旧約聖書 創世記2章 祝福されし子供たち
※この物語はフィクションです。
この聖書がこの世界の考え方の基本になってます。
〈旧約聖書 - 創世記2章 祝福されし子供たち〉より抜粋
主は死の世界を嘆き御身を削って世界を救った。
主ははじめに三匹の賢い獣たちを創造した。
始めに彼らに世界を与えようとしたが地を這う獣は神に牙を剥き、空を飛ぶ獣は神を見下し、水を泳いだ獣は全てを独占しこの世を砂漠へ変えた。
主はたいそう怒り地を這う獣から知識を奪いお互いを憎しみ合い奪い合う存在に変えた。
それから空を飛ぶ獣を小さく貧弱で空を飛ばねば生きていけぬ体に変えた。
水を独占した獣は深い深い水の底へ沈められ臭く弱く見にくい姿へ変えられた。
主は考えた。
そして数日後、主は自らを模して人間を生んだ。
彼らは自由に動き主をみて驚いたが牙を剥くことはなかった。
彼らは空を飛ぶ方法を思いついたが主を見下すことはなかった。
彼らは海へ向かったが平和に分かち合った。彼らは隣人を思い自らを産み落とした主を認識し、崇拝した。
賢い彼らを主は人間と名付け祝福した。
主は安心して姿を隠した。
主は見えず共、人間を見守っている。
主は賢き良き人間に祝福を与えた。
故に祝福を持たぬ人間は悪しき人間なのだ。
発行日 1998年2月6日 初版第一刷発行
印刷 柳葉北方印刷
製本 三柊出版社
発行 XXX聖教会
次から本文始まります。
本文が短いので閑話でも。
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閑話 1 司書の独り言
パレルソン=ペリプラメノスです。
超能力者です。何のですって?私と貴方はまだそこまでの仲ではないでしょう。ああでも名前から察してくれてもいいのですよ、私はねぇ。
私は私の図書館で司書をやってます。ああ誰もきませんよ。公開してませんからねぇ。呼び方?ええ、ではルソンかメノスでいいですよ。
へぇ、〈旧約聖書 創世記2章 祝福されし子供たち〉ですか、馬鹿馬鹿しい話だとは思いませんかねぇ。
私は神なんて信じませんよ、何より面白くない。
ああ……ああ、もちろん私も読みましたよ。旧約聖書。
聖書っていうのは時代によっていろいろ変わるものですねぇ。
この世界の聖書もいつかは変わるものでしょうか。
そういえばそちらの世界では新約聖書や旧約聖書の約は約束の約らしいですねぇ。間違えても"訳"ではないみたいですね。
それで何の約束なのかと言いますと、旧約聖書の約束は確かイスラエルに住む人はと、いずれ救世主が現れるだろうっていう話ですね。
キリスト教で言えばイエスがその救世主に当たります。ああでも宗派によっていろいろ違うらしいですねぇ……そんなこと私も聞きました。
イスラム教で言えば預言者ムハンマドらしいですねぇ。
そちらの世界はいいですねぇ……たくさんたくさん宗教があって楽しそうですねぇ。
end
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