表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

一.




 街があった。だが、人気が全く無い。

 そこから街外れの近くに陣取る、軍と思われる兵士の群れ・魔法使いの集団があり、後方にテントが幾つも張られていた。


 反対側にも、兵士の群れが前線に、魔法使い達が後方に備え、中間には弓矢隊がいる。この軍は、街外れに陣取る軍と相対していた。


 今にも、両軍は衝突しそうな雰囲気だった。



 すると、街外れに陣取る軍へ向けて、剣を抜き、口を開く者がいた。

 「これより、帝国軍から街を奪還する! 進軍開始!」

 指揮官らしき男は、帝国軍へ向かって馬を進めていく。

 兵士達も続く。



 それを見て帝国軍も進軍する。



 距離が詰まっていき、程なくして、戦いが始まった。



 帝国軍の後方の一つのテント内──


 椅子にふんぞり返っている男がいた。

 傍らにはもう一人若い男がいる。

 「指揮官殿! 失礼致します!」

 そう声を上げ、テント内に入ってきたのは兵士だった。


 「何だ? 騒々しい……」

 椅子に座っていた指揮官は、煩わしく言う。

 「報告があります! 我が軍が圧されています!」


 傍らに控える若い男が、口を開く。

 「どう致しますか?」

 指揮官は、イライラを顕わにしつつ。

 「決まってるだろう! アレを使え! 何のために持ってきてると思ってる……」


 「はっ! 了解であります!」兵士は、テントを出ようとする。

 その時、兵士の首から赤い液体が噴き出した。

 すると、力無く倒れたのだった。

 首には切り傷。それが原因だった。


 「そうはさせないよ……」ふと、どこからか、少年らしき声が響く。


 指揮官は、「な、何だ!? 何処にいる!」と立ち上がり、テント内を見る。その時、突然、何かを浴びた指揮官。

 傍らにいた若い男の首から血が出たのだった。

 男の首は下に落ち、僅かに転がって……止まる。


 「ひっ!」指揮官は外に逃げようとする。

 が、声が響く。「次はお前だ……」同時に、指揮官の首が宙に舞う。首が落ちると共に、身体の方も力無く倒れるのだった。


 息をふぅっと吐く音がした。

 すると、その場に、何かがうっすらと見えてくる。

 徐々に濃くなっていき、はっきりした時、見えたのは少年だった。年は十代半ば、いや、それより下に見えた。


 髪は暗い茶色で前髪で片目を隠している。服は黒色を基調としており、下に身に着けている服は、膝丈のゆるめなショートパンツ、それにタイツを着用していた。


 手には血にまみれた長剣と短剣の間の長さの剣。


 少年は、右手の甲を顔に近付ける。急に右手の甲に、紋様が浮かぶ。

 すると、少年は喋りだした。

 「こちら、エルト……任務完了」

 少年・エルトは、何かを待つように黙った。


 ……少し間を追いて、エルトはまた口を開く。

 「了解……これより、合流します……」





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