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怒りと不安

 その夜恵は、一睡も出来ずに朝を迎えた。頭の芯がズキズキと痛む。とうとう夫は帰ってこなかった。まさかこのままという事も無いであろうが、、一体どうしようというのだろう。昨日の動揺はかなり納まったが、と言っても完全に落ち着いた訳ではない。むしろ冷静に考えようとすると、あれこれ色々な事が同時に出てきて混乱してしまう。夫は優しくて、、いや、もしかしてそれは見せかけだった?昨日から何度同じことを繰り返し思った事だろう。私の隣では、奏音がまだすやすや眠っている。その顔を見つめながら、また考えてしまう。夫はかなりの子煩悩で奏音の事は可愛くて仕方が無かった筈だ、、けれど、それも女性が出来ると変わってしまうのだろうか?


ふと枕もとの時計を見ると、もう7時に近い事に気付く。もう起きないと、、怠い(だるい)体を無理やりに起こした。眠れなかったからであろう、体中に疲労感が残っている。それでも台所に行き、珈琲を沸かして飲むと、少しすっきりした気がした。8時になったら奏音を起こして朝ご飯を食べさせて、、。今日は音楽教室の日だわ、、その後、いつもなら、、同じ教室のママ友と子供達と一緒にファミレスでランチだけど、、何か気が重いな、、そんな事を考えながらテレビを付けた。ちょうど7時のニュースが始まったところだ。ぼんやり見ていると、、


【夫に首を絞められ、その苦しさに抵抗しようとして、傍にあった置物で殴った。それが運悪く、打ちどころが悪くて夫が亡くなった。正当防衛が認められるのか?過剰防衛になるのか?】

(※『私のいる場所』しおり作 参照)


アナウンサーが話している。それを聞きながら、、恵は夫婦って本当に分からないと思った。昨日までは確かに穏やかに暮らしていた。けれど今はと言うと、これから何が待っているのか、どうなるのか分からなくて途轍もなく(とてつもなく)不安である。奏音がいるから、まさか離婚という事は無いと思うが、、それも決して保証されている訳はないのだ。







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