後悔からまた怒りへと
あれから1ヶ月が経った。
毎日悩みに悩んで時間を過ごしている。
奏音のためにも離婚はしたく無い。いや恵自身も夫とやり直したいと思っている。家庭を守りたい、3人でまた以前の様に幸せに暮らしたい。でも、、いくら恵がそう望んでも現実には、、。
自分を反省し責める。そして夫を恨む。それを繰り返し、、結局、苦しみ、不安になり、夜も良く眠れない。遂に、この頃は感情のコントロールが出来なくなっていた。
奏音が当たり前に発する、
「パパ〜パパは〜?」
「パパ〜まだかえってこないの?」
当たり前の言葉にイラついてしまう事もある。奏音は何も悪く無いのに、、それを充分に分かっていても、彼女に怒りの矛先を向けてしまう時がある。そしてその後の自己嫌悪。その繰り返し、、この苦しさがいつまで続くのだろう?
それでも今日は奏音にせがまれ、近くの公園にやって来た。久しぶりのお出掛けにはしゃいでる奏音を見て、申し訳ない気持ちになった。奏音は嬉しそうに滑り台に向かって勢い良く走り出した。改めて彼女を愛おしいと思い、、つい目が潤んだ。ふと辺りを見廻すと、桜の花びらが散り始めている。このひと月、季節を感じる事も無かった。そうか、もう桜の時期になっていたのだと今更ながらに思う。
その時だった。若い女性が目に入った。スラリと伸びた足が美しい。爽やか笑顔で景色に見入っている。
それを見ていたら急に、、あの女性、夫と一緒に歩いていた彼女を思い出した。何の関係も無い筈だが、、恵の中に訳の分からない黒々とした怒りが湧いてきた。
(※ タロットカードと旅をする 涼織作 第10〜12 OSHO禅タロットカード〜公園の人 1から3 参照)