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プロローグの3

「さて、これから決めてもらうのは、初めに種族、そのあとに体力や魔法適正などの所謂ステータス、最後にスキルやアビリティを決めてもらいます。では、まずは種族から決めてもらいますね。魔族や魔物、動物を除いた種族は、人・エルフ・ドワーフ・獣人・竜人を、まとめて人種と呼んでいます。その中に細かい区分けはありますが、まずはこの5つから決めてください。」


「いや、俺決めらんないじゃん、サイコロじゃん!」


「ふー、いいですか?そもそもあなたは日本人の夫婦から生まれ、男として生を受け、日野悠一という名前を得たわけですが、この中に一つでもあなたが決めることができたものはありますか?ありませんよね?転生ではなく転移ですが、種族等々をどうしても他人の手に委ねたくないと仰るから特別に決めさせてあげているんですよ?本来、これらは神の領分なのですから。どうしても納得できないのなら、生き方まで神の呪いで縛りつけて転移させますが?あ、私としてはそのほうが楽ですね、さっさと死なれても困りますから。だんだん問答も飽きてきましたしね。さて、どうしますか?」


「う、く、わ、わかった。振る、振るよ・・・。」


くそ、なんて理不尽なんだ・・・・。


「神なんて、大概そんなものですよ。さ、サイコロを振ってください。私もランダム要素は嫌いではありませんから。サイコロ振って、私を楽しませてください。あなたも、ゲームのキャラクターのステータスをサイコロで決めて、偏った結果が出たときに「あー、こんなんなったかー」って言いながら笑っていたではないですか。いまの私はそんな気分ですよ。」


だから、それは俺自身ではなくキャラクターだから笑えてるんだ!俺自身の結果で偏りまくってたら笑えねえだろ!

・・・ええい、これ以上の会話は無駄か。


「わかった、振るよ。サイコロよこせ。」


「心は決まったようですね。では、どうぞ。」


手元が光り、駄女神の持っていたサイコロが10面ダイスになる。

そして、俺自身がぱぁーと光り、丸い形から人の形に変化する。腹も出てるし、精神で出来た俺自身の借りの体ってところか。

俺はサイコロを受け取り、握りしめる。手に汗握るな、まったく。握ってるのはサイコロだし、精神体だから汗も搔かないんだけどな。


「さっき言った種族の順番で、12,34,56.78,90ですよ。」


「OKだ。よし、行け!」


掛け声とともに、サイコロを投げる。細かい種族の内訳があるのなら、この5種族の中での好き嫌いは特にない。あ、ひげもじゃのドワーフは勘弁願いたいから、34以外来い!


カンッ コロコロコロ・・・


結果は8、獣人だな。

ん?待てよ、獣人ってもしかして俺が思ってるのと違って、西洋式全身毛むくじゃら獣人じゃないだろうな!?


「いえ、あなたが思っていたほうの獣人のイメージでだいたい合ってますよ。基本的には耳としっぽですね。」


そうか、よかった・・・。全人毛むくじゃらになるのも嫌だし、そんな女性も嫌だ。耳と尻尾だけもふもふしたい。

俺の小さな願望はまだ生きている。あっちの世界で、獣人の女性に会うことが前提だけど。あと、触らせてくれる人がいるかどうか・・・いや、これ以上の想像はやめておこう。


「さて結果は獣人、ですか。ふむふむ。どうやら私が決めた鼠族になる結果もまだありますね。そうなったときのあなたの感情に期待をしておきます。では獣人の種族分けですが、犬・狼・狐・猫・獅子・鼠の6種族ですね。」


また、基本的にはどの種族になっても今の体よりは丈夫になるそうだ。鼠人になったとしても、と余計な注釈も入れられたが。ぜってー鼠以外の目を出してやる・・・。

また手元が光り、今度は6面ダイスに変化する。


「今の順番で、1から6ですよ。」


「すー、はーー。よし、鼠以外で、行け!」


祈りよ通じろ!!!


カンッカンッ コロコロコロ・・・


「・・・・残念、狼ですね。」


いよおおおおおおおおおおおおおおおおおおし!!!はっはー!やってやった!1/6の鼠回避してやった!!!見ろこの駄女神のがっかりした顔!お前そんなに俺の鼠だった時の表情見たかったわけ!?ドン引きだわ!


「私をここまで困らせた人間ですからね。悔しがる顔くらい見たくなるというものです。」


「なんにせよあんたの決定した鼠という結果は覆してやったぞ!」


「まぁいいでしょう。こういうこともあります。サイコロは公平ですからね。」


とか言っちゃって悔しそうですなぁ、おいしいですなぁ。はっはっは。

いや、もしかしたら竜人とかなって、ドラゴン化とかも夢見たけど、まぁしょうがないわ。そんな能力あるかどうかも知らないしな。癪だけど、サイコロ振ったのは俺だし。それに、鼠にならなかったってことは、サイコロに細工がされていないことの証にもなる。


「では次にどの狼族かを決めましょうか。体毛の色で、赤・青・緑・白・黒の5種類ですね。また順番に10面ダイスでサイコロ振ってください。」


「んー、白か黒がいいなぁ。赤青緑とか目立つだろ・・・。」


また手元が光り10面ダイスになる。


よし、それ!


ポイッ コロコロコロ・・・


結果は4、青だ。せいろう、かな?せいろうぞく、青狼族でいいのだろうか。


「ええ、それで合っていますよ。ではいよいよステータスを決めていきましょうか。ちなみにですが、私は鼠族に決定した後、ステータスは平均値にしていました。」


「いやいや、そこまでやったんならサイコロ振れよな。もう反映させないけど。」


さて、ステータス決めか。種族決めより、ここからが本番、ってところだな。あー、緊張する。

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