第23話 願い事、たった一つだけ
#23
(――もう泣かないで、アル。ボクはもう、全然、大丈夫なんだから)
蘇る遠い日の記憶。
姉の優しい声が、耳の奥で響く。
あの日、子供達だけで街はずれまで遊びに出かけた自分は、野犬の群れに囲まれ、初めて”死”を意識するような危険に直面した。
そこに、どこで拾ってきたかもわからないスコップを手に、駆けつけてくれたのが彼女――サファイア姉ちゃんだった。
自分達を後ろに下がらせて、一人、野犬に立ち向かう姉の姿は、いまも鮮明に覚えている。
何とか野犬を追い払った時、姉の綺麗な白い肌には幾つも傷が残されていた。
(ごめん……姉ちゃん、ごめん……!)
(へーき、へーき♪)
自分達のせいで、ケガをしたに等しい姉に泣きながら謝る自分達に、彼女は優しく笑み、力こぶを作るようなポーズでおどけてみせていた。
どこまでも優しい人なんだ。
強い、人でもある。
何かに悩んでいても、苦しんでいても、困っている誰かの手を掴むその手は、力強く、温かい。
彼女が――選ばれた”救世主”だと言うのなら、そうなのだと思う。
そう、なのだと思う。
「そうなの、かな……」
……いや、いや違う。
彼女は”そんなもの”じゃない。
彼女は――、
「クッ……!」
白銀の機甲を纏った姉が、目の前を跳ね飛ばされていく。
『鎧醒』はかろうじて維持されているといっても、指先までボロボロの鎧には、もはや戦闘を継続するだけの余力はないように思われた。
だが……だが、それでも姉は、麗句=メイリンの鎧装に組み付き、その度に跳ね飛ばされながらも、果敢に挑み、戦闘という名の”対話”を続けていた。
「”救う”とは――大きく出たな、サファイア・モルゲン!」
凛と、戦意に磨ぎ澄まされた声音が、鼓膜を震わせる。
麗句が発動させた”魔女の吐息”の影響で、概念干渉は全て無効化され、純粋な肉体の、戦闘技術の競い合いでしか決着は付かない状況となっている。
だが、互いに疲労が蓄積し、五体満足とはいかない現状にあっては、それもささやかな状況の一つに過ぎない。
気力と矜持と信念。
勝負をわける要因があるとしたら、恐らくそんなものでしかない。
「だが、私は、私の心は、魂は、そのようなものは欲していない。私が欲するのは、アレを繰り返さぬ、繰り返させぬ”未来”――。この”黒い鋼”に誓ってな!」
無残に最期を迎えた”友”達の血肉によって黒く染まった鎧装が躍動し、なおも己に取りつこうとする、白銀の機甲を蹴り飛ばす。
だが、心の臓を破るようなその一撃を受けてもなお、少女の心は折れなかった。
その踵は踏みとどまり、その手は黒の脚甲を掴む。
「”罰”を求めて、”罪”を重ねても……終わりなんかないよ」
「何……?」
砕けた機械的な仮面からわずかに覗く、蒼い瞳が麗句を見据え、告げる。
「ボクには、あなたがあの”悲劇”を繰り返さないために、自分を貶めているように思える。世界を変えるって気持ちとは別のところで、あなたは……自分を無理矢理、黒で塗り潰してる」
そう、感じる。
己が過去を見せた少女の言葉に、”女王”の動きが僅かに止まる。
それをさせたのは、感傷か、悔恨か。
「……知った風な口を利く。まぁ、”知った”のだから当然かもしれんな。だが、それも所詮、美辞麗句――」
脚甲を掴む少女の指を、膝蹴りのような形で振り払い、麗句は黒々とした鉄爪を躍動させる。
「冥府の鈴を鳴らすだけだ……!」
鉄爪が鎧装を削り取り、少女の皮膚を容赦なく掻き毟る。
