煌都―central―Ⅱ~汝、罪を鎧装う蛇~
「む――?」
不意にリオンの食事の手が止まり、その碧眼がオフィスの外に広がる長大な通路へと向けられる。時刻は既に20時を過ぎ、一時間程前に終業時間を迎えているため、人影は少なく、通路には水を打ったような静けさが漂っている。だが、“何か”がリオンの感覚を刺激し、彼に“危険”を訴えている――。
「隊長……どうしました?」
ハンバーガーと一緒に購入していたポテトを口に放り込むながら、レイは訊ねる。
先程まで無邪気に輝いていた少年の瞳には微かな“緊張”と、異変を察知したことによる“鋭さ”が滲み始めていた。まだキャリアは浅いが、彼とて煌都十六戦団の一員、対醒獣特務機甲隊・『PEACE MAKER』のルーキーにして、エースなのだ。
「……いや」
「え……?」
だが、リオンは穏やかな声音で、レイが捉えた“異変”を否定する。リオン自身もまた、その“異変”を感知したにも関わらず、だ。
自分の勘は、感覚は間違っていたのだろうか。つぶらな瞳が問いかけるようにリオンを、隊長であり導き手である彼を見据える。
「気のせいだったようだ。我々はここで、“落ち着いて”食事を続けよう」
「あ……!」
そのリオンの言葉とともに、レイも“それ”に気づく。
それは感知した“異変”とは、別種の何かが動く気配。
「――我々が動く必要はない、ということさ」
微笑とともにリオンは告げ、動いてくれた“彼”へと、胸の内で呟く。
“恩に着る”、と――。
「沙奇亜ッ!?」
予期せぬ衝撃によって、“都合良く開いていた”非常扉から外へと蹴り出された影は、空中でクルリと回転し、己の身体が飛び出してきた『絆の塔』の非常口を睨む。
影の、その男の体は、奇妙な事に宙に浮かんでいた。
黒の背広をしっかりと着込んだ男の背中から昆虫のような羽と、それを防護するかのような外骨格が飛び出している。
「誰ダ、お前……」
男の口から呂律の回らぬ声音が漏れ、その殺意に爛々と輝く眼が、己を外へと蹴り出した存在、その何者かを捉える。そうだ、非常扉は“都合良く開いていた”のではない、自分の襲撃を予期したその何者かによって“あらかじめ開けてあった”のだ。
「まったく……殺意の隠し方も、己の抑制もまるで不十分、不徹底だな。“上層”の連中に気付かれていたら“大事”になるところだ」
そう告げるのは、紫のコートにも似た衣服を纏う、長身の男だった。
彼の纏う衣服をよくよく凝視すれば、肘や膝にプロテクターのようなものが組み込まれており、それが“戦闘用”の装束であることがわかる。
青年と呼べるような若々しい容貌をした男ではあったが、それと矛盾するように、青年と呼ぶにはあまりに不相応な、歳月を重ねた風格がこの男の全身から滲み出ていた。
そして、男の艶やかな黒髪は月明かりを吸って鮮やかに煌めき、同性であっても見惚れるような、嫉妬を駆り立てられるような、美しい顔立ちを際立たせる。
――だが、その頬の辺りを、紫の、蛇の鱗のようなものが覆い、その“美”を異様な風貌へと変えていた。
情報を統合すれば、それがナンであるか、猿でも理解できる。
「お前も――“強化兵士”か」
「その通りだ。そして、いま煌都で“強化兵士”に騒ぎを起こされるのは困る――“彼等”の努力を無駄にしない為にもな」
