表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/36

エピローグ 

 王様に婚約を報告した半年後、俺達は正式に婚姻を交わした。


 ちなみに、派手な結婚式などはしていない。俺達は平民だからね。軍団長達やカフェのマスターなど、親しくしてる人達を招いてパーティをしたぐらいだ。


 もちろん王様は呼ばなかった。パーティの翌日に正式に結婚したと報告しただけだ。


 また、俺達が結婚した一年後には、大地さんが結婚した。平民の大地さんも親しい友人だけを呼んだパーティを開催し、やはり王様は呼ばれなかった。




 ところで、新婚の俺達だが、実のところ関係性はあまり変わっていない。俺がローテムさんの屋敷に引っ越したことで生活は多少変わったが、思っていたような甘いキャッキャ、ウフフはなかった。


 一緒にお酒を飲んでも、


「シロー、明日も早いんだろう。そろそろ寝た方が良い」


 こんな感じ。


 ただ寝室は一緒になったから、以前お泊りしていた時とは寝る場所が変わったけどね。


 後はお気に入りの場所を教えあった。俺はいくつかのカフェにローテムさんを連れて行き、ローテムさんには季節によって変わる、色とりどりの花畑がある公園に案内してもらった。


 ローテムさんに連れて行ってもらったお花畑は確かに見事で、ピクニックシートを敷き、お手伝いさんに作ってもらった弁当と紅茶を頂いたら本当に心が癒やされた。


 また、ローテムさんもカフェは気に入ってくれたようで、ローテムさんの提案でカフェに行くことも増えた。二人で、あるいは大地さん達も一緒に大所帯で行くこともある。




 軍団長の人事にも動きがあった。元々王様を敬う気持ちがなかった大地さんは、結婚を機に第四軍団長の辞職を願い出た。


 王様は困惑したが、ここで第五軍団長のフラックさんも年齢を理由に辞職を願い出、更に大地さんを後任に推薦する。


 実はこの件については全く話し合っていなかったそうで、大地さんも驚いたそうな。


 結局フラックさんの推薦が通り、元々魔法が得意な大地さんは第五軍団長に任命され、空いた第四軍団長には、今やタンクとして前第四軍団長のロクタンズを超えたと評判の渚さんが任命された。


 


 ノールさんは相変わらず最前線で暴れている。ただ、ノールさんの名誉のために言うと、ノールさんは決して好き勝手に暴れているわけではない。国民から寄せられる依頼を解決するために戦い続けているのだ。


 クリスはいつも飄々としているようで、本当に働き者だ。第三軍団の機動力の高さを活かし、国内、国外問わず積極的に軍団を動かして情報集めに奔走している。ローテムさんにとっても、欠かせない情報源だ。


 大地さん率いる第五軍団も案外忙しい。第五は魔法使いで集まる魔導軍団だ。軍団長レベルは別として、基本的に魔法使いは接近戦が苦手で、魔法使いのみで戦闘をするのは難しい。そのため、第五軍団は基本的に他の軍団のサポートに回ることが多い。


 魔法も属性によって色々な種類があるので、攻撃魔法や回復魔法が得意なものは第二のサポートに回され、消音魔法が使える風属性や、気配を消せる闇属性に適性があるものは第三に回され、バフデバフが得意なものは、その時々で両方に回される。また、土属性が得意なものは国内各地の大きな土木工事にも回され、大地さんも兵士の管理に手を焼いているようだ。


 そして第四軍団長に任命された渚さん。王様に対して敬意がない渚さんは、第四軍団長の地位に日々不満を漏らしている。寿退社を狙って本格的に婚活に手を付けたようだ。

 しかし、ここ数年での成長に限れば、最も成長したのは渚さんかもしれない。先日ノールさんと模擬戦をしたが、ノールさんの猛攻をガッチリ受け止めていた。タンクなので攻撃力が低く勝つことは難しいが、その守備力はノールさんも感心していた。




 一つ、俺にとって重要な出来事があった。ローテムさんと結婚して三年後、俺は遂に模擬戦でローテムさんに勝つことができた。


 もちろんローテムさんは足をあまり使わない、受けて立つ戦法で本気で戦っているわけではなかったが、それでも俺にとっては大きな一勝だった。


 実際、それが何かのきっかけになったのか、俺はそこから急成長し、半年後にはノールさんに勝ち、更に半年後には本気モードのローテムさんにも勝つことができた。


 そして俺は決意した。本気で邪神討伐を目指すことを。


 ローテムさんは邪神討伐はしなくて良いと言ったが、やはり邪神による被害は日を追うごとに広がっている。誰かがやるべき事だし、それは俺が知る限り世界最強のローテムさんに勝った、俺の仕事なんじゃないかと思う。そもそも俺は邪神討伐のために召喚されたわけだし。


