勿体無い
山中は改めて装備の確認をした。戦闘以降で初めて気づいたことが、山中はM40A5というスナイパーライフルも持っているが、それに対応する7.62mm弾もあった。即ち所持している銃の弾薬は全て弾があり、すぐにでも実践投入が可能であるということ。
「よく見れば本当にご丁寧に『7.62mm』と箱にも書いてあるじゃん…。でもやっぱりだけど、マガジンは買った分しかないのな。こいつどうしようかなぁ…。」
M40A5の使い道がはっきりしていない。というのも山中は長モノを3挺、ハンドガン1挺と1人で武装する分には多すぎるくらい長モノを持っている。そして何より山中を悩ませる原因となっているのがSEAL Recon Rifle(偵察狙撃銃)。416Dとマガジンが共用できてしまう。予備マグも416D用が6本と充分あり、人に一式貸し出せるほどだ。それだけ十分に揃っていたため、それがM40A5の存在意義を消してしまうのであった。M40A5は本体付属のノーマルマガジンたった1つのみである。
「スコープもサイレンサーも全部リーコン用で、スリングも416Dとリーコン用にしか買い揃えてないから持ち運ぶのも大変。現実を鑑みれば置いておくのが現時点では賢いかもしれないけど、手放したくないし、人手が増えてきたら持ってて欲しいしなぁ…。」
ふと山中は気づく。
「ん?待てよ。いずれ野島と合流しなきゃいけないから足を用意しなきゃいけない。手元には車が無いからこの起きてるかもしれない騒動に乗じて誰かのものを拝借して行くしかない。しかしその前に外の様子も見なければならない。もし万が一さっきの化け物がうろついてたら…。」
山中は閃く。
「7.62mmはこいつでしか使えないし、ある分を全部外にいる化け物にぶつけるか。」
山中はリーコンライフルに付いていたスコープ、サイレンサー、バイポッドを全てM40A5に付け替え、マガジンに弾を込め、弾薬ケースとライフルを持って部屋のベランダへ出た。