(何を手こずっている。ドレーク)
空中の闇の中で、影が増える。
ドレークと呼ばれた昆虫の羽を持つ男の傍らに、付近の高層ビルに付着させた粘着性の高い複数の“糸”に己が身を繋いだ別の男の姿が現れる。複数の糸を己の身体に操り人形の如く絡ませるその男はドレークと同様に黒の背広を着こんでいたが、瞬時に蜘蛛の巣のような網を形成し、空中で己が身体を安定させるその様は、明らかに尋常ではない。
――これ程、明確な“異常”はなかろう。
「ムーゲ、コイツ、“強化兵士”だ。同属、の癖に」
「焦り過ぎだ、ドレーク。我等の任務は暗殺。“襲撃”や、“決闘”ではない」
ドレークとムーゲ。
二体の“強化兵士”は、眼前の男を見据え、全身の筋肉に“交戦”の意志を漲らせる。
「暗殺、か。となると私怨や“世界の統治機関”である煌都への八つ当たり――というわけではなさそうだ。……何らかの組織の手の者か。煌都最大の行政機関に出入りできるような“偽の身分”を貴様等に贈呈できる程の」
「……小うるさい奴ダ。貴様、何者ダ。煌都に強化兵士が所属しているなど、“組織”からの情報にナイぞ……?」
「――“カシウス・L・サイファー”。煌都ではそう名乗らせてもらっている」
「 “暗号”か、舐めおって……」
ドレークとムーゲ、二体の眼のなかにある“濁り”が殺意によって一気に凝固する。
だが、その刹那、男の、カシウス・L・サイファーの姿は二体の視界から掻き消え、二体の頭上から、甘ささえ兼ね備えた低音の声音が降り注ぐ――。
「……リオンの存在が邪魔という訳か。対醒獣特務機甲隊の――対“遺跡技術”部隊の隊長である彼が。つまり貴様等が所属するのは“遺跡技術”を扱う組織……例の、“逆十字”の連中か」
「……!」
看過できぬ言葉に、ドレークとムーゲの二体が目線を上げると、其処には『塔』の外壁にあるわずかな窪みを足場とし、橙色の光を灯す壁面に寄りかかるようにして立つ“カシウス・L・サイファー”の姿があった。
幻術か? そうでなければ、この男は“強化兵士”である二体の眼でも捉えられぬ程のスピードで、移動してみせたことになる。
――“強化兵士”という次元を遥かに超えた性能を有していることになる。
「魏解毛ッ!」
「……! ドレーク!」
その“事実”に刺激されたのか、ムーゲの制止も聞かず、ドレークは自らの背部からカプセルのような物体をミサイルの如く次々と射出する! 次の瞬間、体内で生成された“生体爆薬”を詰め込んだそれらはカシウスへと、『煌都』の象徴たる『塔』へと殺到する――。
「俺とて、煌都の総てを是とするわけではない。だが、貴様等の跳梁を許すつもりもない」
「――!」
爆撃を受け、四散する『塔』とカシウスの姿を幻視していた二体の眼に、信じ難いものが映る。
突如、カシウスのコートの内側から飛び出した“刃”が、無数の刃が連なり、蛇腹の如き様相を呈しているその“剣”が、カプセルを残さず斬り落とし、その内部に詰められた爆薬の炸裂を未然に防ぐ。
――“狂歌紡ぐ毒蛇“。
そのような名称を持つ、二対の蛇腹の剣は何らかの液体に濡れており、そこから滴るその“毒液”に触れた『塔』の外壁は高濃度の酸をぶちまけられたかのように溶け出し、異様な臭気を発している。
