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豚と少年

作者: 焼かれた芋々

かんぬきを外し、重い扉を開けた。そういえば、かんぬきって閂と書くんだっけ。二枚の扉を突き抜けて門を閉ざす棒。この文字よくできてるな、そう思いながら中に入ると、暗がりから人影が喋った。「おぅい、たかし、遅かったじゃねえか?」小屋の中ではそこかしこに豚がいた。たかしを目にとめた豚が一斉に周りに集まる。ぶひぶひ。異様に思えるかもしれない。でもたかしにとっては見慣れた光景だった。そしていつまでも見ていたい光景だった。「明日には、な。今日は丁寧にブラッシングするさ。」


明日、か。豚はどこにいくんだろうか。まずはおじいちゃんのトラックか、次はなんだ、なにかの施設か、きっと、コンクリートに囲まれた冷たい部屋…。いたたまれなくなり小屋を立ち去った。扉を閉めようとすると、さっきあけた棒が目に入った。「よし。来い!」その一本をそっと抜き取ると、口笛をふいた。たかしはどんどん走った。青々とそびえ立つ木々、一面の花。一本の橋を抜けると、どこまでも続く田んぼの先に冷たく切り立った山が待ち構えていた。「超えられない。」振り返ると無数の二点が励ますようにたかしを見つめていた。「そっか、超えられるか。」

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