鋭い痛覚とともに、鮮血が視界を舞い散るが、少女は微動だにせず、あえて続く一撃をも、その身に受け止めた。
一撃、二撃、三撃、四撃。
容赦なく重ねられる連撃も、無抵抗のまま、その身に受けた少女に対し、麗句はその苛立ちを舌先に乗せる。
「貴様……っ!」
ガッ、と。
鈍い衝撃が、鎧装を通し、伝わる。
「………!」
相手に、ではない。自分に、だ。
鉄爪が届くより先に、交差した白い拳が鷹の貌を模した仮面を揺らしていた。
鼻骨を圧し折るような、強烈な拳だった。
脚甲を掴んでいた少女の手は握られ、いま拳となって構えられていた。
「……そう、なんだね」
(なっ……)
罅割れたレンズの中に、対峙する鎧装の御姿が映し出される。
”神幻金属”で鋳造された鎧装は罅割れ、砕け、大きく亀裂を走らせた機械的な仮面は、割れたバイザーの奥に蒼い瞳を覗かせている。
溶け、捻じれたようにひしゃげ、ボロボロとなった腕部鎧装は、その内部に在る”聖翼の光剣”を二度と羽搏かせる事はない。
白銀の脚甲も、亀裂が裂傷のようにささくれ立ち、剥がれ落ちそうな程に疲弊している。
少なくとも、天女のように軽やかに舞う姿をそこから想起する事はできない。だが、
(何故、だ……)
そんな、そんな鉄屑のような鎧装を前に、麗句は――”怯む”自身を認識していた。
後退る――そんな自分の動作を彼女の踵が感知する。
(麗句……メイリン)
そして、”女王”の頑なさを悟った少女は、”説得”の手段を覚悟する。
届けるために、今一度、拳を握ることを。
少女は、”託されたもの”を一つも零さぬよう、その手の中に強く握り締める――。
「――わかった。言葉が通じないのなら、”心”で殴るよ」
「………」
凛と芯の通った、無垢な決意が心を撫でた。
(……本当に、強い少女だ)
己を見据える、澄んだ蒼い瞳に、麗句はそう実感する。
多くの穢れを見てなお、真っすぐ、前を見ることができる――。
アレを見て、まだ”理想”を語ることができる――。
そんな娘だ。尚更、潰さなくてはならない。
こんな娘の手に”奇蹟”が握られていて良いわけがない。
それはいずれ――、
「……了解した。ならば私も晒そう。堕ちた魔女の、”ありのままの”姿を――」
【――”戦騎解放”――】
黒の鎧装から不穏な電子音声が鳴り響く。
疲弊し、罅割れた一部の鎧装が、老化した皮膚が剥がれ落ちるように、排除されていた。
そして、麗句の指が鷹の貌を模した仮面を掴み、その内部にあった、”鎧装の素顔”とでも呼ぶべき”もう一つの仮面”を露出させる。
(なっ……)
サファイアはその仮面の美しさに息を飲んでいた。
古い神話に語られる、戦場において死を定め、勝敗を決するという戦乙女。
その乙女が纏う仮面があるとすれば、こういうものかもしれない――。
自らのものと同じく鋭角的なパーツで構成された、その仮面は少女にそのような感想を抱かせた。
美貌の化身たる麗句には、相応しい装束、容貌と言える。
「”魔女の吐息”と”戦騎”モードの同時解放。――誇るがいい、”剣鬼”の坊や辺りが相手でもない限り、ここまでの事はしない」
魔女は笑み、その踵を鳴らす。
「踊るぞ、”救世主”――」
「……!」
瞬きすら許されぬ程の一瞬。
麗句の踵が岩肌を蹴ると同時に、美麗なまでの造形を持つ黒の鎧装が、複数の残像を伴って少女を包囲する。
分身したかのような――『鎧醒』によって得られた”超感覚”でも捉えられぬ程の速度で躍動した麗句の肢体は、遠慮なしに少女の身体を蹴り飛ばし、その手にした”朽ち果て呪われし聖槍”で、アルファノヴァの白銀の鎧装を裂き、貫いていた。
