これは、世界を救い続ける戦い
この世にはまだ誰も知らないことが数え切れないほどあるように、
俺達が世界を救い続けていることを誰も知り得ることはないだろう。
幸いだったのは、一人ではなかったことだ。
困難にぶつかっても、支え合える仲間がいたから、戦い続け、勝つことが出来た。
まるで英雄のような人生、
ゲームでいう設定であれば、現実に憧れる運命であろうが、やはり実際にそうなると後悔することもあった。
痛みを知った。
苦しみを知った。
そして命を知った。
世界とは広く、未知で、そして美しいものだと実感させられた。
いつかこの戦いに終止符が打たれることを俺達は願い続ける。
この世の終わりまで。
ある施設の地下、暗闇の中を機械の液晶画面からの光だけが漏れている。
研究施設であろうか、僕にはそれを知り得る権限も持たないのだが。
ただ一つ、手に取ったその書記はおびただしい量の記録、
地獄とも呼べる戦いの中を生き抜いてきた彼らとその関係者、
出会いと別れ。
まるで作られた物語のような、信じられないものばかりが書き込まれている。
ここは彼らにとっての休息の場所なのだろうか。
そんなことを思っていると、腕にブルっと震えるような不快な感覚を覚えた。
もう時間のようだった。
「終わることのない英雄の戦い、世界を救い続けるのが使命であるとするのならば……きっとそれは……」
あぁ、それはきっと、
残酷なことなのだろう。