第17話 麗句=冥鈴
(あ……あ……)
眼前に広がるのは、破滅的結末。
”獣王”の熱線は、文字通りに世界を”書き換えて”いた。
”零鎧騎”達は跡形もなく消滅し、カウランの丘は大きくその地表を削り取られ、その形を無残に変えられていた。
そこにある”現実”に対し、サファイアは何一つ言葉を紡ぐことができなかった。
遥か彼方で噴き上がる巨大なキノコ雲は、恐怖と戦慄で彼女の心臓を締め上げ、”体内放射”と熱線による業火は、策謀に散った解放戦線の面々の遺骸を、朱々とした焔で包み、静かに天へと誘っていた。
そして、その様を、顔を覆い尽くす包帯の隙間から覗く、無感情な碧眼で眺めるのは、顔のない男。
――”破壊者”の称号を持つ男である。
「……所詮は”神の器”たる鎧装の模造品。そのような紛い物の”奇蹟”では、”獣王”という圧倒的な”現実”を覆すことなどできん」
”神の器たる鎧装”――アルファノヴァの事であろうか。
フェイスレスの打字されたが如き、無感情な声音が紡ぐ言葉は、爪立つようにサファイアの精神へと刻み込まれる。
サファイアにとっては”現在”ではない、過去の映像ではあるが、このフェイスレスという男が己の視界に入り、同じ空間に居るということだけで、身がすくむような恐怖が彼女の平静をかき乱す。
その、底の見えぬ――大きすぎる虚無を湛えた碧眼は、ミザリーの意識をかき分け、”自分”を観測しているような気すらした。
「奇蹟の”残骸”たる私の言う事ではないがな……」
フェイスレスは呟くように告げ、耐え難い喪失にか、あるいは信じ難い驚愕にか、ただ呆然と立ち、虚ろな目をしたままのミザリーへと向き直る。
「……容認し難いものに、目を閉ざしたか。だが、お前の信じていた”主”も、”世界”も、いま、お前が見たように、うわべだけの美しさで飾られた、軽薄な虚像でしかない――」
ミザリーの顎に、フェイスレスの指がそえられ、彼の左手が不穏に挙げられる。
「その心底にこびりついた、甘い幻想は完全に消去する必要があるな――」
それと同時に、彼の背後に空いた虚ろな”穴”から、”逆十字”型の金属片が出現し、宙を漂う。
その矛先はミザリーの目線の先。
彼女を想い、散った、解放戦線の面々の遺骸へと向けられている――。
その状況に、ミザリーの瞳に”不安”――”憤り”という名の精気が、わずかに戻る。そして、
「――!」
まさにその左腕が振り下ろされんとした時、それを制する、もう一つの腕があった。
そこにあるのは黒く、山のような巨体。
再び、黒の鎧装を纏い、”人”に酷似した姿へと戻った、”獣王”『G』の巨木のように太く、巨岩のようにゴツゴツとした腕が、フェイスレスの腕を掴み、逆十字型の金属片――”死に至る欲望”の躍動を阻んでいた。
「……何のつもりだ、”獣王”。まさか、卿も甘い感傷に囚われたのではあるまいな――?」
【……死者の眠りを乱すことは、何人にも許されん。我が前でそれを成すなら、我が”全て”を敵に回すと知れ、”壊す者”よ――】
明瞭な人語でそう告げる”獣王”に、フェイスレスは”フ……”と軽く鼻を鳴らし、わずかに目を細める。
そこにある感情が、”嘲笑”であるのか、”感銘”であるのか、”敬意”であるのか、包帯に覆い尽くされたフェイスレスの表情からは読み取ることができない。
――確かなのは、彼が”死に至る欲望”を”穴”の中へと格納し、その矛を収めたというその事実のみである。
【……選ぶがいい、小さき者よ――】
「……!」
