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道化師の箱  作者: たま
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プロローグ


はじめまして、作者のたまです。この作品は私の初作品です。なので、誤字や表現が至らない部分もあると思いますが、こうしたほうがいい、と思うような所がありましたら、ご忠告いただけると嬉しいです。

では本編の方へどうぞ。


第三次世界大戦が起こり、人類の三十パーセントが大戦に巻き込まれ、人口が減少した世界。

大戦に使われた新型兵器パンドラ。その力は『生物の遺伝子を書き換え、異能力を植え付ける』というものだった。日本でパンドラは開発され、アメリカで使用され始める。アメリカは敵である中東諸国にパンドラによって強化された兵を使い、勝利をおさめた。

だが、大戦で勝利しても大衆の倫理観に反するこのパンドラ、それにより生み出された能力者は大衆の支持を得られないと悟ったアメリカと日本の両政府はその存在を隠す為、一般人には大戦の情報をほとんど開示しなかった。




しかし、前大戦から三年もすると裏の世界では能力者達が認知され暗殺、抗争、犯罪に用いられるようになった。能力者の圧倒的な力が各国の治安を悪くするのに時間はかからなかった。能力者の影響を受けたのは第三次世界大戦の直前に君主制になった日本も変わらず、これ以上の治安悪化を恐れた皇族や政府、警察庁は『目には目を』という考えで能力者による捜査課『P.P.P(PANDORA.PEOPLE.POLICE)』を設立。これにより、治安の悪化が食い止められるかと思われた。

だが、『P.P.P』を設立しても治安回復には至らなかった。増える能力者達に歯止めをかけることも出来ず、治安は悪化の一途をたどり、もともとの法律の緩さや、政治家達の腐敗なども重なって、いつしか日本は犯罪大国世界第一位になっていた。




日本軍研究施設――――

「ふぅ、やっと完成だ。」

この博士の一言で、研究室にいた全ての研究員達は安堵の表情を浮かべた。中には抱き合って喜んでいるものもいる。


「あとは軍に渡せば仕事も終了だな。」


博士も椅子にもたれかかりながら、すっかり冷えたコーヒーを口に運ぶ。


「しかし、軍も難しい仕事を渡してきますねぇ。普通の研究者ならこんな研究、途中で放り出してしまいますよ。だけどやっぱり宮田博士は違いますね。軍から要求された以上の仕事をやってのけるなんて。やっぱり博士は格が違う。」

と、研究員の一人が博士に話しかけた。


「止めてくれよ、そんなお世辞。だいたい、仕事なんだから気になる物は調べとかないと、もしそれが原因でこの兵器が問題を起こしたらどうするんだ?それこそこの研究所がとり壊されかねないだろう?」


と苦笑いを浮かべながら、博士は研究員に言った。その言葉に研究員は、


「いや、軍が宮田博士ほどの研究者を手放すわけないじゃないですか。何せ、二十一歳で軍の研究所の主任になり、様々な研究を成功させ、様々な賞を総なめにした天才なんだから。」


とさらに誉め称える。その他の周りにいる研究員も頷ている。博士は困ったように笑いながら誤魔化すしかなかった。その表情には、複雑な感情がひしめいていた。しかし、そんな博士とは裏腹に、研究室内は賑やかなムードだった。ガラス一枚を挟んで人を殺す兵器があることも忘れて。

しかし賑やかで笑いに満ちていた研究室は銃声が響いたことで悲鳴と恐怖に支配された。






 一時間後、そこに研究結果である兵器〈パンドラ〉の姿はなく、あったのは研究員の死骸と壊された研究データだけだった……… 。

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