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2.探偵の報酬

2.探偵の報酬


 森山の妻、雅代(まさよ)は三か月ほど前からスポーツジムへ通っていたと言う。毎週火曜日と金曜日の週2回。失踪する直前もいつものようにスポーツジムへ出かけたらしい。ところが、それを最後に消息が分からなくなったと言うのが森山の話だった。そして、それから既に1週間が経過しているという事だった。


 森山は雅代の写真を提示した。矢沢はその写真を手に取った。大企業の社長夫人という割には質素なイメージだと思った。

「1週間もの間、捜索願いも何も出さずにいたんですか?」

「以前も私に黙って友人と旅行に行っていたことがありましたし、今度もそんなことなんだろうと思っていましたから」

「ふーん…。それで、その日、ジムには顔を出しているんですか?」

「ええ。受付の女性が覚えていました」

「誘拐ですかね…」

 話を聞いていた黒木がボソッと呟いた。そんな黒木を矢沢が睨み付けた。

「クライアントの前だぞ! 第一、誘拐なら犯人から何らかのアプローチがあるだろう」

「それもそうですね」

 矢沢に言われて黒木は頭に手を当てた。矢沢は依頼を引き受けることにし、森山に条件を伝えた。

「取り敢えず、引き受けさせてもらいます。報酬については進捗状況に応じて必要経費プラス時間給ということでいいですか?」

 森山が頷くと、矢沢はさらに条件を付け足した。

「あと、事件性が伴うような場合は危険手当を別途頂くことになりますけど」

「お任せします。私はもう会社に戻らなくてはなりませんので、宜しくお願いします」

 森山は矢沢に深々と頭を下げると、そそくさと事務所を出て行った。


 森山が帰ると矢沢は冷蔵庫から缶ビールを取り出した。プルトップを開けて一気にビールを流し込んだ。

「何か隠しているな。あの弁当屋のおっさん…。まあいい。美紀! お前、明日からスポーツジムへ通え」

「了解! 潜入捜査ですね」

 美紀は矢沢に向かって敬礼のポーズをとってにっこりと笑った。

「黒木、お前、おっさんの過去を洗ってくれ」

「だから、ただのおっさんじゃないんですから」

「ただのおっさんじゃないから調べるんだろうが。解かったらとっとと行け。俺もちょっと出てくる」

 



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