何より異常なのは、その“剣”がコートからでなく、“体内”から伸びているように見える事である。
彼が纏う衣服は特殊な加工を施されているのか、剣から滴る”毒液“からの影響は見受けられない。
「手前……その液で“中和”し病がったのカ、俺ノ生体爆薬ヲッ!」
「状況によっては――このような“毒”も“薬”になるという訳だ。お前達のような“世界の病巣”相手には……この俺が“薬”だ」
「俺達が病気だとぉぉ……?」
ドレークの肩が激情にワナワナと震え、ムーゲはそれとは逆に、冷静に眼前の“難敵”を見据え、分析・解析を開始する。“元”は非戦闘型の“魔法使い”だったのだろうか。額に埋め込まれた“知覚強化端子”が青白く発光している。
「……視認対象を最優先排除対象に上書き。この男の、“このような存在”の『煌都』への所属は、容認できぬ“脅威”だ――」
「やるんだな? やるんだな、ムーゲ? 派手に、残酷に、後腐れなくヨォ!?」
二体の“交戦”の意志と共に、彼等の体内に埋め込まれた複数の石が、この惑星で邂逅した最大の奇蹟“醒石”が発光し、宙に浮かぶ男達の黒の背広が弾け飛ぶ。
『異形』が、目覚める。
「「 “獣醒”ッ!」」
ドレークの容貌は、昆虫の羽とそれを防護する外骨格はそのままに、全身に甲冑のような青の外骨格を追加構築。体格は一回り程大きくなったように感じられ、さながら古代の剣闘士の如き頑強な印象を視覚する者に与える。そして、緑色の丸い目と蜥蜴の如き口部、そしてそこから伸びる長い舌は生理的な嫌悪感を否応なく喚起させるものだ。
ムーゲは黄土色の外骨格、装甲を全身に構築し、背部に折りたたまれていた四本の腕を展開させ、先端に鋭い槍を宿す計六本の腕を突きさすように構えて見せる。
左右に三つずつ在る球状の眼は、殺意に黄色に輝き、蜘蛛そのものと言える顔は、凶暴に、醜悪にガチガチと牙を噛み鳴らす。
「 “超醒獣兵”か――情報には聞いていたが、こうも”手早く”対面できるとはな」
「対面と同時に、貴様は“死ぬ”のだ」
獣醒した二体の“超醒獣兵”の異形が、カシウスへと躍動すると同時に、カシウスの身体が『塔』の外壁を蹴り、宙へと舞い落ちる。重力に身を任せ、落下する彼の手が腰から二丁の拳銃を取り出し、迫る二体へと無数の弾丸を叩き込む。
二体の“超醒獣兵”にとっては目晦ましにもならぬ些事であるが、カシウスの表情にも焦りはない。
――二体の殺意に澱む意識を、『塔』から引き離せれば、それで十分だった。
「 ……現状が“超醒獣兵”であろうと、元が“強化兵士”である事に変わりはない。大事な時期だ。悪いが、貴様等の身体――塵一つ残すわけにはいかんぞ」
ドレークが背後から再度射出した生体爆薬入りのカプセルを、カシウスが放つ蛇腹状の剣――“狂歌紡ぐ毒蛇“が切り払い、落下する身体が追撃する二体とともに”目的地“である、眼下の高層ビルへと接近する。
「“原初の罪”の拘束・一番から三番を解放。……汝に告げる。我、罪を赦さず、我、罪を識る者」
カシウスの唇から言霊が迸り、彼が纏うコートの内側で“何か”が蠢く。
「汝、罪を鎧装う蛇。我、汝とともに罪を鎧装いて、罪を喰らわん――」
我に、従え。
「――『鎧醒』ッ!」
ヌッ……!?
