0、三、二、一、スタートです!!
前の方の異世界で無双してもコンプレックスは直らない件を見てくれていた皆様、申し訳ございません。様々な都合上、新たに書き直していくことにしました。
そして新規の皆様、こんにちは。製造物です。出来るだけはっちゃけつつカッコいい主人公を書きたいと思います。どーぞ、よろしくです!
さて、突然だが聞きたいことがある。ちなみに拒否権はない。
皆様は夏休み明け初日の学校をどう思っていますか?
憂鬱? うん、大概の人の答えだと思う。
みんなと久しぶりに会えて嬉しい? 純粋な答えだ。俺はそんな風には考えられない。
宿題が終わっていない? ・・・悪いことは言わねぇ、今すぐやれ!
まあ、今までの答えは本当に一般的なもの。善良な日本人諸君ならばアイコンタクト無しでも言えるぐらいの。
そういえば自己紹介がまだだったな。
俺の名前は黒輝 勇馬、20●●年9月25日に生まれた元気な男の子だ。血液型はO型で正真正銘、純粋な日本人である。
家族構成は性根が腐った父と天然な母と脳味噌が腐った姉とマイリトルシスター、あと義理の家族が大量に、といった感じ。俺の妹はマジで天使です。目に入れても痛くない。出血するけど。
好きなものは甘いものと妹とかわい・・・何でもない。なんでもないったら何でもない。
嫌いなものは父と姉と義理の家族とホラー映画。ホラー映画はCMでさえも見るのが怖い。アレを好きになる神経が分からない。
さて、ここまで長く質問やら紹介やらしてきたのにはちゃんとした理由がある。
自己紹介は自分の状況整理を行うため。そうしなければ秒で心が死ぬ、そんな状況。
俺は今日、家族の妨害を受けたことによって二学期早々遅刻を仕掛けていた。そして扉を開けた瞬間目の前に不思議な光景が広がったわけだ。
俺の高校はまだ汚れも知らないような新設。目新しい木目が床を彩り、緑の弧を描く黒板が大きな窓から注がれる日光を映し出す。椅子と机は規則的に並び、白のシャツを着るクラスメイトがそこらに散らばる。俺たちのクラスはそんな感じだったと思っている。
しかし今の状況はというと・・・
形こそ建物であれこそ遺跡感満載の瓦礫製のお古な壁!
ベトベトに地面にへばりつく赤い絵の具のような何かが寂しい床をより物騒に!
上空でぶら下げられる照明はぶち抜かれた上空の風穴からの強烈な光に照らされ、俺たちの目を虐め抜く!
クラスメイトたちがそこら中で散らばっており、それを俯瞰するように見下ろす無作法な目線!
俺たちのクラスはこんなのではないと確信できるレベルの見た目だ。もし、夏休み中にまた新設したなら今すぐチェンジだ。学校の風紀が一気に乱れるし。
しかし俺たちからそんな淡い希望などすぐに投げ捨てられる。
上からの視線を追うとそこには決して煌びやかとは言えないものの質の良さが伺える服装を着飾るカラフル髪の男達。金髪、白、黒ならばまだマシなのだが赤、青、紫、桃色と盛りだくさん。髪を染めたかのような色のバリエーション。そこで個性を主張しなくてもいいだろうに。
服装は全員が黒色の裾の広く、所々に金色の紋様の線を刻んでいる。装飾品は誰もつけておらず少し高そうな制服、と言われた方がしっくりくる感じ。でも俺の学校の制服ではない。
またその後ろに備えるようにして眼を鋭く俺たちを見る。敵意とは言えないものの警戒心はある。そんな瞳だ。厚い鎧を装着し、片方の肩にマントを固定している。マントは共通して藍色であり、共通の赤色の紋章がくっきりと描かれている。三匹のトカゲが形取られている。 俺には分別がつきません。でも装いからして騎士っぽいな。少なくとも俺のクラスにいるべきではない。
そしてその高台よりも一層高い場所に立つ三人の男女。
一人は他の騎士に比べて一層厚く、輝かしい銀色の鎧を纏っている。髪は俺たち同様黒で後ろで結びあげている。眼は紫水晶で獣のような凶暴さを醸し出している。西洋的な顔立ちでこれもまた敵を畏怖させるよう。腰には何重にも茶色のベルトが巻かれており、二本の剣が差し込まれている。
また一人は翡翠色の肩に届く髪の少女。健康的な艶のある肌は綿のようにきめ細かく華奢。肩を露出させたドレスは黄金比のようなボディーラインをくっきりと魅せる。目も翡翠色で猫のような愛嬌がある。身長は平凡で155程度。恐らくは俺たちと同年代。姫的な何かに見える。
そして真ん中にそびえるように立つボール、ではなく肥えたオッさん。金髪の髪は外側に巻かれており、この人だけ装飾品が大量。髭は真ん丸な胸に届くまで伸びている。いや、切れよ。王冠らしきものが頭の上で固定されていてまた煌びやかに光る。眼は緑色。トランプに描かれているのオッさんみたいだ。
それにしても・・・こんな人達がなんで俺の学校にいるのですか? 今日は特殊な授業だった覚えがない。
だとしたら学校側が仕掛けたドッキリ? それにしては大掛かり。それ以前に教室よりも明らかに今ここの空間は大きい。そして入ってきた扉すらもない。つまりここは入ってきたはずの教室ではない。
ではここは何なのか、その疑問は次の言葉で払拭された。
「召喚神術、成功しましたー!!!」
「「「ーーーっ!!」」」
声にならない大音量が木霊する。上にいる人間どもは涙を流し、喚き、踊る。
いや、そんなことよりも聞き逃せない言葉があった。
「『召喚』・・・ねぇ。姉から出た誠だな」
勇馬の姉は生粋のオタクエリート。そしてその知識は無駄にも我が家の全員に入り込んでいる。もちろん勇馬にも。
そして姉が言っていた単語の中にあった『異世界召喚』。まさしく今、その状況なのだろう。
姉は言っていた。「王様が太っていたら最悪だよ〜。勇馬それに当たりそうだね〜」と。バッチリ当たっていたようだ。姉の勘は恐ろしい。
「さて、どうするか・・・」
勇馬は自虐的に口角を歪めながら呟いた。