フェイスレスの腕を離し、ミザリーへと一歩、その巨躯を前進させた”獣王”が、黒目のない、その目を彼女へと向け、告げていた。
ミザリーを通じて、その目を直視したサファイアは思わず息を飲む。
【お前の知る世界は今日、死んだ。お前は今日、この世の理からはみ出し、その世の理を書き換える”稀人”となったのだ。世界を”壊す”か、世界を”変える”か――。あるいは、どちらも選ばず、世の一部として、ただ世界を眺めるに留めるか。お前はいま、それを選ぶ権利をもち、我等にそれを聞かせる義務を背負っている――】
有無を言わせぬ”意志”が、その言葉には満ちていた。
選択をミザリーに委ねてはいるが、そこに”自由”はないように思えた。
返答しだいでは、この”獣王”は、彼女の生命を奪う――。
そう確信させる、開かれた咢に等しい、鬼気迫るものが、”獣王”の言葉には満ちていたのだ。
「……そこな肉塊の語っていた事、事実ではあろうが、それが総べての”真実”ではあるまい。”醒石”を用いた、紛い物をあれ程の数、用意していた点から見ても、その肉塊の目論見よりも上層の意志――煌都そのものが、お前を”畏敬の赤”の保持者として疎んじていた事、明白であろう――」
”獣王”がもたらした衝撃によって、とめどなく失禁し、錯乱から笑い転げている是を眺めながら、フェイスレスは告げると、ミザリーの首元で朱く輝く麗鳳石を掴み、握り締める――。
「もはや、世界の”表側”に、お前の居る場所はない――」
それは、ミザリー・L・アルメイアという少女に対しての、死刑宣告であったかもしれない。
確かに、あの”アルファノヴァ”、”イクスノヴァ”に酷似した”零鎧騎”なる存在を見れば、”煌都”が”創世石”――”畏敬の赤”の情報を手にしている事は、ほぼ確実に思えた。
ならば、是がここで語ってみせたものとは別の理由で、ミザリーを”始末”したがっていたとしても、不思議ではない。そして、
「……私が、私が、この石を持っていたから――その加護を受けていたから、皆は死んだのか……?」
ミザリーは、消え入りそうな声音で、己が首元の石を指でもてあそぶ”稀人”へと尋ねていた。
違う、と。
サファイアは応えてあげたかった。
彼女のせいなどではない。
自分は見てきた。
彼女の想いを。
彼女の道筋を。
その愚直なまでに真っ直ぐなそれを。
だから、けれど――、
「加護を得ていたから……という表現は正確ではない。それは、お前の力だ。”畏敬の赤”を手にし、見初められたという、お前自身の力が招いた事だ。その御光にあてられ、のぼせた力なき者どもが、ふるい落とされ、朽ち果てるのもまた道理であろう」
「……!」
フェイスレスがもたらす解答は、どこまでもストレートで、残酷だった。
散っていった者たちへの侮辱ともとれる言葉に、ミザリーの周囲を漂う赤の粒子が奔流となって、フェイスレスへと挑みかかる……!
だが、それも、フェイスレスにとっては、”風が吹いた”程度の事に過ぎない――。
「それが、現実だ。お前が肩を並べ、共に歩める相手は、世に我等と、他の三名の適正者のみ――。故に、我等は迎えに来たのだ。”同朋”であるお前を」
(そう……か……)
現実。
ミザリーを介して、”それ”を突き付けられながら、サファイアは、邂逅の際に麗句=メイリンに告げられた言葉を思い出す。
”その優しさがチカラを手にした時、耐え難い悲劇を産むこともある”
あの言葉は、この結果を経た麗句の、彼女の心からの言葉だったのだ。
この”悲劇”を経た彼女の、心からの”警告”であったのだ。
「あ…ああ…ああああああああああああ……!」
(……!)
