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絶望へと

翌日、恵はとにかく夫と連絡を取りたいと思った。だから何度も電話を掛けたが、ずっと留守番電話のままだった。仕方が無いので、会社に電話しようと思った。けれどそれをするのには、やはり躊躇ためらいがあった。でも、、それを何回か迷った挙句、、

『どうしてもただ待っているのは嫌だ、話がしたい。』そう思い至った。そこで思い切って電話を掛けた。

「高木ですが、主人がいつもお世話になっております。仕事中申し訳ありません、どうしても子供の事で連絡を取らなけれいけない事がありまして、、。」心臓が飛び出すのではないかと思う位、バクバク音を立てている。恵は自分がかなり動揺しているのを感じた。

ところが、、

「もしもし、、あの、高木さんは、その、、本日も休暇を取っておりますが、、あの、。」

相手の方もかなり慌てた様子で答える。恵は、もしかしてとそうかもしれないと、思っていなかった訳では無かった。けれどやはりショックであった。

「あ、すみません、私の勘違いでした。」そう言って電話を切るのが精一杯だった。

玄関でそのまま座り込む。私が今日電話をした事で、会社での立場は気不味いものになるであろう。けれど、では私は一体どうしたら良いのだろう?そして夫の方はこれからどうするつもりなのだろう?考えれば考える程分からなくなっていった。


そしてそのまま1週間が経った日〜夫から、奏音名義の1千万円が入った通帳と印鑑、そして離婚届が送られて来た。すまない、とだけ書かれた小さいメモ用紙と一緒に。

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