どこか内臓を損傷したのか、口内には血の味が満ちる。
「くっ……!?」
罅割れ砕けた機甲を密集させるように、両腕を重ね、身を丸める事で少女は、嵐のような連撃をかろうじて受け流す――。
麗句の攻撃には一切の容赦がなかった。
少女を平伏させるために、反撃の余地を見出せぬ程の苛烈さで、ボロボロになった白銀の鎧装をより粉々に、サファイアの柔肌を覆う”強化皮膜”が露出する程に、打ち砕いていた。
その様はまさに巨大積乱雲。
あらゆるものを飲み込み、砕く竜巻だ。
だけど、それは――、
「……やっぱり、だ」
「なっ……?」
予期せぬ手応えに、麗句の戦乙女の仮面から驚愕の声が漏れる。
少女の手が、自らの鎧を砕き、肌を抉らんとした槍の矛先を捕らえ、掌底のような型で弾き飛ばしていた。
――その一撃で、かろうじて”再機醒”を果たしていた”朽ち果て呪われし聖槍”は砕け、細かな金属片となって、黒の鎧装の中に吸い込まれる。
「貴女には、ボクを殺す意志はない――全ての攻撃は”急所”を外してる。ボクの中にインストールされた”戦闘技術”だけで捌けるくらい、正確に」
「…………」
圧倒しているはずだった。
二人が対峙してから、もっとも優位な時間がいまのはずだった。
だが、少女の蒼い瞳はこれまでで最も強く、麗句の心を射抜く。
「貴女こそ――ボクを殺さずに”幕を引ける”と考えてる。そんな優しい人に――!」
「黙れ――!」
少女の言葉から耳を塞ぐような声音が、麗句の喉から漏れていた。
感情とともに乱雑な軌跡を描く鉄爪が、少女の肌を裂き、鮮血を散らす。
「負けない……! 絶対……!」
だが、数百の戦場を生き抜いてきた”女王”も呆れるほど、この少女もまた頑な。
伸ばすその手に、迷いなどなかった。
「……すごい……」
アルと共に状況を見守っていたガブリエルは、感嘆と驚嘆にその喉を震わせていた。
あの”麗句=メイリン”を相手に、五分の状況を作り、”説得”すらも試みる。
とても、”仮初の適正者”に成し得る事ではない。
麗句=メイリンの名は、創世石の護り里――ガブリエルの故郷である”ラ=ヒルカ”にも轟き、本来であれば、創世石を護る役割を持つ”麗鳳石”を所持する、最も”畏れるべき敵”として認識されていた。
その彼女に、この辺境で出会った一人の少女が肉薄し、勝負の行方が読めないというところまで追い込んでいる――。
そして、そこに至ったのは、創世石の、鎧装のスペックゆえではない。
この”結果”は、彼女の人間としての”想い”、力ゆえのものではなかったか。
「本当にすごい……彼女こそ本当の”救世主”かもしれない。本当に”創世石”を正しく扱い導く、真の担い手――」
例え、”本来の適正者”ではないとしても、そう信じられる。
自分は、”ラ=ヒルカ”は彼女に”創世石”を届けるためにあった。
そう実感できる。
サクヤ達の、去ってしまった人たちの想いすら鎧として背負って立つ。
そうだ、彼女こそが――、
「……そんなんじゃないよ」
「えっ……?」
己の感動を素直に言葉としたガブリエルは、隣に立つアルからの意外な言葉に、思わず目を丸くする。
そんなガブリエルにアルは、麗句=メイリンへと、がむしゃらに手を伸ばす姉を見つめながら、言葉を続ける。
「上手く言えないんだけど……たぶん、姉ちゃんに当てはまる言葉はもっと他にある気がするんだ。あの鎧を着た姉ちゃんは確かにすごいけど、姉ちゃんはずっと前から、俺が会った頃からああだったから……」
