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エッセイっぽい何か

「転生」というシステムの有用性

 どうもHeybom@mobです。


 エッセイはわりかしサラッと書けちゃうので前回に続きまして、今度は「転生」についてダラダラ書いていきたいと思います。


 お分かりかとは思いますが、別に仏教の宗教観について意見を述べるつもりはありません。


 なろうのテンプレの代表格の「転生」について書いていきます。


 私が連載小説を書こうとして、全然筆が進んでいないことを前作を読んだ方は知っていると思います。


 新作のアイディアを練っている内に、そこで改めて「なんで小説家になろうでは転生する作品が多いのだろう?」と考えだしました。


 当たり前と言えば当たり前なんですが、転生するのは主人公です。


 そこで私はまず、「主人公」にスポットを当ててみました。


 私は主人公を二種類のタイプに分類しました。


 「共感型」と「憧憬型」の二つです。


 共感型は、読者が感情移入して共感するようなタイプの主人公です。


 ラノベによくある「どこにでもいる普通の高校生」とかはその最たる例です。


 漫画でいえば、修行とかの努力して強くなる主人公もここに分類されます。


 憧憬型は、読者がカッコいい(かわいい)、こうなりたい…とあこがれを持つような主人公です。


 漫画でいうと、某龍玉とか某海賊王の主人公ですね。


 私の感覚ですと、転生する作品の多くは「共感型」主人公だったと思います。


 ここでは、召喚・転移・ゲームの中に入ったとかの転移系は転生とは別物として考えます。


 主観的なざっくりした統計なので細かいことはスルーの方向でお願いします。


 では、「共感型」の主人公が「転生」する理由は何なのでしょうか?


 共感型主人公の醍醐味は、主人公の成功に自分を重ねる瞬間だと私は思います。


 武力、権力、知力……etc。成功するためには力が必要となります。


 でも、私たちと重ねるようにして描かれた主人公は、はじめは何の力もない普通の人です。


 そして、努力によってその力をつけ、ライバルとの戦いを制してフィナーレを迎えます。従来ならば。


 思い返してみてください。今まで読んだ転生モノの中に血と汗と涙が滲むような努力をしたうえで主人公が活躍した作品はいくつありますか?


 私の記憶にはほとんどありません。にもかかわらず、私を含めた読者は何の違和感もなく主人公に自分を重ね、ページをスクロールしています。


 この現象を引き起こしたものこそ「転生」だと私は思うのです。


 皆さんは「デウスエクスマキナ」という言葉に聞き覚えはありませんか?


 演劇で、話の収拾が付かなくなったときに、なんの伏線もなかったのに、機械仕掛けを用いて神が現われ、強引に大団円に持っていってしまう劇の手法です。


 「デウスエクスマキナ」は強引で違和感の拭えないという理由から、その手法が作られた古代ギリシャ時代から批判されていました。


 私は「転生」は、時を超え、場所を変え、姿を変えて現代に蘇った「違和感と強引さが無く、序盤に登場する姿かたちのないデウスエクスマキナ」ではないかと思うのです。


 話が展開された後にどうしようもなくなってから神が現れて解決するのではなく、展開される前に物語の舞台を主人公にとって都合のいい世界に変えてしまうのです。


 努力などの苦労は「死」で代用し、舞台の切り替えは、誰にとっても未体験な「死」というフィルターで覆い隠します。


 すると、あら不思議。共感型のまま強い主人公の出来上がりです。



 いやあ、我ながらすごい考察をしたもんだと思っております(自画自賛)。


 最初に「転生」をし始めた人は天才ですね。とても理にかなった手法です。


 これを読んでから転生モノを読めば楽しみがちょっと増えると思います。

 

 読むだけじゃなく、こんなことを意識して「転生」する作品を書いてみては?




※当てはまらない作品もたくさんあるので悪しからず

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― 新着の感想 ―
[良い点]  現代のデウスエクスマキナには笑いました。 [一言]  転生は便利すぎるんですよね。主人公の価値観を現地人に寄せなくて良いですし、器の大きい人物に仕立てあげるには平和ボケな考えをさせれば良…
[気になる点]  転生✕共感のシークレットがミドコロをなした。 [一言]  パソコンの情報は全部デウスエクスマキナでごっそり征圧完了の支配者があらわれそうかな?  
[一言] 「なんで小説家になろうでは転生する作品が多いのだろう?」 この話、ホントに何故なんだろうって思いますよね。 これについてちょっと作者様のエッセイの趣旨とは離れますが話したいと思います。…
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