東洋の呪い
結構、ダークな内容ですがコメディータッチで頑張っていきたいと思います。
壁の立て看板に人相書きが貼り付けてある。名は『城宗凪』――手配書だ。
時は●●年の首都東京。大和国。
第三次世界大戦の焼け跡で建材、何かの機械の残骸、地下で破裂した水道管、バラック小屋がそこかしこに見える。
――焼け野原。人々はその影響から日々の糧となる物を漁り、奪い合い、時に闇雲に命を落とす。
今や東京二十三区は弱肉強食の無法地帯。まるでサバンナだ。
そんな中、人々は皆それぞれの想いを持って立ち上がる。これは本来の大和国ではない。かつての栄華を取り戻す為に……!
腰に帯刀して武士、侍を騙る者。
クナイや手裏剣を携える忍者、くノ一。
仕舞いには薙刀で威嚇する僧兵。
大和国――首都東京は戦前、世界でも有数の産業都市として栄えていた。資本主義国家の一つである。
今は、闇市こそ開かれてはいるが……そんな張りぼてがいくら群れを成そうと――これまであった煌びやかなアウトレットショッピングモールに敵う筈はない。
世界でも有数の大企業が、資本家、資産家がこれまでの大和国を金で支えてきた。
大和国はその昔、金の名産地としても有名だった。
余りにも多く採掘出来る事から『黄金の国』としての異名も持つ。
一時、国内で銀の方が価格高騰した事がある。
その際、頻繁に他国から貿易を迫られ大量の金が世界に出回った。
大和国で価値の低い金を安く買って、自国で高く売り捌くのだ。そうやって私腹を肥やす輩が後を絶たなかった。
そんな国だからこそ……IT等のグローバル化が進む大和国。首都東京は真っ先に敵国に狙われているのだ。
だが……ここにいる開拓民は皆、一筋縄ではいかない。先程挙げた連中の通り、あまりにも我が強すぎるのだ。
更に彼らの様な輩に限って必ず『理』と呼ばれし東洋の呪いを心得ている。
読んでくれた方に心から感謝。