るような目をしていた。
彼女には無くしたものがあるのかもしれない。そう思えた。
「まあセレーラさんがどうしてもと言うのであれば、『リースの明け星』にこっちから手を出すようなことは控えてもいいです。すべてはセレーラさんのために」
「物すごく恩着せがましいですわね……ハァ、よろしくお願いしますわ」
そう言って話を一度打ち切ったセレーラさんは、金属板魔道具を俺たちの前に出した。
階層数が浮かび上がっている面の左上には、小さく「C」と書かれている。
「これで皆様はギルドにC級であると認められたことになりますわ。今後これを見せれば、各街の入街料は無料となりますけれど……こんなの前代未聞ですわ。一度でここまで潜るなど。まさか皆様がこれほど優秀だとは思っていませんでしたわ」
「色々秘密があるので」
「……やはりB級にならないようにここで止められたのですわね」
ダイバーになるときにあれだけ色々聞いてれば、さすがに秘密を守るために止めたことはわかるか。
眼光鋭く、碧眼が俺を射抜く。
副ギルドマスターとしての貫禄を感じさせるセレーラさんもステキ。
「安心してください。別にこの先に進まないというわけではありませんよ。次に行くときは四十階層を攻略してくるつもりです」
ウソは言ってない。
「……わかりましたわ。本来ダイバーの進捗に対してギルドがあれこれ言う権利はありませんが、こうまであからさまですと騒ぐ方もいらっしゃいますの。ただ、くれぐれも無茶はお控えくださいませ」
「はい。お気遣いありがとうごさいます」
ここで止まったら、無理やりB級に上げようとしたりする人もいるのかもしれない。
副ギルマスのセレーラさんがこう言うってことはギルマスとかかな? 面倒な相手でないといいんだが。
「では最後に、皆様への処罰になりますが」
「えっ! なぜ!?」
「当然ですわ。ギルド内での暴力行為ですもの。こちらとしてもおとがめなしとはいきませんわ。これはダイバー同士の揉め事にギルドが関わらないのとは別の話ですわ」
「むぐぅ」
なんという二枚舌。
俺が後頭部の膨らみにぐりぐりとやるせなさをぶつけていると、セレーラさんの表情がふっと和らいだ。
「ですがゴドーさんの態度にも問題がありましたし、それに……責任の一端がギルドの者にあったのも事実ですわ」
「ああ、えっと……ピーチさんですか」
「ピージですわ。彼女のことについては、こちらも申し訳なく思っていますけれど……」
「この街のナンバーツーに気に入られているのでは仕方ないですよ」
それはつまり、この国でのダイバーのナンバーツーに等しいのだから。
ピージが調子に乗るのもわかる。
「本当に申し訳ありませんわね。しっかり注意しておきますので」
「はい、よろしくお願いします。そういえば専属受付嬢ってなんなのでしょうか」
「そのような制度はありませんわ。あのクランのリーダーが、メンバーをピージさんのところに並ばせるようにしているだけですのよ。そのせいでよく問題が起こってしまって……」
専属だから、とか言って順番を割り込んだりとかは普通にやってそうだ。
「皆様はもう彼女のところには並ばない方がいいですわね。他の方のところに……いえ、これからは私がいるときは、私が応対させていただきますわ」
「それは願ってもないことですが、いいんですか? お忙しいのでは」
「構いませんわ。あなたは目を離したら毎回騒動を起こしそうですもの」
セレーラさんはそう言ってフフッと笑うのだが……。
「こちらとしても、騒動を起こしたくて起こしているわけではないのですが」
「水晶を破壊しようとしておいてよく言いますわね」
「あれは仕方のないことです。物を投げたら落ちてくるのと同じくらい極めて自然なことであり、僕のせいではありません」
セレーラさんだけじゃなく、ニケまで俺を白い目で見ている。背後からはため息が首もとに吹きつけられる。
なんでよ、さっきキミたち俺に好きに生きていいって言ったじゃない。
「そ、それで、どのような罰を受けるのでしょうか」
とりあえず逃げの一手を打つと、セレーラさんは少しのあいだ縦ロールをくるくるいじっていた。
いいなー、俺もいじり倒したい。縦ロールを吸ったり揉んだりしてヒィヒィ言わせてみたい。
隣のニケが一生懸命長い髪を棒に巻いて縦ロールに挑戦する中、セレーラさんがポンと手を合わせる。
「……そうですわね。ちょうどいいのがありましたわ」
そして告げた罰は、ちょっと意外な内容だった。