混乱の中で、”現実”を受け止めたミザリーの喉奥から、”悔恨”、”懺悔”、”憤怒”――様々な感情が入り混じった絶叫が迸る。
それと共に、周囲の泥や岩、赤黒い血肉が寄り集まるようにして、彼女を中心に渦を巻き、より輝きを増した”麗鳳石”の”朱”が空間へと喰い込み、罅割れさせてゆく――。
その事象を、己が感情に呑まれ、トランス状態にあるミザリーに代わり、フェイスレスが呟くように言葉とする――。
「……『鎧醒』……」
刹那。
暴力的な濃度にまで増幅され、現世での許容量を越えた”朱”の粒子によって、空間が硝子のように叩き割られ、その内部――”観念世界”と呼ばれる異世界から、神幻金属によって鋳造された鎧装が現世へと召喚される……!
”白銀の鳳凰”……そう呼べる形状に密集していた鎧装はバラバラに分解され、ミザリーの全身へと装着されてゆく。誕生した鎧装の乙女へと、泥や解放戦線の皆の血肉が渦を巻きながら殺到し、それが付着した箇所から、鎧装が黒々と変色してゆく――。
”黒化”――。
適正者が負の感情によって、鎧装を召喚し、”負”の鎧として染め上げる現象。
それによって、鎧装自体も禍々しく尖り始め、次第に歪んでゆく。
サファイアが先程まで対峙していた、黒の鎧装――”断罪の麗鳳”の姿が、次第にそこへ再現されつつあった。
そうだ、”麗句=メイリン”はいま、この瞬間、誕生したのだ。
(くっ……うっ……)
そして、ミザリーの『鎧醒』と同時に、脳内に大容量の情報と”負”の感情が雪崩れ込み、サファイアの意識体が歪む。
身が千切れそうな程の”うねり”が、サファイアの意識体をいま、飲み込んでいた。
「あ…あああああああああ――ッ!」
(きゃっ……!?)
ミザリーの感情の昂ぶりとともに、黒の鎧装から赤の粒子が、爆裂的に噴き出してゆく。
そして、解放戦線の面々の遺骸を焼く焔が、その赤の粒子とともに、黒の鎧装へと吸い込まれていた。
その瞬間、サファイアの意識体はミザリーの意識から弾き出され、泥の上を転がることとなった。
(あ……ああ……)
半透明な、ある意味で純粋な”視点”となった自分が、”苦悶”のようにも聴こえる咆哮を上げるミザリーを見ていた。
――いや、それは”苦悶”に他ならない。
彼女は、策謀に無情にも散り、生涯を閉じた解放戦線の皆の、最後の”苦悶”の残留思念を、”麗鳳石”を通じて吸い上げている。
それは、文字通りに彼女の精神を灼き尽くす焔。
まるで、己への罰のように。制裁のように、彼女はそれを続け、咆哮を上げ続けている。
その、あまりに痛々しい姿に、サファイアは思わず目をそらす。
(ダメだよ……そんな……)
涙が、ポロポロと零れて止まらなかった。
だけど、何もできない。
この悲劇の中で、自分はあまりに無力だった。
「……なんとも感傷的な処置だな。その鎧は、”聖処女”を”魔女”として焼く”火刑台”という訳か。”辺境の聖処女”――なるほど、その字名通りの苛烈な”最期”だ」
”ミザリー・L・アルメイア”へとそう告げ、フェイスレスは新たに稀人となった彼女へと、再び口を開く。
「……『鎧醒』した事により、理解したはずだ。”共繋”とともに、我等が属する組織、世界の情勢、お前が成すべきこと――その全てが見えたはずだ」
(組……織……)
軍医と対峙した際、組織の目的に関しては聞いている。
だが、この”稀人”達の目的が、それと同一とは思えない。
彼等の見ているものは――、
「…………」
(――!)