噴き出した異様な“気配”と“重圧”に二体の“超醒獣兵”は思わず息を飲み、一瞬ではあるが、その身を硬直させる。
――カシウスの身体が高層ビルの屋上に叩き付けられる寸前に、その“変化”は、『鎧醒』は完了していた。
紫の鎧装を纏う白蛇。
それがその“異形”を言い表す端的な言葉であろうか。
“蛇鬼”という名称を持つその“異形”の背部には文字通りの蛇腹として、四対の“狂歌紡ぐ毒蛇“が収納されている。皮膚は異様に白く、口部は獣の如く牙を露出している。美しかったカシウスの面影は皆無と言っていい。
その拳に武装されている鋭利な刺を有した輪が展開し、“蛇鬼”の五指にメリケンサックのように握られる。
「悔やみ、贖え。――“罪人”」
「チョ……猪口才なぁぁッ!」
ドレークの体内で貯蔵されている総ての生体爆薬のカプセルが射出され、ドレーク自身もその両腕の外骨格から刀剣を出現させてカシウスへと、“蛇鬼”へと突撃する。
だが、“蛇鬼”の背後から展開した“狂歌紡ぐ毒蛇“は当然の如くそれを斬り落とし、自らへと突進し、己が間合いへと足を踏み入れたドレークへと、カシウスの拳は一切の慈悲なく躍動する。
「ガッ――!?」
「……! ドレークッ!?」
無残。
一瞬の出来事であった。
ドレークの異形にカシウスの拳が触れた瞬間、ドレークの巨躯はバラバラに弾け飛び、文字通り塵となってその存在を消失させた。
“蛇鬼”の凄絶に過ぎる腕力と、“罪科の円輪”――“蛇鬼”の五指に握られたそれが齎す“超振動”は、触れたもの全てを原子分解し、消滅させる。
「クッ、その異能、その異貌――貴様、やはり“人柱実験体”、七罪機関の規格外品、『X―TRIAL』かッ! 何故、何故、『煌都』などにッ!?」
「……俺にも色々と思うところがあってな。それに、『煌都』にいれば、貴様等のような馬鹿どもの尻尾を掴み、“叩き潰す”のに不自由しない――」
「クッ――!」
淡々と言葉を紡ぎながら、自らへの距離を詰める“蛇鬼”に対し、ムーゲが“交戦”ではなく、“逃走”を選択したのは賢明な判断であったと言える。
六本腕の先端と口部から放たれた糸が“蛇鬼”の異形を捉え、拘束。
その隙に、ムーゲは高層ビルから闇へと身を投じ、相棒を屠った畏るべき怪物からの逃走を試みる。だが、
「――“ヨルムンガルズ”」
「……!」
カシウスがそう呼んだ、彼の“相棒”がムーゲの逃亡を、地上への投身を阻む。
高層ビルの壁面を猛スピードで駆け上がり、ムーゲを跳ね飛ばしたそのバイクは、主である“蛇鬼”の前に停車し、その“眼”を光らせる。比喩ではない。そのバイクには眼が在った。紫色のボディは血の流れる生きた肉であり、確かな鼓動がその体内で脈打っている。
生物なのだ。バイクをベースにしながらも、それは飽くまで生物。
“蛇鬼”――人柱実験体第0号・“紫の原罪”の従者として、“七罪機関”に産み落とされた、機械仕掛けの毒蛇は、唸り声のように駆動音を響かせながら、標的であるムーゲを凝視する。
「……“強化兵士”がこの『塔』を襲撃したなどという痕跡をわずかにでも残させる訳にはいかん。悪いが息の根、止めさせてもらうぞ」
“蛇鬼”の紫の鎧装に装飾の如く供えられた突起、“紫獣刺”が放つ高熱が糸を溶かし、“蛇鬼”――カシウスはまた、淡々と距離を詰め始める。圧倒的な重圧がムーゲの脚を縛り、“醒石”によって人間の領域を遥かに超越したはずの身体を硬直させる。
ムーゲは悟る。糸を受けたのも、避けられなかったわけではない。
避ける必要すらなかったのだ。
「グ……グオアアアアアアアアアアアッ!」
重圧と恐怖を断ち切るように、獣じみた咆哮を上げながら、ムーゲは跳躍。六本腕の先端にある槍を殺意にギラつかせながらカシウスへと挑みかかる。
「コォォ……」
対するカシウスが深く息を吸い込むと同時に、“蛇鬼”の両腕の筋肉が膨張するように膨れ上がり、紫の鎧装に、凶暴に過ぎる力が満ちる。
「オオォォォォォォォォォ――ッ!」
カシウスの、“蛇鬼”の口内から迸る咆哮は、明らかに人間のモノではなかった。
恐らくそれはその鎧装と異形の源である、体内に潜む何者かの――。
乱射される機関銃の如き、拳の乱打がムーゲの身体を砕き、穿ち、完膚なきまでに“破壊”する!
