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剥ぎ取り

時間空いてしまってすいません。

 と、云う訳で。

 再びやって来ました、ウルフと殺し合った場所。

 ウルフの死骸はさっきのままになっている。

 恐らくここじゃ日本円なんて使えないし、そうなると私達は無一文なので、お金を入手出来るのは有難い。 

「で、どの部位を持って行けばいいんだっけ?」 

 と、ワタリドリちゃんがリリスに聞く。 

「あっはい、えーっと、まずは毛皮ですね。それに牙、あと、新鮮な状態なら肉も買い取ってくれる筈です。……知らないんですか?」

 リリスが呆れる様に、というよりも不審がる様に問いかけてくる。 

「あはは、ごめんねーこういうの詳しくなくてさぁー」

 と、ワタリドリちゃんが答える。

 私はその会話を隣で聞いている。まあ、返事を返すならそんなところだろう。にしても、何でそんないぶかしげに聞いてくるんだ?

 そんなことを考えている内にリリスがこう返してきた。 

「でも、冒険者ならこの程度知ってないとじゃないですか?」


「「え?」」


私とワタリドリちゃんは思わず聞き返す。

「え?」

 リリスもオウム返しの様に疑問府を発した。

 とりあえず戸惑いを押し込めた私は、何故か隣で動かないワタリドリちゃんの代わりにリリスに聞く。

「えっと…、冒険者?」

「え? はい。だって、さっきの戦いを見てても強かったですし、その、奇抜な格好していたので、てっきり冒険者かと……。違いましたか?」

「……うん、違うよ。私達はただの旅人。………質問なんだけど、冒険者って、何?」

 私はリリスの疑問に答えると共に、冒険者とは何かを聞く。

 その問いに、リリスはさらにいぶかしげな表情を浮かべる。 

「それは、魔物とか盗賊とかと戦ったりする冒険者ギルドの冒険者ですけど………、知らないんですか!?」

 後半、びっくりした様子で言ってくる。

「えー、まー、ははは」

 私は適当に返事をしつつワタリドリちゃんの方を見る。と、ワタリドリちゃんが何か震えている。 

「………ん者だ……」

「ん?」

 今、何か言っただろうか? 耳を少し傾ける。 

「……………冒険者だよっっっっ!!」

「「わっ!」」

 いきなり大声出すもんだからリリスと一緒に驚いてしまった。 

「冒険者だよブラックちゃん!!!あの異世界転生・転移ものじゃテッパンの!!!うわぁ夢が広がるなぁだって冒険者だよ冒険に心踊らせちゃうよモンスターとの熱戦とかもう最っっっっっっっっこーーーーー」

 脳天にチョップして落ち着かせる。

「うわ痛っっっっった!何すんのブラックちゃん!」

「うるさいんだよワタリドリちゃん。………ってそうだ剥ぎ取り」

 ここに来た目的を思い出す。

「ごめん、早く終わらせた方がいいよね。今からすぐ取り掛かるから。」

「あ、そうですね。お願いします」

「うん。…ほら、ワタリドリちゃんも手伝って。牙を剥ぐぐらいはさ」

 太陽は少しずつ降りていっている。野宿したくもないし、さっさとやるべきだろう。

「へーい、わかったわかった。まぁ解体の方もやるよ。ナイフ貸して」

 二本のバタフライナイフを取り出し、片方をワタリドリちゃんに渡す。

 フラッドで焼き上げたウルフの毛皮はダメそうなので牙だけ切り取った。

 その後、黙々と解体する。肉は…………置いていこう。

 と、急にワタリドリちゃんが聞いてくる。

「……ブラックちゃん解体できたんだ。びっくりだよ」

 その問いに、少し考えて答える。

「ま、知識は持ってるからね。………解体自体はやったことあるし。まあ、同じ哺乳類だし似たようなもんだよ」

「知識は持ってる、ね。ていうかやったことあるの?………ああ、あの事か」

 ワタリドリちゃんは納得したというように頷く。

「そういうワタリドリちゃんはなんで出来るの?」

 私もちょっと聞いてみる。

「………私の斡旋してる殺し屋の中に人食嗜好の子がいてね。人の解体の仕方を話してくるんだよ。ま、『おんなじ哺乳類』だしね」 

 そういうと、にしっ、と笑った。  ………その人とはあいたくないなぁ。

 とかいってる間に解体終了。要らない部分を近くに穴を掘って埋める。どうやって穴を掘ったかというと………… 

「ねえねえブラックちゃん」

「何?」

「地面を思いっきり殴ってくれる?」

「え、いいけど………」

 で、どーん。………掘るじゃなくて抉るですね。

 そんなこんなで剥ぎ取りも終わり。

「じゃあリリス、町まで案内よろしく」

「あ、はい!」


 出発。

短いですかね………?

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