そして、完全に”黒化”した鎧装を纏い、”焔”を吸い尽くした彼女は、形を変えられ、焼け爛れた大地を踏み砕きながら、いまだ錯乱し、笑い転げている是へと近付いてゆく。
鎧装の溝に充填された、”畏敬の赤”の光が、彼女が既に、この世の理の枠外にいる事を、視覚を通じて、サファイアへと伝えている――。
(や、やめ――)
飛び散るのは鮮血。
彼女が左手を軽く振るのと同時に、是の五体は風船のように破裂し、ただの赤黒い塊となって周囲に飛散していた。
彼が、解放戦線を――あの優しい人達をそうしたように、物のように、道端に転がるゴミのように、呆気なく、”処分”していた。そして、
「ミ……ザ、リー……」
サファイアとは別に、呆けたように、その光景を見つめる、一つの視線があった。
――リィル・アーゲイル。
かつて、彼女が慕っていた若き教主。
神の教えを伝える教家の主でありながら、根本ではそれを信じてすらいなかった男に、この、この世ならざる”奇蹟”の連鎖は、どう見えたのだろうか――。
「……教主殿」
鷹を摸した、機械的な仮面の内部から、鈴の音の如き、玲瓏なる声音が響く。
是を屠った彼女は、若き教主の前へと歩を進め、その猛禽類を思わせる爪を持つ掌を、彼の顔の前へと翳す――。
「私が信じていたものが偽りであったとしても、彼等が信じていた教えは偽りではない。貴方にはそれを正しく伝えていく義務がある――」
「あ……あああああああああああ……っ!?」
彼女の掌が、若き教主の顔面を覆い、その掌から洩れ零れた赤の粒子が、その皮膚と肉を焼く。
苦悶の声が、その鼓膜を揺らそうとも、彼女の挙動は、微塵も揺らぐこともない――。
「彼等が何のために戦い、何のために散ったのか、偽りなく世に伝え、その死が辱められぬよう生き続ける義務が――」
語りかける、穏やかな声音とは対照的な絶叫とともに、教主の顔は容赦なく焼け爛れ、同時に皮膚へと喰い込んだ黒き鎧装の爪が、赤々とした血を黒の中へ滴らせる。
「……”煌都”の要人が死亡し、その”虎の子”も塵となったこの状況で、”コレ”を画策した上層の人間がそれを許すとは思えませんが、その”茨の道”を歩み抜くのも、貴方の贖罪でありましょう」
顔面を捕えていた掌が、頭を投げ捨てるようにして外され、若き教主の体は、鮮血の軌跡とともに、無様に泥の上を転がる。
焼け爛れた顔の痛みと恐怖に、彼の歯はガチガチと鳴り続け、”美しかった”顔は涙と涎でグチャグチャになっていた。綺羅星のようだった輝きは既にそこにはない。
「約束を違えた時は、この”魔女”が終焉を届けにまいります――」
では――。
そう告げた彼女は踵を返し、自らを迎えに来た”同朋”達のもとへと歩を進める。
己を拒絶し、自らの大切なものたちを泥の中へと棄てた”世界”に対して、彼女は歩み出そうとしていた。
恐らくは、その腐敗を美辞麗句で覆い尽くし、のうのうと繁栄を謳歌する”悪”へと、その剣を突き立てるために。
この世界を”変える”ために。だが、
「駄目……だよ……ミザリー……」
(……!)
