戦闘終了
同日 04:59 アパート部屋にて
「や、やったのか…?」
山中は化け物の死骸を踏む。ビクともしない。
「は、はぁ…。なんだかんだ末恐ろしかった…。」
尋常じゃない汗をかきつつ、被害者の男の元による。
「うっ…!近くで見るともっとひどい…ゲェエエエ…!」
山中は被害者にかからないように顔を横へ向け、すっからかんの胃から胃液を吐き出した。もはや我慢の限界だった。
「頸動脈があるところが完全にかじり取られてる…。なんだ…あの白いの…ウゲェ!」
被害者に対して失礼だと思いつつも嗚咽を我慢しない。出し切ってしまった方がかえって楽だと判断した。
「はぁ、はぁ、はぁ…。すごいな人間って…。こんなグロいものにも慣れるのか…。」
呼吸を整え山中は膝をつき、男の顔を覗き込んで自己判断で死亡確認をする。
「瞳孔が開いていて、息もしていない…。まぁ声がしない時点で察してはいたものの…。やはり死体を見るのは抵抗感があるな…。」
そう言いつつ山中は合掌をし、昔読んでいた南無妙法蓮華経を3回唱える。立ち上がり罪悪感を覚えつつも死体の頭に銃口を向けて引き金を2回引いた。
「特定はできないが、ゾンビだったらよくあるセオリーに則ってとりあえず頭に撃ち込めば大丈夫だろうか…。弾もたくさんあるが補給できるかどうかわからないし、この人には申し訳ないけどこのままにさせてもらうか…。」
そう言って山中は部屋の中の鍵を探し出し、閉じ込める形で部屋に鍵をした。
「しかし、なぜこんな静かなのだろうか…。不審な音や悲鳴、発砲音がしたにもかかわらずこのフロアの住人誰一人として出てこないぞ…?」
山中は悪寒を感じつつも自分の部屋に戻る。