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1章 5

 ルシオの食糧事情に大きく貢献しているダンジョンは三つある。俺は今いた、ルシオの東に位置するダンジョンから南のダンジョンに移動した。


 ルシオ近くの三つのダンジョンは皆同じくらいの大きさの中規模ダンジョンで、ポータルは五層までだ。俺は再びポータル近くで索敵スキルを掛けていった。


 すると、このダンジョンでは第二層と第四層でマナの流れが途切れていた。ダンジョンコアを確認したらダンジョンを出て、三つ目のダンジョンへ向かう。


 三つ目のダンジョンもルシオの南にあり、二つ目のダンジョンのすぐそばに位置していた。俺は三度ポータル近くから索敵スキルを掛ける。


 ふうん、なるほどなるほど……このダンジョンでは第二層でマナの流れが途切れている場所がある。


 んー、これって繋がってるってことか? 確かサリアマーレ帝国で二つの塔型のダンジョンが連動していて、同時に攻略していく必要があると聞いたことがあるけれど、それは世界的にも珍しいダンジョンだと聞いたことがある。


 まさかこの三つのダンジョンも連動してるのか? 確証はないけれど、東のダンジョンでは第四層に異変があり、二番目に入ったダンジョンでは二層目と四層目、三番目では第二層と、状況的には繋がっているように見える。


 俺は索敵スキルによってマナの異変を感じ取ることはできるけれど、その異変を分析することはできない。


 これ以上一人で調べることは難しいと判断し、俺はルシオに向かった。




 ルシオには、常に最前線で戦うことが多い第二軍団と、遊撃を担う第三軍と、魔導兵で編成された第五軍から、それぞれ一個師団が駐屯しているそうだ。


 俺は親交のあるクリスが軍団長を務めている第三軍の訓練所に向かった。


「すいません、この依頼受けたものなんですけど」


 軍隊事務所に入り、目についた人に依頼書を見せる。すると、その事務員? さんは俺の顔を見ても特に表情を変えずに話を聞いてくれる。


「ああ、その依頼ですか。どうされましたか?」

「はい。幾つか異変を見つけることはできたんですが、その異変を分析することができる人が必要で、マケンに連絡を取らせてもらえないかと思って」


 遠方と連絡が取れる魔道具は貴重でまだどこにでもあるわけではないけれど、軍隊ならまず間違いなく持っている。


 事務員さんは頷くと、


「確認してきますので、少々お待ち下さい」


 と言い、俺の名前と身分証を確かめてから奥の部屋に入っていく。


 うんうん、やっぱり第三軍に来て正解だったな。他の軍ではこうすんなりと話が通らない。


 少し待つと事務員さんが戻ってきて、「こちらへ」と奥の部屋に案内される。


 奥の部屋の事務員さんの上司は、ルールだから、と俺の名前や所属を確認してから魔道具を貸してくれた。


 最初はマケンの何処かの部署の責任者が出たが、ユルマズに代わってもらうと話はスムーズに進む。


 ユルマズは早速助っ人を送ると言い、明日の朝には着くだろう、とのこと。


 ユルマズに礼を言って魔道具を切り、次いで事務員さんとその上司に礼を言って事務所を出て、ルシオを出たらそのまま昨日宿泊した宿に向かった。


 この依頼はルシオの兵士達にとっても重要な依頼なので、事務員さんは何か聞きたそうにしていたけれど、まだ正確にわかっていることは何もないからね。俺は宿で晩飯を食うと、さっさと寝ることにした。