言葉を紡ぐ度に、野犬の群れから助けてもらったあの日の思い出が、彼女と出会ってから、これまでの軌跡が、アルの胸に蘇り、溢れた。
同時に堪らず潤んだ瞳を、泥と埃に塗れた手がごしごしと擦る。
見るんだ、しっかりと。
涙なんかで曇らせちゃいけない。
「姉ちゃんは……ちゃんと相手の心を見て、その人が泣いてたら、真っすぐ向き合って一緒に悩んで。何にでも一生懸命で、力が入りすぎて、お皿割ったり、ダイナミックにコけたり――無茶もするけど、それはいつも誰かのためで。感激屋で、涙もろくて……でも笑顔が最高に素敵で。特に天気の日は、青い瞳が青空みたいにキラキラしてて、みんな見るだけで元気になるんだ――」
そう語るアルの顔は、この状況にあっても自然と笑んでいた。
それ程までに、例え記憶の中にあるものでも――彼女の笑顔は”宝石”のように、少年の心を照らす希望だった。
辺境に移り住んで間もない頃、塞ぎ込んでいた彼を助けてくれたのは、紛れもなく彼女の笑顔だった。
「素敵な、人だね」
その少年の笑みに、ガブリエルの心も自然と安らいでいた。
そうさせる彼女の大きさに、一つ納得もする。
――そうか、だからこそ彼女は”本来の適正者”ではないのかもしれない。
「そうなんだ、当たり前に素敵な――”救世主”なんて、大げさな呼び方、似合わないくらい、どこにでもいるような、だけど、実際にはどこにもいない……そんな素晴らしい人なんだ」
ただ、当たり前に傍にいて欲しい人。
力ではなく、心で周囲を照らす、穏やかな光。
その人に、相応しい呼び名があるとするならば――、
「そう……俺の、"自慢の姉ちゃん"なんだ」
「雄嗚ッ!」
「――!」
黒の鎧装……その黒翼が羽搏き、纏う焔を火の粉と散らす。
そして、その黒翼の一片――”短剣”のような形に変形した、一枚の羽が麗句の手に握られ、それは渾身の突きとなって、少女の両腕による防御を弾き、跳ね上げた。
”がら空き”となった腹部……内部に”物質としての神”を孕んだ腹部へと、”羽剣”の矛先は突き立てられ、深くめり込む。
”創世石”にまでは至っていないが、天使の遺骸のような彫像には、”羽剣”の刃が深々と喰い込み、彫刻刀を押し込まれた粘土のように、その造形を歪ませていた。
「く……う……!」
麗句の黒の腕部鎧装を掴み、押し止める少女の両腕が、刃を押し込む麗句の腕力に屈すれば、”物質としての神”はその身を裂かれ、刃を腹に受けた少女の腸は、無残に掻き回されるだろう。
「……わかるはずだ、サファイア・モルゲン」
「……!」
肌を刺す刃から伝わる容赦ない痛みに、麗句=メイリンの声音が絡まる。
その声は魂から零れ落ちたかのように、静謐な、深淵な響きを伴って少女の胸へと届く。
「ここから先には、”このようなもの”だけが延々と続く。いくらお前自身が光り輝いていようと、その存在がいかに無垢で、清く正しくあろうとも――その”奇蹟”はお前を、周囲の者どもをそのままにしておかない。お前も聞いたはずだ。彼等の……最期の声を」
黒の腕部鎧装を掴む少女の手に、わずかな”震え”が伝わる。
「私にはまだ……聞こえているよ」
麗句の喉奥から漏れ聞こえたのは、ひどく、悲しい声だった。
機械的な仮面に覆われて見えないが、その表情は”あの時”と同様に、涙に覆われているように思えた。
そして、それは、”最後通告”でもあるように思える。
少女に自分と同じ道を歩ませぬための。
”あの日”を再現させぬための――心からの。
