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ケロフォビア  作者: 嘘つき
だいがく

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第65話 サヨナラとヨロシク

「おっす!一ノ瀬元気してたか?」


スーツ姿のたくやくんに話しかけられる。


はい、とっても元気でしたとも。


「それなりにね。」


そんなわけ無いでしょ、つぐちゃん死んだのに。バカみたい。



12月の事件以降、空っぽのまま過ごしてたら3月になっちゃった。


もう少し心を整理する時間とかさ、くれてもいいんじゃないの?



そうして卒業式は始まった。



終わった。



何も残らなかったから何も覚えてない。


立ってと言われたら立って、座ってと言われたら座った。



「おーう一ノ瀬写真撮ろーぜ!」


「いえーい!ピース!」



古今東西一切合切森羅万象ピースピース。



なりてー、アンデッド。



「それじゃ元気でやれよな、一ノ瀬!」


…振り返ってみると、たくやくんは4年間ずっと一緒にいたな。


なんだかんだ。



なーんの思い出も無いけど。



たくやくんを見てて気づいた。



空っぽのヤツって、もうずっと空っぽなんだなって。


それは私にも当てはまる。



屑なヤツって、もうずっと屑なんだよね。



それを矯正してくれてた人は死んだし。



写真を撮ってぼーっと空を眺めてたら、後ろから声をかけられた。


「…おう、一ノ瀬。」


誰かと思ったら、えいじくんだった。


「久しぶり。就活上手くいった?」

「…いや、ベースで食ってくって決めたからフリーターやるわ。」


ほう、これまた薄っぺらいヤツはすぐ意見が変わるな。


「そっか。頑張ってね、応援してるよ。」

「あのさ、つぐのこと…お前大丈夫なのかよ。」


心配?偽善?どっちにしたってメイワク。


「うん。落ち込んだ時期あったけど、今は大丈夫。4月からは仕事だしね。」

「そっか。なら安心だわ!そこだけ心残りでよ、じゃあ仕事頑張れよ、じゃーな!」



なにが心残りよ。私には残る心が無いんですけど。代わりにくれませんか?



正門前まで移動する。一人で。


はあ…大学で関わった人、あれくらいだったか。



ライブしてた時期もあったから、きっと顔は知られてるんだろうけど。


噂って広まるのが早いからね。


みんな”気を使って”くれてたんだろうね。



そりゃどーも。



私、こんな心理状況でどうやって社会人やればいいのさ。


…。


ああ、そうか。



演ればいいのか。



それだったら私の得意分野だ。


顔だけは良いからね、私。



きっと持ち前の愛想とその他色々で、暗い私は全部隠せる。


実際、さっきだって普通に会話出来たし。



方向性、決定しました。これで進めさせていただきまーす。


の、一服。



「えー本日から編集部門の部長補佐として入る、一ノ瀬さんです!」



はっ?部長補佐?聞いてないんだけど。



「今年はちょっと異例な採用なんだけど、みんな仲良くしてやってくれ!一ノ瀬さん、挨拶よろしく。」



部長って、だって結構偉いでしょ?10年とか20年とか働いて就くとこでしょ?



「一ノ瀬 葵と申します。異例なのは採用だけじゃなく、私もおかしいですがよろしくお願いします!」



とりあえず笑いは取ったけど…後で西園寺さんに聞かなくちゃ。

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