「おはよーございまーす」

「……どうも。早速ですが、案内していただけますか?」


 ルシオ東のダンジョン前で待ち合わせの約束をしていたので、助っ人さんに明るく挨拶をしたのだがいつも通りの塩対応だった。


 まあ良いでしょう。俺は広い心で彼の仏頂面を受け入れてダンジョンに入る。


 第四層の広間に行くと、またオークジェネラルが取り巻きと遊んでるので蹴散らしておく。


「ほう……」


 助っ人は広間に入ると声を漏らす。早速分析、解析に夢中になっているので、俺は声を掛けたりせずに護衛に徹する。


 モンスターの群れを三度倒すと助っ人から声を掛けられる。


「ここの分析はこれくらいで良いでしょう。ダンジョンコアに向かって下さい」

「ほーい」


 ここのダンジョンボスは大量の取り巻きを引き連れているので、取り巻きの掃討は助っ人にも手伝ってもらった。その方が早いからね。


 ダンジョンコアが安置されている小部屋に入ると、助っ人は再び分析に夢中になる。俺は床に座り、タブレットで時間潰しをした。


 ……多分そこまで長い時間は経っていないだろう。俺がタブレットでマケンの情報を漁っていると、助っ人から強めに声を掛けられる。


「シマモトさん! そろそろ次のダンジョンにお願いします」

「あ、はいはい」


 俺はタブレットを閉まって立ち上がる。




 二番目のダンジョン、三番目のダンジョンでも助っ人は同じように分析する。


 分析が進むに連れ、「そういうことか……!」とか、「これは発見だぞ……!」とか、助っ人のテンションはどんどん上がっていく。どうやら連動してるのは間違いないように思える。


 そして三つ目のダンジョンコアを分析し終えた頃には、


「三つのダンジョンを連動させれば……これを発表すれば俺は……!」


 などと、妄想の世界の住人になっていたので、


「終わったー?」


 と声を掛けて現実世界に引き戻してあげた。


「え? あ、ああ。分析は済んだが修復には専門職が必要だ。救援を頼もう」

「あいあいー」


 俺の呼びかけで意識を戻した助っ人は表情を取り繕って言う。それなら、と俺達はダンジョンを出てルシオに向かう。


 俺は第三軍の事務所に行こうとしたが、助っ人は魔導兵で編成された第五軍に向かうと言う。まあそうか。マケンは第五軍とも関わりが深いしね。


 助っ人が身分を明かして事情を説明し、遠距離通話が可能な魔道具を貸して欲しいと頼むと、実にあっさりと話が通る。


 魔道具が置かれている部署の責任者の部屋に通されると、助っ人が口を開く。


「機密に関わる話をしますので、これ(・・)を使っても構いませんか?」


 そう言うと助っ人は防音結界を張る魔道具を取り出した。責任者は頷いて言う。


「構いませんよ。どうぞ、お使い下さい」


 助っ人は礼を言って丁寧に頭を下げると、結界を張ってマケンに連絡する。


 助っ人は通話を終えると結界を解いて責任者に礼を言う。


「ありがとうございました」


 そして、少し考えた末に責任者に伝える。


「……まだ確実なことは言えませんが、順調に進んでいると思います。ユルマズ様が来て下さるのできっと!」

「そうですか! あのダンジョンはルシオの命綱ですからな!」


 責任者は助っ人の言葉を聞くと喜び、助っ人の両手を力強く握った。


 ふむ……この間俺はまるでいないものとして話が進んでいる。まあ良いか。実際ダンジョンコアを修復するのは彼等の仕事で、俺は三つのダンジョンを巡って異変を見つけただけだ。


 第五軍の事務所を出たら助っ人に告げる。


「じゃあ後はあんたらの仕事だから、俺は帰るよ」

「……そうか……おい……」


 助っ人は何やら言おうとしていたようだが、俺は気にせず王都に向かって足を早めた。




 王都に戻り、マケンに帰るとユルマズはすでにルシオに向かっていて留守のようだった。


 それならば、と俺はのんびりしようと思ったが、ユルマズの部下に呼び止められた。


「ユルマズ様からあなた向けの仕事を預かってます」


 ちっ、と内心で舌打ちを打ちながら依頼書を受け取る。


 中を見ると、案の定どこかの貴族から阿呆みたいな指名依頼が来ているので、それはそこらの机に投げ捨てておく。


 一つ配達業者が困っている、という依頼があったので受けておいた。


 横を見るとユルマズの部下が機嫌悪そうに俺が投げ捨てた依頼書を拾っているので、声を掛けておいた。


「おつかれー」


 俺は寮に戻って休むことにした。





正直、書き上げてから食料が手に入るダンジョンは、最低でも一つはルシオの中にあるべきだな、と思いました。そうじゃないと、戦争になった時に食料を手に入れられなくなってしまうので。

でも、これは自分の力不足だということで、書き直さずに残しておくことにしました。


読んでいただきありがとうございます

よろしかったらブクマ、評価のほどよろしくお願いします

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