状況確認
自分の部屋に戻り、マガジンに弾を込め直す。
今回の戦闘において消費弾薬は1桁に落ち着いたため、込め直すのも苦ではなかった。
「あぁ、しばらく肉は食えないな…。まぁLDLコレステロール値も尿酸値も高いって言われてたし、ベジタリアンになれるいいチャンスだな…。」
山中は無理やりポジティブに考えた。
「あ、そうだ。こういうシチュエーションでよくあるネットや電話がつながる繋がらないって展開。今はどうなんだろうか。」
山中は自分のスマホを取り出し、接続状況を確認する。
「よかった!インターネットはまだ繋がってるみたいだな。とりあえず家族に電話でもしてみるか…っていやその前に警察か。」
山中は110番をかける。
「おかしい。誰も電話に出ない。まぁまだ5時過ぎだし…。いや普通待機してるはずだよな?もしかして…。」
嫌な予感がしつつも今度は家族にかけてみる。
「もしもし?父さん?」
「おお、どうしたこんな時間に?」
「いや、なんかそっちで変なこと起きてない?例えばやけに不健康そうな人がトボトボ歩いてたりとか。」
「いや、特にはいないな。なんかあったのか?誰かお前の友達が家出でもしたのか?」
「ハハッ、そんな可愛いものならいいけどね…。わかった。とりあえず今から俺の言うことだけ騙されたと思って聞いて欲しい。」
「ん?お、おう。わかった。」
「不健康そうな人が玄関に来ても絶対開けるなよ。あと、家族も外出は絶対させないで。仕事だろうが学校だろうが関係ない。俺がそっちに戻るまでは家でこもってて。何かあったら俺に電話して。いいね?」
「わかった。とりあえず戸締りはしよう。母ちゃんにも子供らにもそう言っておく。お前は大丈夫なのか?」
「俺は大丈夫だよ。頼りになるものがあるから。それじゃあまた。なんかあったら教えて。」
「わかった。何があったのかよくわからんが気をつけろよ。」
「うん。じゃあ。」
山中は家族が無事であることを涙ながらに感謝した。
「よがっだ…!ゔっ…!ほんどうによがっだ…!」
嬉し涙を流しつつ、今度はサバゲー仲間であり、高校からの友人、野島にも電話をかけた。
「もしもし?野島か?」
「うん…?う〜ん、山ちゃん?どうしたの朝早くに…。」
「よかった…無事だったのか…!念のため聞いておきたいんだけど、そっちに何か異変ない?不健康な人とか、自分のエアガンとかが本物になってるとか。」
「え、急にどうしたん?不健康な人は見当たらんし、エアガンが本物に変わるなんてあり得ないし、何言ってるの?」
「いいから、ちょっとだけ見てみて。眠いところ申し訳ないんだけど。」
「うん、わかった。ちょっとまってて。保留中にしとく。」
「了解。」
1分後
「カチ」
「どうだっ…」
「え!!なんで!?山ちゃんの言う通りじゃん!!BB弾全部弾薬に変わってるし!マガジンも俺のプレキャリもなんか実物になってんだけど!!?なんで!??もしかして、山ちゃんのも?」
「マジか…。そうなんだよ、俺のも全部本物さ。」
「一体何が起こってるんだ…?」
「まぁこれで俺が嘘言ってないのは理解してもらえただろうから、お願いだけ聞いてもらえないか?」
「うんわかった。何すればいいかな?」
山中は先程父親に言ったことと同じことを野島に言い、さらに付け加え武装と車の待機をお願いした。