だが、
「……がうよ」
「何……?」
だが、少女の桃色の唇は、その”最後通告”を拒んでいた。
麗句の腕を掴む、少女の手は、より”確固たる”意志を持って、麗句の”羽剣”を、その勧告を拒んでいた。
「違うよ……違うよ、”ミザリー”!」
「――!」
捨てたはずのその名前に、黒の鎧装が僅かに硬直したその瞬間、白銀の腕が”羽剣”を腹部から引き抜き、膝に叩き付けるようにして、完膚なきまでに折砕く――。
「貴女は”あの日”を悔いる中で……その耳を塞いでるんだ。貴女を思う大切な人達の、その本当の気持ちから」
言葉を発すると同時に咳込んだ少女の口内から、機械的な仮面の口部から血塊が零れる。
それを手の甲を覆う鎧装で拭い、少女は麗句へと、その足を一歩、踏み込む。
「貴女が見せてくれた”過去”には、貴女以外の――あの優しい人達の視点がたくさんあった。何故だと思う……?」
「……”麗鳳石”の、醒石の特性だ。あの日々の中で、皆の意識を”麗鳳石”が無自覚に取込み、私の記憶を”仮想現実”として再現する際に、それを使用したのだろう」
そこに意味などない。
毅然と紡いだかに見えるその言葉だが、声だけは僅かな震えを隠せずにいた。
「――ボクもそう思った。思ってた。だけど、だけど違う。ただの意識の欠片なら、彼等の思いがこんなにもボクに届いて、残ってるはずがない。貴女と鋼と鋼を重ねて――わかったんだ。ボクに”あの日”を、貴女の”過去”を見せたのは……貴女の意志”だけ”じゃない」
黒の鎧装と重なる度に、胸に響く”意志”があった。
それは少女があの共繋の中で、何度も受け止めた想いだった。
「”麗鳳石”には、今も”あの人達”の想いが生きてる。耳を塞いだ貴女にそれを届けたくて――彼等はボクに、その想いを託したんだ」
「そんな……わけがない」
機械的な、戦乙女の仮面から、”女王”の艶やかなそれではない、消え入りそうな、”あの日の少女”の声が漏れていた。
その彼女へと、サファイアは手を伸ばし、その五指をぎゅっと握り締める。
「あの時、あの子の手を離してしまった……何も掴めなかった この手だけど、託されたものは離さない。その託された願いは――諦めない!」
いま少女が手を伸ばすのは、いま少女が拳を握るのは、弟のためでも、大好きな町のためでも、愛する人のためでもない。
たった一つだけ、たった一つだけの、その願いを届けるためだ。
――幸福になれ、ミザリー。
その、たった一つの。
「『双醒』――!」
言霊の発声と同時に、蒼い光が、腰部鎧装に組み込まれたバックルから溢れ、著しく疲弊した白銀の機甲へと染み込むように、その輝きを増してゆく。
損傷した鎧装を補修するように、蒼の追加鎧装が鎧装内に組み込まれ、”創世の新星”を新たな御姿へと再醒させる――。
”軍医”戦の時とは異なり、両腕には十字を模った大型の盾、”蒼醒の十字盾・極”が構築され、さらに導師服、あるいは陣羽織のように、光を透過する素材で編まれた布状の装具が、『双醒』を果たした鎧装の上に羽織られていた。
”蒼の護壁”。
今は戻らぬ命、その願いを新たな鎧とした少女は、鎧装を通し、己に満ちる想いを噛み締めながら、その再醒した鎧を麗句へと一歩また、歩ませる。
「必ず届けるよ……麗句!」
サファイア・モルゲンと麗句=メイリン。
二人の最初の邂逅――その”決着”の時がいま訪れようとしていた。
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