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やっと自分を取り戻す

栞のメッセージ部分に少し加筆させていただきました。(12月13日㈮ AM 9:00)

もう駄目、限界だ、、。恵はもう何も考えられなくなっていた。奏音の事さえも煩わしくなってしまい、、実家の母に訳を話し預かってもらう事にした。今はただゆっくりと眠りたい。病院で処方された薬を飲み、早めに床に就いた。そして泥の様に眠り続けた。


そして、、長い長い眠りに落ちた。


『夏の或る日だった。夫と奏音と三人で海に出掛けた。私はパラソルの下で、夫と奏音が楽しそうに遊ぶ姿を見ていた。私も笑っていた。

秋の或る日には、紅葉狩りに出掛けた。落ち葉を拾ってはしゃぐ奏音。それを夫とふたりで見ている。

冬のある日、三人で雪だるまを作った。頬を真っ赤にした奏音が雪と遊ぶ姿を見ながら、私は、、。』っとそれが途切れると、恵は別の場面を見る。

『此処はどこ?私は一体?? すると何故か急に桜の樹の下にいた。そして奏音が私を呼んでいる。ママ~ママ~こっち、こっちだよ~~。奏音、何処~?何処にいるの?どんなに呼んでも、何処を探しても奏音はいない。どうして?もう奏音には会えないの?』


その時だった。恵に一人の若い女性が、微笑みながら近付いて来る。何となく見覚えがある気もするが、、何処かで会った事があるのだろうか?

彼女が話しかけてくる。『今日はおひとりなんですか?あの可愛らしいお嬢さんは一緒じゃないのかしら?いつも仲の良い母子で羨ましいと思いながら見てたんですよ。』あなたは誰?どうして奏音を知ってるの?

『初めまして、私は栞。あなたに会うためにこの公園に来ました。あなたの怒りを感じて、、何か出来る事は無いかと思ったんです、私、あなたに力を分けてあげられますから、、。』

公園?怒り?力?? そう言えば、、何日か前、久しぶりに奏音と出掛けた公園を思い出した。桜の花が散り始めていて、、。


彼女はそのまま話し続ける。『恵さん、あなたが今辛い立場にいるのは良くわかります。でもあなたには生き甲斐があるではありませんか?奏音ちゃん、彼女が正にそうですよね?彼女のために頑張れませんか?』

そしてその後彼女は恵に向かって光を放った。それは~とてもまばゆく暖かい物であった。それが体の奥に心のみなもとまで入ってくる。一体これは?、、っと、、そこで恵は、、はっとして、、そして目が覚めた。


気付くと、、全身汗でびっしょりだった。そして、、やっと今まで見ていた物全てが夢だった事にも気付いた。暫し呆然として、、そして、、奏音、奏音は何処?恵はそこでやっと自分を取り戻した。そうだった、自分にとって奏音がどれ程大切な存在だったのかを、、。辛い、苦しいなどと言っている場合ではない。そう、自分には奏音を育てる責任があるのだ。そう思えたら何となく勇気が湧いてきた。

ゆっくりと起き上がり、顔を洗い服を着替えた。そして母の元へ奏音を迎えに行こうと思った。


ただの夢であった。けれど、、たったそれだけの事であったが、恵に大切な物を思い出させてくれた。夫との事はもう仕方が無いのかもしれない。だから奏音には仕事で遠くに行ったとでも言おう、、そして自分ひとりで立派に育てていこう、、きっと。

恵はそう自分自身に誓った。






恵はやっと一番大切な事に気付きました。

彼女のこれからの幸せを祈ります。


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