 意を決してローテムさんに決意を表明すると、大いに反対された。というか、むしろ怒られた。もしかしたらローテムさんに怒られたのは初めてかもしれない。正直ヘコむが、でも俺には邪神を討伐したい大きな理由がもう一つあった。


 実は、二年前に俺達に子供が生まれたのだ。可愛い女の子で、俺達は『マヤ』と名付けた。


 マヤの明るい未来のためにも邪神は討伐するべきだと思う、と心を込めて説得すると、最終的にはローテムさんも折れた。その代わり、一人で行くのは駄目だと言われる。


 そして真剣に国で協議した結果、俺プラス、王様を除いた全軍団長の五人でパーティを組んで討伐隊を組むことになった。


 軍団長全員が出払うとなると、国にとっても大きな負担となる。が、もしもランドレス王国主導で邪神討伐が成功したとなれば、これは国にとっても非常に大きな成果となり、ランドレス王国は諸外国に対して大きな発言権を持つことにもなる。


 四人の軍団長を参加させることに王様は相変わらずゴネたようだが、ローテムさんの理路整然とした説明に反論できず、結局認めるしかなかったようだ。


 また、補給班の随行も考えられたが、邪神に近付けば近付く程、補給班を守ることが難しくなるだろう、という理由で補給班の案は却下された。




 ランドレス王国は、軍団長がこぞって国を離れ防衛力が低下したが、邪神討伐のために全てを注いでいる国に攻め込めば、それこそ世界中の国から避難が殺到するのは火を見るより明らかだ。むしろ近隣の国からは援助すらあったそうだ。


 俺達の邪神討伐行は一年以上に及び、真剣に三度程死にかけたりもしたが、奇跡的に一人の犠牲も出さずに邪神討伐に成功した。


 実際にノールさんは、


「最前線で戦う、俺かナギサは死ぬかと思ったけどな」


 なんて言っていた。


 また、邪神を討伐すると、周囲のマナの雰囲気が変化したことが感じられた。これは、索敵スキルでマナが感じることができる俺や、魔法適性が高い大地さんだけではなく、魔法が使えないノールさんや渚さんも強く感じたと言う。


 邪神がいたダンジョンを出て、最寄りの街に寄って住民に話を聞くと、戦闘能力のない一般人でもマナの変化を強く感じたそうで、なんとなく、本能的に邪神の討伐に成功したのではないか、と感じられたと言っていた。


 その後、寄る街、寄る街で歓待の誘いを受けて時間を取られるが、


「まずは何はともあれランドレス国王に報告せねばなりません」


 と、できる限りの中で帰還を急いだ。


 王都に戻って邪神討伐の報告をすると、国を挙げての大騒ぎだ。


 何やら新しい祝日を作り、祭りをすることになった。王都で最も大きな広場で、この人達が邪神を討伐しましたー、と盛大なパレードをするそうだが、面倒臭そうなので俺は辞退した。


 ノールさん達も全員が面倒臭そうにしていたが、彼等は王様の配下なので断ることができず、しばらく見世物にされたそうだ。


 しかし、面白いものだな、と思う。あの王様はバ……賢くないと評判だが、これで邪神討伐に成功した名君、と後世に名を残すことになっただろう。


 正直召喚術で人さらいをしても、なんとも思わないような人間が名君と呼ばれるのは少し複雑だが、ランドレス王国に限らず、世界中で貴族ではない平民に笑顔が溢れている。まあそれなら良いか。


 邪神がいなくなったので、これからはモンスターも減り、軍に寄せられる依頼も減るとノールさんも言っていた。


 そうすれば俺はローテムさんとマヤと、三人で穏やかに過ごすことができる。もう一人ぐらい子供が欲しい気もするけど……ローテムさんに相談してみようかな?




長々と拙作を呼んでいただき、誠にありがとうございました


正直なところ、思うところ、反省点は多々あります。ステータス活かせなかったなぁとか、この設定要らなかったなぁとか。他様々。


この経験、反省点を次に活かすべく、執筆を続けたいと思います。皆様、よろしかったら次作もよろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