憂鬱の続き
「エリちゃんとっても可愛い。素敵ね~。」
奏音はいつもの様に私とお人形ごっこをしたがっている様であった。
「奏音、ママ少しお休みしたいんだけど良い?」
「ママ~びょうきなの?だいじょうぶ?」
「うん、ちょっと疲れちゃったの。お休みしてば直ぐ良くなるから、、奏音、ひとりで遊べる?」
「うん、かおん、あそべる。」
「良い子ね。」
私はそのままソファーに横になって目を瞑った。頭の芯に重い痛みを感じる。考えても仕方ないと思いながら、どうしても同じ場面を思い出してしまう。どうしよう、どうしたら良いんだろう?頭の中を同じ言葉がぐるぐる回る。その時、家の電話が鳴った。仕方なく起き上がり玄関へ向かう。
「はい、高木でございます。」
「もしもし、〇〇会計事務所の佐々木と申します。お休みのところ本当に申し訳ありませんが、ちょっと確認したい書類がありまして、、」
恵は『休み』の言葉にはっとして言葉に詰まった。
「あ、、いつも主人が、、お世話になっております。あの、すみません、今出掛けていて、、帰りましたら直ぐに連絡するように申し伝えます。」
「すみませんが、それでは宜しくお願いします。」
電話は切られたが、恵はそれを手にしたまま呆然としていた。もしかしたらとは思っていたものの、現実に休みを取っていた事実を突きつけられると、改めてショックを受けた。