小さな、小さな声が、わずかに空気を震わせていた。
ミザリーを護るために、自らの胸を撃ち抜いた少年が、彼女へと手を伸ばしていた。
その、命は既に――、
「自分を……責め、ないで……」
ごめ、んね。
伸ばした手が泥の中に落ち、少年の瞳から光が消える――。
サファイアはその手をとろうと、手を伸ばしたが、意識体である彼女には、それを掴みとることはできず、それは泥の中に埋もれたままだった。
だけど、だけど、
わかった。彼が、彼の伝えたかった事は――、
(わか、るよ……)
そして、”彼女”が、これを見せた意味も――理解できた。
自分の進む道の先に何があるのか。
”煌都”にせよ、”逆十字”の組織にせよ、自分を選んだ”創世石”を狙う者たちがいかに悪辣で、畏るべきものたちであるのか。
彼女はこの過去を通じて、自分に伝えようとしてくれている。
だけど、けれども――、
掴めなかった少年の手に、重ねられたサファイアの手が、ぎゅっと握りしめられる。
「ミザリー!」
少年の声に、振り返らないまでも、足を止めていた彼女へと、サファイアは叫んでいた。
これは、過去にある幻。
届くはずはない。
それでも――、
「わかるよ……こんなに悲しい事があったんだ。キミが、この選択をした事、ボクにだってよくわかる――」
聞こえているはずのない声。
それに対し、ミザリーも歩を進めようとはしない。
「だけど……だけどね、ここで命を落とした、キミの大切な人達が最期まで願っていた事はそうじゃない」
”幸福になれ、ミザリー”。
その彼等の切なる願いを、祈りを、サファイアはこの体験の中で、何度も受け止めていた。
――死の間際でも揺らぐことのなかった、その想い。
彼女に届いていないはずがない。
「たとえ、これからあなたが成すことが”正義”であったとしても、あなたが、あなた自身を許せなかったとしても、そのために、この子が泣いていいはずがない――」
命を喪失する苦痛の中で、最後まで”姉”を案じた少年。
その彼へと、彼女はゆっくりと振り返る。
機械的な仮面に覆われていても、その顔は確かに――、
「あなたが……泣いていいはずがないじゃないか!」
気が付いた時、少女は大地を蹴り、彼女へと駆け出していた。
彼女を止めるために。
彼女を、あの温かな景色の中へと戻すために。
その腕は白銀と蒼に彩られた鎧装を、涙に濡れた表情は、機械的な仮面を纏っていた。
移り変わる景色とともに、彼女は、その腕を、その手を伸ばす。
己の前に、”立ち塞がる”彼女へと。
「ボクは止める……! あなたを……!」
「…………」
鎧装の衝突とともに弾ける火花。
伸ばされた手を、『鎧醒』した”アルファノヴァ”の腕を、麗句=メイリンの黒の鎧装が受け止めていた。
過去の情景が、”現在”の景色に切り替わり、朱い光を目に灯した、”断罪の麗鳳”の機械的な仮面が、”敵”であるサファイアを見ていた。
「姉ちゃん……!」
『鎧醒』と同時に、わずかに動きを止めていた自分へと、弟の声が届く。
――”魔女の吐息”による高濃度の粒子解放が発生させた、同化に近い”共繋”の導きによる、過去との邂逅。
現実の時間では、ほんの一瞬だったその時間。
その短い時間での、多くの”経験”がいま、彼女の腕に力を宿らせていた。
「……そのような意図で、”見せた”のではないのだがな」
その、受け止めたサファイアの腕を払い、断罪の麗鳳はその身に纏う焔を、翼の如く羽搏かせる。
その焔は――あの丘で己自身を焼いた、残留思念の焔だ。
「――ミザリー・L・アルメイアという小娘は既に死んだ。ここにいるのは、世の”悪”を覆い尽くす美辞麗句を焼き払い、冥府の鈴を鳴らす魔女……麗句=メイリンだ――」
「それでも、それでも……ボクは!」
冷徹なまでの”魔女”の拒絶。
けれど、そうであっても、
少女の心に、あの少年の、優しい人達の想いが、祈りが蘇る。
「それでも、ボクは――あなたを”救う”んだ!」
金属がぶつかり合う硬質な響きが、それぞれの耳朶を叩く。
”悲劇”は終わり、再び、少女と”魔女”は交わる。
そして、少女はかつて、”届かなかった”その手をまた、伸ばしていた。
たとえ、この世に、”主”の御手が届かないのだとしても、それでも――。
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