「グ、ぐがががががががッ!?」
“蛇鬼”の握る円輪の刺――“罪科の円輪”から流れ込む毒液が、ムーゲの脳内に意識の暴走を呼ぶ。これまで彼が犯した罪の“記憶”が、“追体験”として肉体が崩壊する激痛とともに、脳へと刻み込まれる。
「罪深き者程、永く苦しむ。己の罪に溺れて散るがいい――」
「クッ……クク、何をしようと無駄な、事だ」
「ナニ……?」
崩壊するムーゲの口部が何事かを呟く。
その眼にカシウスは、畏敬の念を喚起させるような、神々しくも毒々しい“赤”を見た気がした。……ムーゲ以外の何者かの意志を。
「何に抗おうと、何を想おうと――いずれ、世界は」
「――!」
そう言い残し、ムーゲの異形は爆裂四散! それはカシウスの“罪科の円輪”による損傷や効力によるものではない。体内の醒石のエネルギーを利用した“自爆”に近い爆散であった。
飛び散った肉片は塵と化し、彼が此処に存在したという証拠は完全に消失する。
「………」
不気味だった。
カシウスの目的は果たされたとはいえ、これが事態の終焉ではなく、始まりでしかないこともまた、確かだった。この組織が再び刺客を送り込んでくる事は目に見えていた。
「……だが、急場はしのげた、というところか……」
いま、リオンは“彼等”の十六戦団入団への交渉、その最終局面に入っている。
――報いたかっただけなのだ。
リオンのその努力に。己のような、規格外品の怪物を息子と呼び、身を粉にしてその息子達の“煌都十六戦団”への入団、その入り口までこぎつけた、ジーン・ホグランという男の想いに。願いに。
”強化兵士“の『塔』への襲撃などという醜聞で、その道が閉ざされるのは何としても避けたかった。
十六戦団の一員であるリオンやレイが動けば、相手が何者であったかを否応なく上層部に報告する必要がでてくる。だが、自分は違う。自分の立場は公的には、飽くまで煌都に”勝手に居ついている不法滞在者“だ。報告の義務もなければ、必要もない。
“煌都に不利益な行動をとらない”という原則が厳守されている限りは――。
「戦いばかりだ。何処にいようと、何処へ向かおうと。逃げる事など出来はしない」
何に抗おうと、何を想おうと。そんなムーゲの最期の言葉を反芻し、カシウスは呟く。
そうだ。彼等の入団が承認されたとしても、彼等に安息が訪れることはないだろう。
煌都とて総てが正しい訳ではない。むしろ、その暗部は辺境の地の“混沌”よりもどす黒く、多くの人間の心を、世界を蝕む要因となっていると、カシウス自身感じている。
だが、此処にはリオン達のような、内側からそのような現状を正そうとする者達が多くいる――。それは護るべきもの。
それは、いずれ世界が真に在るべき姿を、平穏を取り戻すその日の為の“希望”であり、切なる“祈り”だ。
「待っているぞ、兄弟」
カシウスは遠き地にいる同属――人間である事を喪失する痛みに喘ぎながらも、人間のために血を流し続けている男へと、呟くように言葉を贈る。
そう、この紫の鎧装を纏う異形の戦鬼も紛れもなく、人間である事を超越しながらも、人間を想い、人間の為に血を流す“人間を護る存在”であった。
多くの人間の想いの交錯とともに、事態は一時、終結し、物語は、ふたたび、辺境の地へと視点を戻す。
――“畏敬の赤”の軌跡、その新たな邂逅へと。
NEXT⇒第四章 決戦PART2―COUNT ZERO―